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税理士の顧問料の相場はいくら?法人・個人事業主の費用の内訳と、安くする方法

編集部
税理士の顧問料の相場、費用の内訳と見積もり

税理士に払う費用は、毎月の顧問料と、年1回の決算料でほぼ決まります。ただ、顧問料には公的に決まった相場がありません。税理士の報酬は2002年4月から自由化されていて、金額は事務所ごとに決めています。ネットで見る「相場」の多くは、税理士の紹介サービスを運営する会社が出している目安です。

この記事では、税理士の費用の内訳と、紹介会社が示す目安、頼む業務の範囲で年額がどう変わるかを架空の会社で説明します。節約社長編集部は、月額だけで比べず、同じ業務の範囲で年額の見積もりを2〜3の事務所から取って比べることをおすすめします。

税理士の顧問料に決まった相場はない

税理士の報酬には、以前は税理士会が会則で決めた報酬規定がありました。2001年の税理士法の改正で報酬規定は会則から外れ、2002年4月1日から、税理士や税理士法人がそれぞれ自分で報酬を決めています。日本税理士会連合会(日税連)は、頼む業務の範囲と報酬の額について、契約書を交わすことを勧めています。

全国共通の料金表があるわけではありません。売上の額が同じ会社でも、依頼する作業や面談の頻度によって見積もりは変わります。

日税連は2024年にも税理士の実態調査を行っていますが、報告書は会員向けの内部資料で、報酬の金額は公開されていません。公的機関や業界団体が「顧問料はいくら」と公表した資料は、編集部が調べた範囲では見つかりませんでした。

税理士の費用の内訳 顧問料・決算料・別料金の業務

税理士の本来の業務は、税務代理(申告や税務調査の立会いなど)、税務書類の作成、税務相談の3つです(税理士法2条1項)。帳簿の記帳の代行や決算書の作成は、これに付随する業務として行います(同2項)。費用は主に次のように分かれます。

税理士の費用の種類

費用主に何に払うか払い方
顧問料日々の税務相談、月次の数字の確認、面談や訪問毎月
決算料決算書と、法人税などの申告書の作成・提出年1回
記帳代行領収書や通帳をもとに、会計ソフトへ取引を入力する顧問料に上乗せ、または取引(仕訳)の数ごと
そのほかの業務年末調整、給与計算、償却資産の申告、法定調書、税務調査の立会い業務ごと。顧問料に含む契約もある

年末調整は、従業員に払った給与の所得税を年末に精算する手続きで、給与を払う会社が行います。償却資産の申告は、毎年1月1日に持っている機械や備品などの事業用の資産を、1月31日までに市町村へ申告するものです。どちらも毎年決まった時期に発生しますが、顧問料に含むか別料金かは事務所の契約で違います。見積もりを比べるときは、これらの業務がどちらに入っているかを確認してください。

紹介会社が示す顧問料と決算料の目安

金額の目安としてよく引用されるのが、税理士ドットコム(弁護士ドットコム株式会社)と弥生の数字です。どちらも税理士の紹介サービスを運営している会社で、数字は公的な相場ではありません。集計の時期や方法も書かれていないので、幅のある目安として見てください。

税理士ドットコムの目安(月額の顧問料と決算料)

税理士ドットコムは、相談実績をもとに、年間売上と訪問の頻度で分けた料金の目安を公開しています。次の試算で使う年間売上2,000万円の会社に当たる行だけを抜粋します。ほかの売上区分は同社の料金ページで確認できます(2026年11月3日確認)。

年間売上訪問 毎月3か月に1回6か月に1回記帳代行決算料
1,000万〜3,000万円未満30,000円〜25,000円〜20,000円〜月5,000円〜120,000円〜

同社は、年末調整の目安を従業員10人まで2万円としています。次の章では、この金額を別料金として試算に使います。

弥生の目安(法人と個人事業主)

月額の顧問料記帳代行なし記帳代行あり
法人2万円〜4万円〜
個人事業主1万円〜3万円〜

弥生は、顧問契約をせずに決算と申告だけを頼む場合を15万〜25万円程度、顧問契約をしている場合の決算料を月額の顧問料の4〜6倍としています。

2社の数字は見積もりの参考値で、全国共通の相場や上限を示すものではありません。掲載元で税込・税抜を明示していない金額は、そのまま載せています。契約前には、業務の範囲と消費税を含む支払総額を確認してください。

頼む業務の範囲で変わる税理士費用の年額

年間売上2,000万円、従業員3人の会社(架空)が、4通りの頼み方で見積もりを取ったとします。金額は、前の章の2社の目安の範囲から置いた架空の数字です。年末調整は、どの頼み方でも別料金の2万円としました。

架空の会社(年間売上2,000万円・従業員3人)の税理士費用の年額。A 記帳も任せて毎月面談は70万円、B 記帳は自社で毎月面談は53万円、C 記帳は自社で3か月ごとに面談は44.5万円、D 決算と申告だけは22万円。それぞれ顧問料12か月分・決算料・年末調整の合計。

4つの頼み方の年額(架空の例)

頼み方月額決算料年末調整年額
A 記帳も任せる・面談は毎月40,000円200,000円20,000円700,000円
B 記帳は自社・面談は毎月30,000円150,000円20,000円530,000円
C 記帳は自社・面談は3か月ごと25,000円125,000円20,000円445,000円
D 決算と申告だけ頼むなし200,000円20,000円220,000円

