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ファクタリングとは?仕組みと借入との違い、使わない方がよい場面

編集部
ファクタリングとは? 売掛金を早く現金にする仕組み

取引先からの入金は来月末なのに、今月の支払いに充てるお金が足りない。そんなときに広告でよく見かけるのが、ファクタリングです。

この記事では、ファクタリングの仕組みと借入との違い、使ってよい場面と使わない方がよい場面を説明します。先に結論を言うと、ファクタリングは「入金のずれ」を埋める方法で、「赤字」を埋める方法ではありません。

ファクタリングとは

ファクタリングは、取引先から後で受け取る代金(売掛金)をファクタリング会社に売って、入金日より前に現金を受け取る方法です。

たとえば、4月末に請求した100万円が6月末に入金される予定だとします。この売掛金をファクタリング会社に売ると、手数料を引いた額を6月末より前に受け取れます。入金までの日数は、審査や契約の条件によって違います。6月末に取引先が払う100万円は、ファクタリング会社のものになります。

お金を借りるのではなく、売掛金を売る取引です。売買として成立する取引なら、借入金は増えません。売掛金が減って現金が増え、手数料は費用になります。

2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの違い

ファクタリングには、契約する相手によって2社間と3社間があります。違うのは、期日に取引先が代金を払う先です。

どちらもファクタリング会社から自社へ先に現金が入る。期日の代金は、2社間では取引先から自社に入り、自社がファクタリング会社へ渡す。3社間では取引先がファクタリング会社へ直接払う。
画面が狭いときは、図を横にスクロールしてご覧ください。

2社間ファクタリング

自社とファクタリング会社の2社で契約します。原則として取引先への通知は不要ですが、契約条件によっては通知される場合があります。期日には、これまでどおり取引先から自社に代金が入り、自社がその額をファクタリング会社へ渡します。

ファクタリング会社から見ると、代金を確実に受け取れるかが見えにくい取引なので、3社間より手数料が高くなる傾向があります。債権譲渡登記を求められることがあり、その費用もかかります。

3社間ファクタリング

取引先にも承諾してもらい、期日に取引先がファクタリング会社へ直接払います。ファクタリング会社が代金を直接受け取れるので、手数料は低めです。

その代わり、取引先の承諾を取るので入金までに日数がかかり、資金繰りのことが取引先に伝わります。

2社間と3社間の比較

項目2社間3社間
契約する相手自社とファクタリング会社自社・ファクタリング会社・取引先
取引先への通知原則として不要(契約条件による)承諾をもらう
期日に代金を払う先自社(自社がファクタリング会社へ渡す)ファクタリング会社
手数料の傾向高め低め
入金までの手続き取引先の承諾を待つ必要がない取引先の承諾が必要

ファクタリングと借入の違い

ファクタリングは、銀行などからお金を借りるのとは仕組みが違います。経営者として知っておきたいのは、次の4つです。

  • 返済がない。売掛金を売る取引なので、毎月の返済はありません。取引先が払えなくなっても自社が払い戻さない契約(償還請求権なし)が基本です
  • 審査で主に見られるのは取引先。代金を払うのは取引先なので、取引先の支払い能力が重視されます。融資では自社の決算や返済能力が見られます
  • 使えるのは売掛金の額まで。売る売掛金がなければ使えません
  • 費用のかかり方が違う。ファクタリングでは売掛金に手数料がかかり、融資では借入額と期間に応じて利息がかかります。たとえば売掛金100万円に手数料10%なら、費用は10万円で、受取額は90万円です。同じ90万円を年利4%で1か月借りた場合の利息は、約3,000円です。この条件なら、ファクタリングの方が高くつきます。実際には登記費用や融資の保証料なども含めて比べます

ファクタリングと融資を選ぶときの判断基準は、入金の期日、費用、返す義務です。融資の返済額は、金利・返済シミュレーターで試算できます。

ファクタリングが向いている場面

ファクタリングが役に立つのは、入金と支払いのずれが一時的で、その後の入金で資金繰りが改善する見込みがあるときです。

  • 大きな仕事を受けて、仕入れや外注費の支払いが入金より先に来る
  • 取引先の支払いは確実だが、支払いまでの期間が長い
  • 融資を申し込んだが、審査が支払いの日に間に合わない

使う前に、足りない額と時期を数字で確認してください。入金と支払いのずれで必要になるお金は必要運転資金の計算ツールで、お金が足りなくなる月は資金繰り表で確認できます。

ファクタリングを使わない方がよい場面

次のような場合は、ファクタリングで急場をしのいでも、資金繰りの問題は解決しません。

赤字の穴埋めに毎月使う

売上より支払いが多い状態で毎月使うと、手数料の分だけ翌月の入金が減り、また足りなくなります。この場合は、融資の相談や支出の見直しを先に考えます。

手数料が、その仕事の粗利より高い

売上100万円、粗利10万円の仕事で、売掛金100万円に手数料10%をかけると、手数料も10万円になり、その仕事の粗利がなくなります。ここでは、売上と売掛金を同じ額とした架空の例で、消費税などは考慮していません。仕事ごとの粗利率は、粗利・売価逆算ツールで確認できます。

