中小企業に蔓延する「中小企業病」の典型的な4つの特徴と改善策

世間的には「与えられた役割しかやれない」大企業病にフォーカスが集まりがちですが、中小企業にも中小企業病という特有の病気があります。

中小企業病にかかっている会社は、社長に権限が集まりやすい一方で、社員たちは難しい仕事から逃げて、単純作業しかやらない不効率な状態となります。

これを解決するにはどうしたら良いのか?多くの中小企業を見てきたキミアキ先生に解説していただきました。

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中小企業に蔓延する中小企業病の根は深い

本日は、「中小企業病の克服」というテーマでお話します。

世の中は、大企業病!大企業病!って、大企業に勤める人のあり方ばかり問題視されているんですが、中小企業は中小企業で同じように慢性的な病気を従業員さんが抱えているんですね。

この中小企業病という病気は根が深くて本当に治すのが大変なんです。

 
ここからは、中小企業病の典型例を説明しながら、これをどうやって治していけば良いのか?考えてみましょう。

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典型的な中小企業病の4つの特徴

中小企業病の特徴1:従業員が難しい仕事から逃げる

中小企業病の一番の特徴は、社員さんがとにかく経営者に頼りきっているっていう状態です。

もう〜、ずぅぅぅ〜っと頼りきっているんですよ。

これが典型的な中小企業病の特徴です。

でも、働いている従業員達は「自分は社長に頼り切っている」なんて思ってないんですよ。

自分達は「え?そんなに頼っているかな?社長なんてダメじゃん!」というふうに思っていますけれど、気がついていないだけです。
そして、これが中小企業病で1番大変でやっかいな部分です。

社長さんでしたらもうお分かりと思いますが、社員さんはとにかく指示されたことしかやらないし、できないです。

ちょっと難しめの受注を取ってきて、「これ できるかな…?」って社員さんに投げてみても、とにかく逃げますね。

まず、ど〜うにかして社長や上司の機嫌を損ねないように、難しい仕事から逃げなきゃいけないと、そっちの方ばっかり頭を使うんですよね(笑)
逃げる時も所詮は小学生の言い訳程度しかできないんです。

中小企業病の特徴2:従業員が作業を仕事と勘違いしている

とにかく指示されたことをやれば、それは「自分の仕事してるんだ」っていう気持ちで、ずっと会社に来ているのが圧倒的多数の中小企業に勤める社員さんの特徴ですよ。

ですから「作業」はそこそこ出来るようになります。長年会社にいれば、そりゃあ単純作業はできるようになります。

ところが「仕事」は出来ない。そして「作業と仕事の違い」なんていうものも分からない。

  • え?何が悪いんでしょうか??私は指示された通りにちゃんとやってます !
  • それの何がいけないんでしょうか。
  • 私は一生懸命やっているんです。
  • 残業までしてやっているんです。
  • やってあげているんです!

ってね(笑)

ここがですね〜、本気でそう思っているがゆえに、よく食い違いがあるんですけれども、じゃあ結局何をやっているかっていうと、作業しか出来ないものですから経営者に頼りきっていて、経営者から下りてくる指示通り“しか”出来ない。

やらない・やれない ですよ。

中小企業病の特徴3:仕事の本質「変化・改良・改善」が無い

こういう状況の中で経営者の方は必ず言います。

「あいつらも少しは頭使ってくんねぇかな」

これね、本当に経営者の本心なんですよ。

社長さんは、社員さんに頭使って欲しいですよ 本気で。本当はね。ところが誰も使っていない。

ですから社長さんが現場へ行って、「うちの社員は非常に頭使ってやっているな〜」とお感じになっている会社さんは、ハッキリ言って凄まじく儲かっていますよ。

敵無しだと思います。

大体は現場へ行っても頭使っているのなんて、まず1人もいないのが当たり前なんですよ。

ところが本人たちは「一生懸命働いています!」って言うんです。これが中小企業病です。

中小企業というのは経営者の権限が大き過ぎて、社員さんが自分たちで変化を起こすことがまずない。改良や改善もしないんですよ。とにかく指示されたことだけをやってる。いわゆる指示待ちくんですね。

