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リスケとは?銀行への相談の進め方と、返済条件の変更に使える公的支援

編集部
借入れのリスケ、返済条件を変更する手順と公的な支援

借入れの返済が苦しくなったとき、金融機関に返済の条件を変えてもらうことを「リスケ(リスケジュール)」といいます。毎月の返済額を減らしたり、元金の返済を一時的に止めたりして、資金繰りを立て直す時間をつくる方法です。

この記事では、リスケの進め方と、金融機関に出す書類、計画づくりで使える公的な支援、リスケの後に起きることを、金融庁・中小企業庁などの公表資料をもとに説明します。

リスケとは

リスケは、借入金の返済条件の変更のことです。主に次のような変更を金融機関に頼みます。

  • 毎月の返済額を減らす
  • 一定の期間、元金の返済を止めて、利息だけを払う
  • 返済の期間を延ばす

リスケで毎月の返済額を減らした例(架空の例)

毎月の返済額50万円を、リスケで20万円に減らした例。毎月の支出を30万円減らせる。返済が免除されるわけではなく、この例では返済期間が延びる。

毎月の返済額が50万円から20万円になれば、毎月の支出を30万円減らせます。ただし、返済を免除してもらう方法ではありません。この例のように返済期間を延ばす場合は、利息を払う期間も長くなります。

J-Net21は、リスケは問題の先送りにすぎない面もあるとしています。返済を減らしている間に、売上や利益を立て直す計画とセットで進めることが大切です。

リスケを考える前に確認すること

まず、いつ、いくら足りなくなるのかを数字で確認します。今後数か月の入金と支払いを、日付順に並べた資金繰り表を作ってください。作り方はAIを活用した資金繰り表の作り方で説明しています。

足りないのが一時的なら、セーフティネット貸付などの融資や、支払いの時期の相談で乗り切れることもあります。税金や社会保険料の納付が苦しい場合は、滞納する前に税務署や年金事務所に相談すると、分割で納める猶予を受けられることがあります。資金が足りなくなりそうなときにやることは資金ショートの記事で説明しています。

赤字が続いていて、今の返済額では借入れを返していけない場合に、リスケを考えます。

リスケの進め方

  1. 資金繰り表を作る

    J-Net21は、リスケを申し出るときは資金繰り表を必ず作るよう勧めています。いつ、いくら足りないのか、返済額をいくらにすれば資金繰りが回るのかを示します。

  2. 経営改善計画を作る

    売上をどう増やすか、費用をどう減らすか、いつまでに返済を元に戻せるかを計画にします。計画が実際に実行できるものかどうかが、金融機関の判断を左右します。

  3. 借入れのあるすべての金融機関に相談する

    一部の金融機関だけに返済を減らしてもらい、その分をほかの金融機関への返済に回すと、支援を受ける金融機関の間で不公平が生じます。すべての借入先に状況を説明し、返済条件を調整します。各社への返済額を同じ金額にするという意味ではありません。

  4. 返済条件を変える契約をする

    金融機関と合意したら、返済条件を変える契約をします。信用保証協会の保証が付いた借入れは、金融機関を通じて保証協会とも調整します。

  5. 計画を実行し、定期的に報告する

    計画の進み具合を、試算表などで金融機関に定期的に報告します。

日本政策金融公庫から借りている場合は、取引のある支店に相談します。公庫は、税務申告書・決算書、資金繰り表、経営改善計画書などをもとに相談に応じ、書類は省略も含めて柔軟に対応するとしています。

リスケの計画づくりで使える公的な支援

中小企業活性化協議会

すべての都道府県に置かれた、中小企業の経営改善や事業再生を支援する公的な機関です。相談は無料で、予約して相談します。金融機関との調整が必要な場合は、金融機関の間に立って、計画の合意づくりを支援します。

計画づくりを専門家に頼む費用の補助

制度向いている場合補助
経営改善計画
策定支援
(405事業)
リスケなど、金融機関の支援を伴う本格的な経営改善が必要な場合費用の3分の2。計画策定などは上限200万円、伴走支援は上限100万円(通常枠)
早期経営改善
計画策定支援
資金繰りが苦しくなり始めた段階で、早めに計画を作りたい場合費用の3分の2。計画策定は上限50万円、伴走支援は上限30万円

