
ビジネスローンは、法人や個人事業主が事業資金を借りるためのローンです。無担保の商品が多く、早ければ当日か数日で借りられます。ただし、社長の連帯保証が必要な商品もあり、金利の上限は高めです。
この記事では、ビジネスローンの仕組みと金利・限度額、公庫や信用保証協会付きの融資との違い、使う前に確認することを説明します。節約社長編集部は、時間があるなら公庫や銀行の融資を先に検討し、ビジネスローンは短期間で返せる一時的な資金不足に使うことをおすすめします。
ビジネスローンとは
ビジネスローンは、法人や個人事業主が事業資金として借りるローンです。法律で決まった呼び名ではなく、銀行やノンバンク(貸金業者)が自社の商品にこの名前を付けています。担保が要らず、オンラインで申し込めて、審査が早いものが多いのが特徴です。
銀行のビジネスローンとノンバンクのビジネスローン
銀行が貸すビジネスローンは銀行法の、ノンバンクが貸すビジネスローンは貸金業法のルールで扱われます。ノンバンクから借りるときは、貸金業の登録番号を確認します。登録の有無は、金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」で確認できます。
個人の借入れを年収の3分の1までに制限する貸金業法の「総量規制」は、法人向けの貸付けには適用されません。個人事業主も、事業計画や資金繰りの資料を出して返済できると認められれば、例外として借りられます。
カードローン型と、一度にまとめて借りる型
決まった枠の中で何度でも借りて返せる「カードローン型」と、一度にまとまった額を借りて毎月返していく型があります。カードローン型は必要なときにすぐ使える一方で、借りたままにすると利息がかかり続けます。
ビジネスローンの金利と限度額
主なビジネスローンの公式サイトに書かれている条件です(2026年10月28日確認)。順番に優劣はありません。実際の金利と限度額は審査で決まります。
主なビジネスローンの条件
| 商品(提供元) | 金利(年) | 限度額 | 対象 |
|---|---|---|---|
| Biz LENDING (三菱UFJ銀行) | 0.8〜14.0% | 1,000万円 | 法人 |
| あんしんワイド (GMOあおぞらネット銀行) | 0.9〜14.0% | 初回1,000万円 | 法人 |
| ビジネスローン (PayPay銀行) | 2.2〜14.0%(変動) | 10万〜1,000万円 | 法人・個人事業主 |
| 事業者向けビジネスローン (AGビジネスサポート) | 3.1〜18.0% | 50万〜1,000万円 | 法人・個人事業主 |
| BUSINESS LOAN (ドコモ・ファイナンス) | 4.8〜17.8%(完済型)。100万円以上は上限14.9% | 10万〜1,000万円 | 法人経営者・個人事業主 |
金利の下限は、条件のよい場合の値です。初めて借りるときは、上限に近い金利になることも考えておきます。
金利には法律の上限があり、利息制限法で、借りる額が10万円未満なら年20%、10万円以上100万円未満なら年18%、100万円以上なら年15%までです。
担保は多くの商品で不要ですが、保証人の扱いは商品によって違います。法人向けでも、社長の連帯保証が原則として必要な商品があります。
ドコモ・ファイナンスのBUSINESS LOANは、法人経営者が利用する場合も、会社ではなく経営者個人が契約するローンです。会社名義で借りる商品と区別して確認してください。
日本政策金融公庫・保証協会付き融資との違い
金利の違い
日本政策金融公庫 国民生活事業の基準利率は、無担保で税務申告を2期終えた事業者の場合、年4.05〜5.65%です(2026年10月1日現在)。信用保証協会の保証が付く融資は、金利とは別に保証料がかかります。PayPay銀行は自社の比較の中で、保証協会付きの融資を年1.9〜3.9%、ビジネスローンを年2.2〜14.0%としています。
300万円を2年で返す場合の利息の合計(架空の例)
300万円を2年(24回)で、元利均等で返す場合の架空の例です。年4.0%なら毎月の返済額は約13.0万円、利息の合計は約12.7万円です。年14.0%なら毎月約14.4万円、利息の合計は約45.7万円で、差は30万円を超えます。保証料や手数料は含めていません。自社の条件は金利・返済シミュレーターで試算できます。
入金までの日数の違い
ビジネスローンは、早いものでは申込みの当日か、数営業日で借りられます。日本政策金融公庫は、申込みから融資金の送金が完了するまで1か月程度(土日・祝日を含む)としています。
