どうもこんにちは。
あおば会計コンサルティングのタナカキミアキです。
2019年10月の消費税10%増税にあたって、日本の国の借金が1,000兆円もあってアップアップだと信じている人も結構いるのではないでしょうか?
ところが日本という国を会計上で考えてみると、実はいわゆる資産家だけど、現金収入が少し足りないと考えればいいと思います。
どういう事なのかを以下、解説します。
消費税は増税する必要があるのか
資産家だけど現金収入が足りないので、大家さんが賃貸住宅の家賃収入を上げるという感じで増税しようとしています。
ところが現場の担当者からすれば、やはり借金は返さなければいけないと真面目に考えたのだと思います。
国の財政を財務諸表から見る
実際は返さなくてもいい借金がほとんどですが、一応増税してキャッシュフローをよくしようということです。
ここからは複式簿記の観点からみていきたいと思います。
複式簿記というのは簡単で左と右しかありません。
お金は右からやってきて左に行きます。それだけです。
大原則で右側はいわゆる借金が多いのですが、企業体も国も右側の借金の帳簿額はほぼあっています。
怪しいのは左側。
いわゆるその借金したお金がどういう財産に変わっているかを見ていくわけです。
国の借金は1000兆円
平成30年度の国の財務指標を見ると、いわゆる借金の部分で、公債が967兆円で、借入金が30兆円あります。
これだけでも合わせて借金1,000兆円あります。
この数字は右側なので嘘はありません。
現金預金は47.9兆円 有価証券は118.5兆円
現金預金の47.9兆円というのは嘘をつけません。
有価証券は118.5兆円で、そのうち外貨の証券116.2兆円とあります。
国は民間ではないので、時価とは関係ないのかもしれませんが、本当の時価はいくらなのかということです。
貸付金は112.8兆円
そして民間でも怪しいのが貸付金です。
貸しているお金が112.8兆円で、これは返ってくるのかどうかわからないかもしれません。
あとは年金の運用ですが、これは本当に財務省の人ががんばっていると思います。
国の財務諸表が発表された2005年頃には預かった年金を郵便局や郵政省を通して、でたらめにやっていたので発表できませんでした。
有形固定資産は182.5兆円
それから有形固定資産で、土地や建物や流木、いわゆる森林などですが、182.5兆円あります。
これは現金化できないものが相当含まれますが、これを資産と見るかどうかです。アスファルトで作られた道で払われても困りますが、財務省はすごく正直に掲載しています。
ただ国内の借金が1,000兆円ありますが、そのほとんどは日銀や国内の金融機関が引き受けています。
ですから実際のマイナスはどんなに大きくてもせいぜい100兆円だと思います。
日本のGDPは500兆円あるので、なんてことはないという感じです。
ですから、それを理由に増税するというのはおかしな話で、ただキャッシュフローとして、出て行くお金が税収でまかなえないし、借金をすると国民がすごく怒るので増税しようという感じです。
棚卸資産が4兆3000億円
軍事オタクが国の財産で注目するのは、棚卸資産です。
普通の会社であれば、商品などです。
その棚卸資産が4兆3000億円ぐらいあります。
国家公務員の不思議なお金
国家公務員の人件費は約5兆円
損益計算書のようなものを見ていくと、よく公務員の給料が高すぎるという論議がありますが、国家公務員の人件費とは退職金を入れてもざっくり5兆円くらいです。
国家公務員共済組合連合会等交付金が4兆7000億円
ところが不思議な数字があります。
それは国家公務員共済組合連合会等交付金です。
これは昔は共済年金と言って、今は国家公務員も厚生年金ですが、昔の公務員は共済年金という結構高い年金をもらうことができました。
これがなんと4兆7000億円もあります。
国家公務員退職者の年金と現役国家公務員の給与がほぼ同じ
現役世代の人件費と賞与で4兆7000億円です。
それに退職金の繰り入れを入れて5兆円です。
現役の国家公務員と同じだけの年金を毎年もらっているくらい恵まれています。
そうであれば、消費税を増税するより、国家公務員の年金をなんとかしたほうがいいのではないかと考えるのは当たり前の話です。
一般の人にも基礎年金や国民年金や厚生年金があります。
公務員は基礎年金ももらえます。
この国家公務員の年金について考えると、消費税増税というのは本当に必要だったのか。
国会議員の中に1人くらい「これはおかしいでしょう」と言う人がいないのかなと思います。
世の中にはこのように本当に会計もよくわからない人たちがこのようにお金を取っているという話です。