どちらも、国の認定を受けた専門家(認定経営革新等支援機関。税理士や中小企業診断士など)と一緒に計画を作り、中小企業活性化協議会に申し込みます。顧問の税理士が認定を受けていれば、相談してみてください。

リスケの後に起きること

新しい融資は受けにくくなる

リスケ中は、返済の元手を示しにくいため、新しい融資を受けにくくなります。ただし、条件を変えたことだけで一律に断られるわけではありません。金融庁は金融機関に対し、条件を変えた会社からの申込みでも、返済する力が高まると見込めれば、新しい融資に努めるよう求めています。中小企業庁も、条件を変えたことだけで直ちに信用保証の対象外になるわけではないとしています。

計画に沿った借入れを支える制度もある

中小企業活性化協議会などで作った計画に沿った借入れを保証する「経営改善サポート保証」や、日本政策金融公庫の資本性ローン(挑戦支援資本強化特別貸付)など、立て直しの途中で使える制度があります。使えるかどうかは、計画の内容と各機関の判断によります。

条件変更の実行率を見るときの注意点

金融庁の2025年4月から2026年8月末までの集計では、銀行の中小企業向け貸付条件変更の実行率は98.6%です。これは、実行と謝絶の件数の合計に占める実行の割合で、審査中や取下げは含みません。申込み全体のうち98.6%が認められた、という意味ではありません。

金融庁は金融機関に対し、条件変更の有無だけで機械的に判断せず、申込みに迅速かつ柔軟に対応するよう要請しています。ただし、申込みが必ず認められるという意味ではなく、計画の内容などを踏まえて個別に判断されます。

よくある質問

1つの金融機関だけにリスケを頼めますか?

まず借入れのあるすべての金融機関に状況を説明し、返済条件を調整します。一部の金融機関にだけ負担を求めないよう、金融機関の間で公平に対応することが大切です。

リスケをすると、信用情報に載りますか?

契約先の金融機関に、登録される情報と今後の借入れへの影響を確認してください。法人の融資と個人の借入れでは契約や登録先が異なるため、一律に「載る」「載らない」とは説明できません。

リスケの期間はどのくらいですか?

決まった期間はありません。計画の内容と金融機関との話し合いで決まります。期間が終わる前に、計画の進み具合を見て、返済を元に戻すか、条件を見直すかを相談します。

個人事業主でもリスケはできますか?

できます。事業の借入れについて、法人と同じように取引のある金融機関に相談します。

参考資料

  1. J-Net21 Q&A(リスケジュール)(2026年10月28日確認)
  2. J-Net21「会社の資金繰りが悪化し、資金ショートしそうです。何から手を打てばよいですか?」(2026年10月28日確認)
  3. 中小企業庁「中小企業活性化協議会」(2026年10月28日確認)
  4. 中小機構「経営改善計画策定支援事業」(現行の支援額・申込方法、2026年10月28日確認)
  5. 中小企業庁「経営改善計画策定支援」(2026年10月28日確認)
  6. 中小企業庁「早期経営改善計画策定支援」(2026年10月28日確認)
  7. 中小企業庁「信用保証制度に関するFAQ」(2026年10月28日確認)
  8. 中小企業庁「経営改善サポート保証等」(2026年3月2日)(2026年10月28日確認)
  9. 日本政策金融公庫「挑戦支援資本強化特別貸付」(2026年10月28日確認)
  10. 日本政策金融公庫「よくあるご質問」(返済条件の見直し、2026年10月28日確認)
  11. 金融庁「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」(II-5-2-1)(2026年10月28日確認)
  12. 金融庁「金融の円滑化に向けた取組及び事業者支援の徹底について」(2025年11月27日)(2026年10月28日確認)
  13. 金融庁「貸付条件の変更等の状況(2026年8月末)」(2026年10月28日確認)

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