
ファクタリングの見積もりを受け取ったら、まず見るのは手数料です。ただ、手数料の率だけを見ても、実際にいくら手元に入るかはわかりません。
この記事では、ファクタリングの手数料の相場と、手数料以外にかかる費用、受取額の計算の仕方を説明します。見積もりの数字を入れて受取額を出せるファクタリング受取額計算ツールも用意しました。
ファクタリングの手数料とは
ファクタリングの手数料は、売掛金を買い取ってもらうときに、ファクタリング会社に払う費用です。売掛金の額に対する割合(%)で示されることが多く、買取額は売掛金からこの手数料を引いた額になります。
手元に入る額(受取額)は、次の式で出します。
受取額 = 売掛金の額 − 手数料 − 手数料以外の費用
たとえば、売掛金100万円で手数料が10%なら、手数料は10万円です。登記の費用などがかかれば、受取額はさらに減ります。仕組みそのものはファクタリングとはで説明しています。
ファクタリングの手数料の相場
手数料は、2社間か3社間か、取引先の支払い能力、売掛金の額、入金までの日数などで変わります。ここでは業界全体の統計ではなく、各社が公式サイトに出している値を例として並べます。
各社の公式サイトに出ている手数料(2026年10月7日確認)
| 会社・サービス | 公式サイトの手数料 |
|---|---|
| OLTA | 2〜9% |
| QuQuMo | 「最大でも1%〜」(上限の記載なし) |
| GMO BtoB早払い | 請求書の買取 1〜10%、注文書の買取 2〜12% |
| 日本中小企業 金融サポート機構 | 1.5%〜(上限の記載なし) |
| ビートレーディング | 幅の記載なし。平均は2者間9.4%、3者間6.4%(法人、2025年9月時点) |
| PayToday | 1〜9.5% |
| マイナビブリッジ | 1〜7% |
| マネーフォワード 早期入金 | 0.5%〜(上限の記載なし) |
表は五十音順です。日本中小企業金融サポート機構とビートレーディングは3社間も扱い、ほかの6社の公式サイトには、2社間の取引としての説明があります。
上限を出している会社の例では、2社間の上限は7〜9.5%でした(GMO BtoB早払いの請求書の買取は10%)。3社間の手数料の幅を出している会社はこの中になく、数字はビートレーディングの平均6.4%だけでした。
表の値は、そのままでは比べられません。
- 「◯%〜」とだけ書いて上限を出していない会社、幅を出している会社、平均を出している会社が混ざっている
- 下限の値は条件がよい場合のもので、実際の手数料は審査で決まる
- 手数料以外の費用の扱いが、会社によって違う(手数料以外にかかる費用)
表の値で会社を選ぶのではなく、見積もりを取って受取額で比べてください。
受取額を計算する
見積もりの手数料と費用がわかったら、受取額を出して比べます。ファクタリング受取額計算ツールに数字を入れると、受取額と費用の割合がわかります。見積もりを3件まで並べられます。
次の表は、売掛金100万円の架空の例です。
売掛金100万円の受取額の例
| 方式・手数料 | 手数料 | その他 | 受取額 |
|---|---|---|---|
| 3社間・3% | 30,000円 | 0円 | 970,000円 |
| 2社間・10% | 100,000円 | 0円 | 900,000円 |
| 2社間・10% 費用あり | 100,000円 | 50,000円 | 850,000円 |
同じ手数料10%でも、手数料以外の費用が5万円かかると、受取額は85万円になります。見積もりは、手数料の率ではなく受取額で比べてください。
ファクタリングと融資の費用を比較する
ファクタリングの手数料と、融資の金利は仕組みが違います。融資は借りた期間に応じて利息がかかり、返済の義務があります。ファクタリングは売掛金を売る取引で、手数料は売掛金の額に対する割合で示されます。借入れのような毎月の返済はありませんが、2社間では取引先から回収した代金をファクタリング会社へ送金する義務があります。取引先が払えなくなったときの負担は、契約で確認します。計算の仕方が違うので、手数料を年率に直して金利と比べることはしません。
ここでは、同じ金額を調達する場合にかかる費用を比較します。売掛金100万円・手数料10%なら、費用は10万円です。仮に同じ90万円を年利4%で30日借り、1年を365日として日割りで計算すると、利息は約2,959円です。この架空例では手数料と利息に差がありますが、実際の融資の費用や借りられる条件は異なり、保証料などが加わる場合もあります。
費用の差を踏まえて、ファクタリングを利用する必要があるか検討してください。融資の返済額は金利・返済シミュレーターで試算できます。
ファクタリングの手数料を抑える方法