融資が間に合う

支払いの日まで時間があるなら、日本政策金融公庫や取引のある銀行に相談し、融資の条件と費用を比べてください。

給料を前借りする「給与ファクタリング」

会社員が給料を前借りする「給与ファクタリング」は、事業者が売掛金を売るファクタリングとは別物です。最高裁は2023年2月の決定で、給与ファクタリングはお金の貸付けに当たると判断しています。使わないでください。

ファクタリングの契約前に確認すること

ファクタリングを装って、実際にはお金を貸すヤミ金融業者がいます。金融庁は、次のような取引に注意するよう呼びかけています。

  • 売掛金の額に比べて、買い取る額が著しく低い
  • 取引先から代金を回収できなかったとき、自社が売掛金を買い戻すことになっている
  • 回収できなかったとき、自社のお金で払うことになっている

見積もりと契約書でこの3点を確認し、手数料以外にかかる費用(登記の費用など)も見ておきます。見分け方は違法なファクタリングの見分け方、手数料と受取額の計算はファクタリングの手数料で説明しています。

契約書に「償還請求権なし」と書かれていても、それだけで貸付けではないと判断できるわけではありません。実際の取引内容も確認してください。

ファクタリングの種類

この記事で説明してきたのは、売掛金を売って先に現金を受け取る「買取型」です。ほかに、次のような種類があります。

  • 保証型:取引先から代金を回収できなかったときに、保証を受けるサービス。先に現金が入るものではない
  • 診療報酬・介護報酬のファクタリング:医療機関や介護事業所が、社会保険診療報酬支払基金や国民健康保険団体連合会から受け取る報酬を売るもの
  • 一括ファクタリング:大企業が仕入先への支払いをファクタリング会社にまとめる仕組み。仕入先は期日前に代金を受け取ることもできる

ファクタリングの申し込みから入金までの流れ

  1. 見積もりを申し込む

    売掛金の額、取引先、入金予定日を伝えます。

  2. 審査を受ける

    請求書、取引先との契約書や発注書、入金の記録がわかる通帳などを出します。必要な書類は会社によって違います。

  3. 契約する

    手数料と費用、償還請求権がないことを契約書で確認してから署名します。2社間では債権譲渡登記を求められることがあります。

  4. 入金される

    手数料と費用を引いた額が振り込まれます。

よくある質問

ファクタリングを使うと、取引先に知られますか?

2社間は原則として取引先への通知が不要ですが、契約条件によっては通知される場合があります。債権譲渡登記をすると、登記の概要は第三者も確認できます。取引先に絶対知られないとは限りません。

赤字や税金の滞納があっても使えますか?

審査で主に見られるのは取引先の支払い能力なので、赤字でも使える場合があります。税金の滞納の扱いは会社によって違うので、見積もりのときに伝えてください。

個人事業主でも使えますか?

個人事業主やフリーランスでも申し込める会社があります。売掛金があることが条件です。

手形の取扱いが減ると、何が変わりますか?

多くの金融機関で、手形・小切手を振り出せるのは2026年9月30日までとされました。電子交換所での交換は2027年3月末に廃止されますが、すべての手形・小切手が一律に使えなくなるという意味ではありません。手形で受け取っていた代金は、でんさい(電子記録債権)や振込への変更が進められています。でんさいも、期日前に割引や譲渡で資金にすることができます。

参考資料

  1. 金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」(2026年10月6日確認)
  2. 公正取引委員会「約束手形の利用廃止を踏まえたサプライチェーン全体での支払の適正化について」(2026年10月6日確認)
  3. 日本政策金融公庫「金利情報」(2026年10月6日確認)
  4. OLTA「資金調達の新しい選択肢、OLTAクラウドファクタリング」(2026年10月6日確認。2社間の通知の例外、審査・入金日数、個人事業主の利用条件)
  5. 法務省「(債権譲渡登記等)証明書交付請求の手続」(2026年10月6日確認。登記の概要を記載する証明書の取得範囲)
  6. 全国銀行協会「電子交換所の交換廃止時期の決定および手形・小切手交換廃止時期の明確化について」(2026年10月6日確認)
  7. でんさいネット「ご契約者さま向け でんさい活用ガイド」(2026年10月6日確認)
  8. 三菱UFJファクター「でんさい一括ファクタリング よくあるご質問」(2026年10月6日確認)

更新履歴

  • 公開
  • 全面的に書き直し。「3社間ファクタリングと2社間ファクタリングの違い」「ファクタリングの6種類」の記事をこの記事にまとめた

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