逆参勤交代とは何か?5つのモデルと中小企業での活用方法

経営

皆さんこんにちは!
組織活性化プロデューサーの南本です。

今回は「逆参勤交代とは何か」と「逆参勤交代の5つのモデルと中小企業での活用方法」について解説していきたいと思います。

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逆参勤交代とは何か

逆参勤交代とは何か

「逆参勤交代」とは三菱総研の方が考案したもので、地方で1か月から1年の期間限定でリモートワークをすることで、働き方改革と地方創生の同時実現を行うという構想です。

参勤交代は、江戸時代に徳川家康が、地方の大名が財力を持って力をつけてくると江戸の政治が危なくなるということで、年に数回、何百人という人数を連れて江戸に住ませて財力を搾り取るために行った制度です。

参勤交代によって、江戸や宿場町など街道沿いの町が発展したと言われています。

「逆参勤交代」というのは、この逆の発想です。

都会にはいろいろなノウハウを持ったいい人材がいますが、新型コロナウイルスでテレワークが導入され、生産性を落とさずにテレワークでも会社を回せるものだと中小企業も含めて気付きました。

ということは、中小企業の本社を東京にもつ必要がありませんね。

見栄やブランドで東京に本社を置いておくのもいいかもしれませんが、店舗を運営しているような業態は別として、営業会社や事務会社は今のように100坪、200坪の大きなフロアはいらないわけです。

逆参勤交代の取り組み

大手企業も中小企業も、都会で働く最先端のノウハウや戦略を持っている人材を地方に期間限定で移住させて、地方の人材と交流しながら働き方などいろいろな価値観を共有すれば、地方も発展するし、また都会の本社戻って活躍できます。

本人・企業・自治体の三方一両得

逆参勤交代によって「本人」もリフレッシュできるし、「企業」も地方の人脈が増え開拓ができるし、地方の「自治体」も受け入れることで地方の所得が上がって消費が活性化し新しい事業の芽がどんどん生まれていくというメリットがあると言われています。

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逆参勤交代の5つのモデル

逆参勤交代の5つのモデル

逆参勤交代には以下の5つのモデルがあります。

  • ローカルイノベーション型
  • リフレッシュ型
  • 武者修行型
  • 育児・介護型
  • セカンドキャリア型

それでは1つずつ解説していきます。

モデル①:ローカルイノベーション型

逆参勤交代の1つ目のモデルは「ローカルイノベーション型」です。

ローカルイノベーションとは、新規事業のアイディアを出しなどイノベーションを起こすために短期集中で合宿させるモデルです。

モデル②:リフレッシュ型

逆参勤交代の2つ目のモデルは「リフレッシュ型」です。

リフレッシュ型とは、社員へのご褒美を兼ねてリフレッシュしてもらうためのモデルです。

例えば沖縄や夏場の北海道で、古民家などにWi-Fi環境を整えて1か月程度リモートワークすることで、仕事をしながらリフレッシュもできてメンタルの復活にもなります。

モデル③:武者修行型

逆参勤交代の3つ目のモデルは「武者修行型」です。

武者修行型とは、地方自治体と協力しながら地方のいろいろな課題を解決させていくモデルです。

企業が社員を武者修行に出すということです。

モデル④:育児・介護型

逆参勤交代の4つ目のモデルは「育児・介護型」です。

育児・介護型とは、育児や介護のために退職せざるを得ない人材をリモートワークにすることでつなぎとめておくモデルです。

特に主婦の方が多いと思いますが、急な退職で企業が戦力ダウンしてしまうような場合には、このモデルを活かして優秀な人材をつなぎとめることができます。

「子育てしやすい会社」は好業績企業が多い?
「ニッポン 子育てしやすい会社」という坂本光司さんが著者の書籍によると「いい会社というのは社員の子どもの数がとても多い」という法則に至ったそうです。好業績の会社の経営者のマインドは「人は宝」であり有給休暇等も含めた福利厚生度合いが高くよい環境が整っています。