普通の中小企業なら指示待ちくんが半数くらいを占めてます。半数は確実に指示待ちくんです。

ですから変化を起こしたり、改良・改善をすることが「仕事」だなんて絶対に思わないです。

中小企業病の特徴4:経営者が従業員に諦めを感じている

こういうことを言うと、また社長さん自身が具合悪くなると思うんですけど(笑)
社長さんのホンネとしては社員さんに新たな課題を自ら作って欲しい。

「新たな課題を自ら作らせ自ら解決させる」これが社長の仕事なんです。
そうすれば、経営者に頼りっきりの文化をぶち壊すことができる。

ところが!社員さんは新たな課題を自ら作り出せますか?自ら解決しますか?ってなると、まず無い。

こういうことをやっぱり本気でやらせなきゃいけないのにどうしてもですね、「うちの社員にはできないよ」って諦めているんです。

社長さん自身がもう諦めているんです。

だから、「もういいから俺の言う通りにやってくれ。作業員で良いから」って。

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中小企業病を治す唯一の方法は社員教育以外に無い

ところが従業員さんは、その作業の付加価値が低いことなんて分からないです。付加価値が低くて、だから安月給なんだってことが。

新たな課題を自ら作って自ら解決していく、これをやっていかないと自分の付加価値が上がっていかないということが分からない。

付加価値が上がれば自分の給料が上がるっていうことも分からないんですよ。

ここが中小企業病というものの1番の問題で、私は中小企業と大企業の1番の違いっていうのは、とにかく社員さんが勉強しないことだと思います。

本当に勉強しないですからね。もう勉強すること放棄していますね。

社長さん自身も教育することを放棄しています。

つまり、中小企業病を克服するためには、社員教育に真面目に取り組む必要があるんです。

教育っていう部分を本気で考えていけば、社員さんも給料が上がるし、会社も業績が上がるし 、やっぱり「新たな課題を自ら作らせ、自ら解決させる」ここまで持っていけたら儲かります!

今悩んでいる社長さん自身も、心の奥ではそう思っていらっしゃるのでは?

【経営の七不思議】儲かっている会社が即戦力の人材を求めないワケ
「業界経験者を雇えば仕事を教えなくても済む。」中小企業の経営者の多くはそう考えるかもしれません。確かに、資源の限られた環境の中で、人を育てるのは至難の業です。しかし、人材育成を諦め、単純に業界経験のある作業員を雇用するのは経営者の怠慢です。そのような会社は経験者のマンパワーで稼ぐことしか考えず、仕組みで稼ぐことを知りません。
中小企業病の克服★危機感を抱いているのは社長だけ
経営
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タナカキミアキ

売らない営業マン タナカキミアキ

YouTubeチャンネル「キミアキ先生の起業酔話」で、
中小企業経営のこと、起業のこと、経理のことを、
顧問先法人100社・個人事業者50名を抱える現場目線で
お話しています。

所有資格:

日商簿記検定1級
全経簿記検定上級
全商簿記検定1級で簿記検定3冠王、
税理士
簿記論・財務諸表論で簿記4冠&簿財番長
宅地建物取引主任者
ファイナンシャルプランナー
かわいらしい秘書検定2級
普通自動車に普通自動二輪
みんなの安全を守る甲種防火管理責任者
珠算3級
よく分からん情報処理検定2級

…などプチ資格オタク

妻は「あおば会計税理士法人」代表税理士の田中朝代。

18歳の時に簿記1級のクラスで出会って、
15年後になぜか結婚しました。

中小零細企業の経営に関しては夫婦揃ってめっぽう詳しいので、
ガンガン講義やっていきます!

田中でよか人用 
直通電話:03-5942-8225
E-Mail:kimi@kimi3.com
 
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