手数料は、ファクタリング会社が回収できないリスクをどう見るかで変わります。次の点で、手数料が下がることがあります。条件や扱いは会社によって違います。
取引先の承諾が得られるなら3社間を選ぶ
3社間ファクタリングは、取引先がファクタリング会社へ直接払うため、回収のリスクが小さく、手数料は低めになることが多いです。取引先に知られてもよく、承諾を待つ時間があるなら検討します。
支払いの実績がある取引先の売掛金を使う
審査では、主に取引先の支払い能力が見られます。支払いの実績がある取引先や、経営が安定している取引先の売掛金の方が、手数料が低くなることがあります。
複数の会社から見積もりを取る
同じ売掛金でも、会社によって手数料と費用は違います。2〜3社から見積もりを取り、受取額で比べてください。見積もりを比べていることを伝えて、条件の相談をすることもできます。
書類をそろえて早めに相談する
請求書、取引先との契約書や発注書、入金の記録がわかる通帳などを最初からそろえておくと、審査が進めやすくなります。支払いの直前は条件を比べる時間がなくなるので、早めに相談します。
続けて使う場合は条件を相談する
同じ会社を続けて使う場合、利用の実績をもとに条件を相談できることがあります。ただし、毎月使い続ける状態は、資金繰りの見直しが必要な合図でもあります。
手数料以外にかかる費用
見積もりでは、手数料のほかに次の費用がかかるかを確認します。
- 債権譲渡登記の費用:2社間で登記を求められた場合にかかります。法務局に納める登録免許税は、債権の数が5,000個以下なら1件7,500円です。司法書士に頼むと、その報酬もかかります
- 契約書の印紙代:紙で作成する債権譲渡の契約書(第15号文書)は、記載された契約金額が1万円以上、または金額の記載がない場合、1通につき200円です。1万円未満なら非課税です。電子契約の電磁的記録には印紙税はかかりません。別の種類の契約書に当たる場合は税額が異なるため、契約書の内容も確認します
- 振込手数料:入金のときの振込手数料を、受取額から引く会社があります
- 事務手数料など:手数料とは別に、事務手数料や書類の作成費用がかかる会社があります
公式サイトで「手数料以外の費用はかからない」としている会社もあれば、印紙代などが別にかかる場合があるとしている会社もあります。見積書の費用の内訳と、別途かかる費用がないかを確認し、受取額で比べてください。
手数料が高すぎるときは注意する
金融庁は、高い手数料のファクタリングは、かえって資金繰りを苦しくし、借金を重ねる危険があると注意を呼びかけています。手数料のほかに、取引先が払えなかったときに自社が売掛金を買い戻す取り決めがないかも確認してください。見分け方は違法なファクタリングの見分け方で説明しています。
よくある質問
ファクタリングの手数料に消費税はかかりますか?
売掛金の譲渡は、消費税がかからない取引(非課税)です。実際に債権を買い取り、買取代金との差額として受け取る譲受差益も、非課税として扱ってよいとされています。ただし、「手数料」という名前だけで一律に決まるわけではありません。別に請求される事務手数料などは、見積書と契約内容をもとに、会社や税理士に確認してください。
手数料の勘定科目は何ですか?
会社によって処理の仕方が違うので、顧問の税理士や会計事務所に確認してください。
手数料は交渉できますか?
相談できる場合があります。複数の見積もりを取って比べていることを伝えたり、続けて使う場合に条件を相談したりします。ただし、手数料の安さだけで選ばず、契約の中身も確認してください。
参考資料
- 金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」(2026年10月4日確認)
- 法務省「(債権譲渡登記等)添付書面・登録免許税」(2026年10月7日確認)
- 国税庁「印紙税額の一覧表(その2)第5号文書から第20号文書まで」(2026年10月7日確認)
- 国税庁「消費税法基本通達 第6章 第2節 有価証券等の譲渡等関係」(2026年10月7日確認)
- 福岡国税局「注文請書を電磁的記録に変換して電子メールで送信した場合の印紙税」(2026年10月7日確認)
- 国税庁「条件付金銭債権の譲受差益の取扱い」(2026年10月7日確認)
- 日本政策金融公庫「金利情報」(2026年10月7日確認)
- 手数料の表の各社の公式サイト(いずれも2026年10月7日確認): OLTA、QuQuMo、GMO BtoB早払い、日本中小企業金融サポート機構、ビートレーディング(法人のお客様)、PayToday、マイナビブリッジ、マネーフォワード 早期入金
更新履歴
- 公開
- 全面的に書き直し。「ファクタリングの手数料は交渉で下げられる?」の記事をこの記事にまとめた