借りられる額と期間の違い
表の商品は、限度額または初回の融資枠を1,000万円としています。設備投資のように何年もかけて返す資金は、公庫や銀行の融資も含め、必要な額・金利・返済期間を比べて検討してください。
ビジネスローンが向く場面・向かない場面
向く場面
- 支払いの日が近く、公庫や銀行の融資が間に合わない
- 足りない額が小さく、数か月以内に返せる見込みがはっきりしている
- 銀行の融資の審査を待つ間のつなぎとして、短い期間だけ借りる
向かない場面
- 設備や人への投資など、何年もかけて返すお金
- 赤字が続いていて、返済のめどが立たない不足の穴埋め
- ほかの借入れの返済に充てるための借入れ
時間があるなら、まず日本政策金融公庫や取引のある銀行に相談してください。資金不足を早めに把握すれば、公庫や銀行へ相談する時間を確保しやすくなります。足りなくなる月の見つけ方は資金繰り表の作り方で、資金調達の方法全体は資金調達の方法と選び方で説明しています。
売掛金があり、入金までのずれを埋めたいだけなら、ファクタリングという方法もあります。ただ、ファクタリングは続けて使うほど費用が膨らむので、ファクタリングと融資の違いで、同じ金額を用意する費用を比べてから選んでください。
ビジネスローンを使う前に確認すること
実質年率を確認する
金利は「実質年率」で比べます。審査で決まる金利が上限に近いことも考えて、上限の金利で返済額を試算しておきます。
返済の期間と方法を確認する
何回で、毎月いくら返すのかを確認します。資金繰り表に返済額を入れ、仕入れや給与などを支払った後も、返済に充てる現金が残るか確認してください。カードローン型は、最低返済額だけを払っていると、元金がなかなか減りません。
保証人の要否を確認する
法人向けでも、社長の連帯保証が必要な商品があります。社長が個人で返済の責任を負うかどうかを確認します。
提供元を確認する
銀行か、貸金業の登録がある会社かを確認します。登録番号を答えない業者からは借りないでください。
事業者を狙う違法な業者に注意する
金融庁は、資金繰りに困った事業者を狙い、ダイレクトメールやFAXで「低金利で融資」「他店で断られた方でもOK」などと勧誘する「システム金融」に注意を呼びかけています。登録番号を答えない業者は、無登録業者の可能性が高いとしています。登録番号を名乗っていても、架空の番号や他社の番号を使う業者がいるので、登録貸金業者情報検索サービスで確認してください。
ファクタリングを装った高金利の貸付けにも注意が必要です。見分け方は違法なファクタリングの見分け方で説明しています。
よくある質問
ビジネスローンを使うと、銀行の融資に影響しますか?
借入れが増えるので、銀行の審査では返済の負担として見られます。金融機関がどう評価するかは公表されていませんが、銀行に融資を相談するときは、ビジネスローンの借入額と返済の予定も伝えて、全体の返済計画を説明できるようにしておいてください。
個人事業主もビジネスローンを使えますか?
使えます。ただし、法人だけを対象にした商品もあるので、対象を確認してください。日本政策金融公庫の国民生活事業も個人事業主が使えるので、時間があれば先に検討してください。
赤字でも借りられますか?
商品によっては審査を通る場合もありますが、赤字が続いている状態で金利の高いローンを借りると、返済でさらに苦しくなります。まず支出の見直しと、取引のある金融機関への相談を考えてください。資金が足りなくなりそうなときにやることは資金ショートの記事で説明しています。
参考資料
- 金融庁「貸金業法Q&A」(2026年10月28日確認)
- e-Gov法令検索「利息制限法」(2026年10月28日確認)
- 金融庁「違法な金融業者にご注意!」(2026年10月28日確認)
- 日本政策金融公庫「金利情報」(2026年10月28日確認)
- PayPay銀行「法人・個人事業主向け融資」(ビジネスローンと保証協会付融資の比較、2026年10月28日確認)
- 日本政策金融公庫「国民生活事業をはじめてご利用の方へ」(2026年10月28日確認)
- 各商品の公式サイト(いずれも2026年10月28日確認。特定の商品を推奨するものではありません): Biz LENDING、あんしんワイド、PayPay銀行 ビジネスローン、AGビジネスサポート 事業者向けビジネスローン、ドコモ・ファイナンス BUSINESS LOAN
更新履歴
- 公開








