リモートワーク時代に最適な人事評価システムとは?従来の問題点と合わせて専門家が解説

経営

組織活性化プロデューサーの南本です。

あなたの企業では評価システムが適切に運用されていますか?

私は、多くの中小企業が評価システムを導入したものの、うまく運用できていないという実態を目の当たりにしてきました。

さらに、日本の社会がリモートワーク時代に突入したことで、従来型の評価システムが通用しなくなってしまいました。

そこで、今回は従来の評価システムの問題点と、リモートワーク時代に最適な評価システムを提案させていただきたいと思います。

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従来の評価システムの問題点

従来の評価システムの問題点

10年以上前のことですが、コンサル契約している企業の中で50社くらい成果主義の評価制度を導入した経験がありますが運用がままなりませんでした。

中小企業の社長さんは、導入はすぐに決定するのですが、以下の理由で形骸化してしまうのです。

評価基準が全従業員にしっくりこない

評価基準をたくさん作るのですが、全員に合わせるために抽象的な評価基準ばかりができてしまい、しっくりこないという理由があります。

欲張り過ぎて項目が多くなる

従業員20人、30人程度の中小企業では、せいぜい50項目ぐらい評価基準があれば十分なのですが、コンサル料をせっかく支払うのであれば、たくさん評価項目を作ってもらった方がいいと、100項目くらいつくってしまうので、途中で頓挫してしまいます。

3ヵ月から6ヵ月の期間評価

大手企業を中心に6か月単位で賞与のタイミングで評価している会社が多いです。

たとえば4月に目標を立てて、9月末に評価するということになると、その間に目標を立て直すこともないので評価することが困難になります。

経営者の最終鉛筆ナメナメ

絶対評価で点数を出しても、経営者自身が気に入っている人を高得点にしたいので、鉛筆をナメナメして、C評価をB評価にしたり、経営者自身が気に入らない人がB評価だった場合に、C評価に下げてしまったりする経営者がいます。

これが中小企業の実態です。

私は、中小企業に評価制度はいらないと発言していた時期もありますが、どうしても評価制度をつくりたいという中小企業の社長もいて、8割から9割は評価制度を導入しても形骸化して、結果的に運用できなくなるというのが実態です。

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リモートワーク時代は会社貢献度の評価軸にシフトすべき

リモートワーク時代は会社貢献度の評価軸にシフトすべき

大手企業を中心にリモートワークの体制を整えている会社が増えています。

中小企業も右にならえで対応しないといけません。

そうなると評価基準は、従来型のような上長が人を観察して評価する時代ではなくなってきています。

従来型の評価制度が通用しないということを前提に考えていくと、情報を伝えるだけの仕事しかしていなかったような中間管理職は必要なくなります。

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そして、行動のプロセスが観察できないので、成果に移行されていくのが現実です。

そこで、リモートワークの時代では、会社貢献度の評価軸にシフトしていかなければなりません。

①目標達成(作業)貢献軸

従来のような6か月単位の大それた目標を立てても意味がないので、この作業をいつ終わらせるのかといった短時間で作業目標の貢献軸で見ていく必要があります。

②スキル向上貢献軸

仕事に役立つどんなことでもいいので、自分のスキルをどれぐらい磨いているかというスキル向上の貢献度で評価する必要があります。

③業務改革改善貢献軸

会社は生産性を上げていかなければならないので、仕事にかかる時間を縮めるような業務改革や改善意識というものを評価軸にしてください。

④企画アイデア提案貢献軸

経営者のアイデアだけでは発想が枯渇していくので、優秀なスタッフからいいアイデアが出るような仕組みを作って、アイデア提案の貢献を評価軸にしてください。

⑤他者利益(協調)貢献軸

リモートワークであってもチームで成果を求めていく必要があるので、協調して他者の利益に貢献したことを評価するということです。

この5つの軸があれば、営業の売上目標のような数値的なものは、中小企業にはいらないのではないかと思っています。

スタッフを疲弊させて走らせたところで会社というのは良くならないというのが、長い間多くの会社のコンサルをさせていただいてたどり着いたゴールです。

リモートワークの時代に、中小企業はこの5つの軸で改めて評価基準を作り直して欲しいと思います。

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リモートワーク時代に最適な評価システム

リモートワーク時代に最適な評価システム

前提として、10名以下の中小企業または1人の部門長に部下が10名以下の単位でチームができていれば、私が提唱する評価基準ができると思います。

毎日評価(点数化)

毎日評価して3ヵ月後、6ヵ月後には、その点数の積み上げで指標化すればいいです。

毎日フィードバック

作業目標を毎日設定して、その作業目標に対して毎日日報でフィードバックすることが習慣化すれば全然苦にならないはずです。

週次で評価を点数集計

毎日作業目標に対して、実績はどうだったかを点数化して、1週間単位で集計するような評価基準をつくってください。

月次レベルアップ分析(再設定)

週次で点数を合算して、その人がレベルアップしていれば月次で目標設定レベルを少し上げて再設定していきます。

評価期間点数で昇給等

会社が進むべき方向に、その人のレベルを誘導していくというのが本来の人事評価制度の仕組みではないかと私は思っています。

評価期間は会社によって3ヵ月評価であったり、6ヵ月評価であったりと違うと思うので、週次、月次ベースで合計した点数を集計して、3ヵ月単位や6ヵ月単位で評価をしていけばいいのではないかと思います。

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最適な評価システムで成長力のある企業を目指そう

最適な評価システムで成長力のある企業を目指そう

成長力のある企業は以下のことができています。

  • 経営者の先見性
  • 戦略・マーケティング力
  • 経営者の意思決定力
  • 会社の仕組みのDX化
  • 社内情報の共有化
  • スタッフの自立化
  • スタッフのマルチ化
  • スタッフの成長意欲

上記を実現するためには、スタッフの日々の行動を目標化して行動変革を起こさせることです。

そのためには日々のプチ目標を立て、達成の成果を毎日評価して褒めてあげて、アドバイスや激励や勇気づけをして行動支援する仕組みをつくることで実現できます。

中小企業は「毎日評価システム」を取り入れることで活性化していくのではないかと思っています。

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南本 静志

和歌山生まれ。株式会社紀陽銀行入行。銀行業務を2年程度経験後、システム部へ異動。

システムエンジニアとして銀行オンラインシステムや情報系のマーケティングシステムの構築で活躍する。

30歳代の後半には日本ユニシスに出向し、金融機関向けCRMマーケティングシステムの業務設計のリーダーを任される。その後、コンサルタントとして独立、現在は東京千代田区で経営コンサルティング会社と社会保険労務士事務所を設立し、代表に就任。

中小企業診断士及び社員を持つ経営者としての立場で、幹部社員(部長、課長、係長等)を次期役員に昇格させるようなマネジメント系の人材育成プログラムに強みを発揮している。また、初級管理職(主任や中堅リーダー)に対するモチベーション研修や自己発見研修も得意。

アールイープロデュース 

適性検査Cubic(キュービック)

東京中央社会保険労務士事務所

東京中央給与計算センター

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