モデル⑤:セカンドキャリア型

逆参勤交代の5つ目のモデルは「セカンドキャリア型」です。

セカンドキャリア型とは、第二の人生として地元に帰らせ、そこで新しいビジネスのアイデアを出させるためのモデルです。

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中小企業での逆参勤交代の活用方法

中小企業での逆参勤交代の活用方法

中小企業での逆参勤交代の活用方法は以下の6つです。

  • 優秀な社員の離反防止
  • リスク分散
  • 新規事業・ターゲット拡大
  • 異業種・異地域の人脈拡大
  • リモートワークで小さな本社の実現
  • 50歳以上セカンド・キャリア形成

それでは1つずつ見てきましょう。

優秀な社員の離反防止

逆参勤交代の活用方法の1つ目は「優秀な社員の離反防止」です。

優秀な人材なのに育児などの事情や夫の転勤で退職してしまうなど、主婦や女性を戦力にしている会社は大きな損失です。

しかし、今回のコロナのようにリモートでログインして仕事してもらえるようにすれば生産性が上がるわけです。

リスク分散

逆参勤交代の活用方法の2つ目は「リスク分散」です。

大震災や台風、大洪水といった災害に対してのリスクを回避できます。

個人が移住した自宅にWi-Fiなどの費用を会社が負担することで、個人が移住した自宅が拠点になり、拠点が分散されることで、大きな災害などがあっても事業が一気に停まることはなくなります。

新規事業・ターゲット拡大

逆参勤交代の活用方法の3つ目は「新規事業・ターゲット拡大」です。

商品やサービスをアレンジすすることで、地方ではシニアにも受けるかもしれないなど、ターゲットの拡大ができます。

関東でしか売れていなかったものを、関西や九州にあうようにアレンジすれば、地域の拠点も作れるし、サービスのアレンジ力が増していくと思います。

異業種・異地域の人脈拡大

逆参勤交代の活用方法の4つ目は「異業種・異地域の人脈拡大」です。

東京など往復2時間もかけて通勤するより、地方に永住して、空き時間で地方の人と交流することで、地方での人脈を形成して事業を活性化することもできるのではないかと思います。

リモートワークで小さな本社の実現

逆参勤交代の活用方法の5つ目は「リモートワークで小さな本社の実現」です。

リモートワークで小さな本社が実現していくことで、家賃などのコスト削減ができるし、社員の通勤ストレスの解消や採用コストも削減できると思います。

50歳以上セカンド・キャリア形成

逆参勤交代の活用方法の6つ目は「50歳以上セカンド・キャリア形成」です。

大手企業を含めて50歳以上の社員には第二の人生を考えてもらうように会社が補助して、定年まで面倒みてあげて、第二創業をしていただくような感じになっていくと思います。

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まとめ

逆参勤交代というのは、大手企業が人材を外に放り出すという意味ではなく、地方の活性化も含まれています。

若手を地方に配属してその後本社に呼び戻すことで事業の活性化に結びつきますし、キャリア社員にもストレスなく働いて定年を迎えるまで貢献していただくことができますし、地方の活性化にもつながります。

例えば宿泊が増えたり、雇用が増えたり、人口が増えたり、交流が行われることで新しいビジネスが生まれるかもしれません。

このような考え方が「逆参勤交代」のテーマだと思います。

この逆参勤交代という構想に中小企業も乗っかっていけば、東京に大きな本社がいるといった概念が必要なくなりますし、これからは小さい本社を目指していくべきだと私は思います。

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【逆】参勤交代が中小企業を救う?
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南本 静志

和歌山生まれ。株式会社紀陽銀行入行。銀行業務を2年程度経験後、システム部へ異動。

システムエンジニアとして銀行オンラインシステムや情報系のマーケティングシステムの構築で活躍する。

30歳代の後半には日本ユニシスに出向し、金融機関向けCRMマーケティングシステムの業務設計のリーダーを任される。その後、コンサルタントとして独立、現在は東京千代田区で経営コンサルティング会社と社会保険労務士事務所を設立し、代表に就任。

中小企業診断士及び社員を持つ経営者としての立場で、幹部社員(部長、課長、係長等)を次期役員に昇格させるようなマネジメント系の人材育成プログラムに強みを発揮している。また、初級管理職(主任や中堅リーダー)に対するモチベーション研修や自己発見研修も得意。

アールイープロデュース 

適性検査Cubic(キュービック)

東京中央社会保険労務士事務所

東京中央給与計算センター

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