新卒歓迎会で残業代請求!? ないようであり得ます。

労務

 「新卒歓迎会で新卒社員が残業代請求!?」驚くようなエピソードがヤフー知恵袋に掲載されていたのでご紹介する。経営者にとって予想もしたくない「この事態」を、労働基準法は「ヨシとするのか?」知っておこう。労働に対する価値基準は人によって様々であるが、人と人の繋がりで社会が成り立っていることも、この機会に思い返したい。

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新卒歓迎会で残業代請求する新卒女子が登場

 いよいよ桜満開。新卒社員が入社した今週は、歓迎会を開催される会社も多いことだろう。

 新卒歓迎会は、マネジメントを行う側の人間にとって、新卒社員の人柄を知ることが可能な最初のイベントとなり、若さと勢いのある新入社員と接することは、既存社員に対して良い刺激を与えるチャンスだ。

 とはいえマネジメント側が望む「やる気と希望に燃える社員」ばかりが会社に入るわけではない。

 それを象徴する仰天投稿が、ヤフー知恵袋に掲載されていた。

karamidorirei9さん2014/5/808:40:24
新人女子社員です。
歓迎会の時間に残業代を請求したことで非常識扱いを受けています。
私が悪かったのですか?
ご意見お願いします。

今の大学4年生は就活環境が楽になっているようですが、去年はまだ氷河期でした。
私は出身大学が一流というわけではないし、浪人もしているし、地方出身の一人暮らしだし、厳しい状況の中もがき苦しみました。
希望した企業はことごとく落ち続け、ようやく今の会社に正社員として採用され、4月から働き始めました。
一応一部上場の大手ではありますが、あまり名の知れていない華やかさとはかけ離れたパッとしない会社です。

全体研修が終わって支店に配属されました。
この支店に配属された新卒正社員は私だけです。
今は先輩社員の指導の下でさらに研修を積んでいるところです。

GW後半の4連休が始まる前の5月2日金曜日に、支店が入っているビルの地下にある飲食店を借り切って、私の歓迎会が開かれました。
私の歓迎会にもかかわらず、私の都合や希望は聞かれず、会の1週間前の4月25日に部長から決定事項として告げられました。
私は別に歓迎会などしてほしくありませんでした。
疲れているし、その後の4連休はゴルフ合コンや普通の合コンが連チャンで入っていて、その日は終業後に美容院の予約を入れていたんです。
でも直属の上司から「私の」歓迎会なのだから出席するのが当然、これも「仕事のうち」だと言われてしまい、仕方なく美容院をキャンセルして参加しました。
もちろん飲食代は取られませんでしたが、特に素敵な男性がいるわけでもなく、上司や先輩に囲まれて気を遣う約3時間を過ごしました。

GW明けの一昨日、3時間分の残業代を請求する手続きを取りました。
新卒の4月分のお給料は通常の半額くらいしかなかったので、お金がピンチです。
卒業旅行に行ったり、通勤の為の服飾品を揃えたり、、出費も多かったので大学時代のバイトの貯えも底をついています。
少しでも収入を増やしたいところです。
歓迎会は固く辞退したのに「仕事」だからと上司の命令で無理やりのように出席されられました。
残業代の請求は当たり前だと思ったのですが、間違っていたのでしょうか?

昨日の夕方ころから、同じ部署の先輩たちが私を見る目が違ってきました。
一番親しい先輩に聞いたら、歓迎会に残業代を請求するなんて非常識だと言われて、ショックを受けています。

もうすぐ始業なのでこの辺にしますが、私の考えが非常識なのですか?
終業後、本人の望まない歓迎会に無理やり引っ張っていき、無報酬で3時間も拘束する会社がブラックなのですか?

ヤフー知恵袋

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新卒歓迎会で社員の残業代請求は正当か?

 採用担当官なら多くの方が、知恵袋の新卒女性社員を「不採用」にするはずだ。

 しかし面接では表層的な相手の人柄しか見えない場合も多く、このような社員が紛れ込むことは十分あり得る。

 実際に新卒歓迎会で社員に残業代を請求された場合、残業代は支払うべきだろうか?

 厚生労働省の定める労働基準法では、法定労働時間として1日に8時間1週間に40時間を超えて労働してはいけないことが定められている。その労働時間を超える場合は、残業代として時間外賃金を支払う必要がある。

 歓迎会が労働時間にあたるかどうかは、各会社や職場の判断に委ねられるが、法律的には「全員参加か任意参加か」が残業代支払いのポイントとなる。

 「全員参加が必須」の場合、新卒歓迎会への参加は「労働」とみなされる。参加した社員から時間外賃金の申請をされれば、支払いの義務が発生し、支払わない場合は労働基準法に抵触することになってしまう。

 「暗黙の了解」として「強制参加しなければならない」と社員が感じる場合も同様だ。

 一方で任意参加の場合は、参加することは個人の自由のため、労働とは認められず支払いの義務は生じない。

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彼女への自称・経営者の回答が神対応だった

 労働基準法上、ヤフー知恵袋に投稿した女性社員は、残業代の支払いを請求する権利がある。

 しかし自分のことしか考えていない彼女に、もやもやしている読者の皆様も多いはずだ。

 自称「経営者」が、彼女に対して返したアンサーを読んで、最後にスカッとしていただきたい。

 

dolldenilsonさん 編集あり2014/5/1001:57:47
経営者です。

かわいそうですね。
今まで誰からもその状況ではどうすべきか教わることがなかったからなのか、内容から察するに、教わる機会はあったけど、あなたが聞き入れる心を持ち合わせていなかったか。ではないでしょうか?
学生=お金を出して勉強しにいく場所=学校からすればお客様
社会人=お金を稼ぐお客様へのサービスや社内での協調性を磨きお客様に喜んでいただくスキルを身につける場所=会社の財産であるお客様と向き合う

あなたの頭はまだ学生です。自分のことしか考えていません。
謙虚さや感謝することの大切さの経験が不足しています。
まず、予約した美容室のスタッフさんの接客態度を自分の心のあり方と比較してみましょう。
今の会社では続けるのは難しそうに思います。
あなたの態度がそうさせてしまいました。

しっかり反省し、次につなげましょう。

残業申請は承認がでれば法律的には問題ありませんが、あなたの考えや行動が社会人としては非常識に該当します。
だから、先輩の態度がかわるのです。
態度が変わるきっかけを作ったのは誰ですか?

あなたです。

ヤフー知恵袋

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