年額は「月額×12+決算料+年末調整」で計算しています。Aなら40,000円×12+200,000円+20,000円=700,000円です。

  • 記帳を自社でやる(A→B): 年17万円下がります。代わりに、社長か社員が会計ソフトに毎月入力する時間がかかります
  • 面談を3か月ごとにする(B→C): 年8.5万円下がります。税務の相談ができる機会と、数字を一緒に確認する回数は減ります
  • 決算と申告だけにする(A→D): 年48万円下がります。期中の相談や月次の確認はなくなり、1年分の帳簿は自社で作ることになります

同じ会社でも、頼む範囲によって年額は3倍以上違います。見積もりの金額を比べる前に、自社が何を頼みたいかを決めておくことが大切です。

税理士の費用を抑える方法と、削らない方がよい業務

費用を抑える順番

  1. 記帳を自社でやる

    会計ソフトに日々の取引を入力し、税理士には入力済みのデータを見てもらいます。会計ソフトの選び方は法人向け会計ソフトの比較で説明しています。税理士と同じ会計ソフトを使えるかも、見積もりのときに確認してください。

  2. 面談の回数を減らす

    毎月の訪問を3か月ごとや6か月ごとに変えると、顧問料が下がる場合があります。上の税理士ドットコムの目安の表でも、訪問の頻度で月額の目安が変わっています。取引が少なく、相談することがあまりない会社に向いています。

  3. 決算と申告だけのスポット契約にする

    帳簿を自社で作れて、期中に相談することがほとんどない会社なら、決算と申告だけを頼む方法もあります。ただし、期中に税金の相談ができる相手がいなくなります。

削らない方がよい業務

決算書を銀行に出して融資を受けている会社や、これから融資を受ける予定がある会社は、決算と申告までは税理士に頼んでください。決算書は銀行の審査で読まれる書類で、間違いや分かりにくい数字があると説明の手間が増えます。銀行が決算書のどこを見るかは銀行融資の審査で見られる決算書で、自社の決算書の数字は決算書チェックで確認できます。

安さだけで頼む先を選ぶのも避けてください。申告書の作成や税務相談は、税理士・税理士法人と、国税局長に通知をした弁護士・弁護士法人しか行えず、それ以外の者は無償でも行えません(税理士法52条)。「格安の申告代行」をうたう業者に頼むときは、税理士の資格があるかを確認してください。確認の方法は税理士の探し方・選び方・変え方で説明しています。

経理を自社・会計ソフト・税理士のどこまでで分けるかは、経理と税金は誰に任せるかで説明しています。

税理士に見積もりを依頼するときに伝えること

同じ条件を伝えないと、事務所ごとの見積もりを比べられません。次の項目を書き出してから問い合わせてください。

  1. 売上と決算月

    直近の年間売上と、法人なら決算月を伝えます。設立したばかりなら、見込みの売上を伝えます。

  2. 取引の数

    1か月の仕訳のおおよその数、請求書や領収書の枚数、使っている銀行口座やクレジットカードの数を伝えます。記帳代行の料金は取引の量で決まることがあります。

  3. 従業員の数

    給与計算や年末調整を頼むなら、対象の人数を伝えます。

  4. 使っている会計ソフト

    会計ソフトの名前と、記帳を自社でやるか任せるかを伝えます。

  5. 頼みたい業務

    決算・申告、記帳、月次の確認、年末調整、償却資産の申告、消費税の申告など、頼みたいものを挙げ、それぞれ顧問料に含まれるか別料金かを聞きます。

  6. 面談の回数と方法

    毎月か、3か月ごとか、訪問かオンラインかを伝えます。

見積もりは年額に直して比べます。契約するときは、頼む業務の範囲と報酬の額を契約書に書いてもらってください。どこで税理士を探すかは税理士の探し方・選び方・変え方で説明しています。

よくある質問

個人事業主が税理士に頼むと、費用はいくらですか?

弥生は、個人事業主の月額の顧問料を記帳代行なしで1万円〜、ありで3万円〜としています。税理士ドットコムは、顧問契約をせずに確定申告だけを頼む場合を3万円〜としています。どちらも紹介会社の目安で、実際の金額は取引の量と頼む業務で変わります。

顧問契約をせずに、決算と申告だけを頼めますか?

頼めます。事務所によって受けるかどうかが違うので、問い合わせのときに確認してください。弥生は、決算と申告だけの場合を15万〜25万円程度としています。帳簿は自社で作る必要があります。顧問契約がないので、期中に税金の相談をしたいときの扱いと料金も、あわせて確認してください。

顧問料を値上げしたいと言われたら、どうすればよいですか?

まず契約書で、頼んでいる業務の範囲と報酬の額を確認し、値上げの理由と、どの業務の料金が変わるのかを聞いてください。近畿税理士会は、報酬は合理的な根拠で算定し、依頼者に聞かれたら算定の基準を説明できるようにしておくことを会員に求めていると説明しています。納得できなければ、同じ業務の範囲でほかの事務所から見積もりを取り、変えるかを考えます。変えるときの手順は税理士の探し方・選び方・変え方で説明しています。

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節約社長編集部は、経営・起業に役立つ情報を届ける編集チームです。資金繰り、財務、採用、業務効率化など、経営者が日々の判断に使えるテーマを取り上げます。

AI活用の記事では、編集部で試したことと調査した情報を分け、使い方だけでなく費用や確認すべき点も紹介します。実際の経験と、説明のための架空例は区別して記載します。

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