
「AI秘書」で調べると、おすすめのアプリの紹介がたくさん出てきます。
でも社長が先に知りたいのは、どのアプリを使うかより、自分の仕事のどこまでをAIに任せてよいかではないでしょうか。任せすぎれば事故が起きますし、任せなさすぎれば料金を払う意味がありません。
節約社長編集部では、仕事の一覧と、決めたことの記録をAIに書かせています。この記事では、秘書の仕事を予定・メール・議事録・調べものの4つに分け、AIに任せるところと社長が見るところ、かかる費用と情報の扱いを紹介します。
AI秘書に任せられること、任せられないこと
AI秘書は、予定の管理やメールの返信、議事録、調べものといった秘書の仕事を、AIに手伝わせることです。専用のアプリもありますが、多くは汎用のAIツールでもできます。
任せられるかどうかは、アプリの機能より、仕事の中身で決まります。秘書の仕事は、どれも「準備」と「最後の一手」に分かれます。
秘書の仕事を、AIに任せるところと社長が見るところに分ける
AIに任せるのは準備まで送る・決める・払うの最後の一手は、社長が持つ
人の秘書なら、慣れれば「送っておいて」で済む仕事もあります。AIの場合は、送る・決める・払うの一手を自分に残しておきます。AIは、相手との関係や、社長がその場で考えていることまでは分からないからです。
仕事ごとの任せ方
仕事ごとに、AIがやりがちな間違いと防ぎ方
AIの下書きには、仕事ごとに決まった間違い方がある重点的に確かめるところ。外に出す内容は全体も確認する
予定
予定の一覧を渡して「今週、準備が要る予定と、準備の中身を書き出して」と頼みます。会議の資料、移動の時間、前回の宿題などを並べてくれます。
AIが苦手なのは、予定のどれを優先するかです。取引先との関係や、社長の体調までは知らないからです。日程の候補を相手に送るのも、自分で行います。
メール
返信の下書きと、長いメールの要点をまとめるのは、AIの得意なところです。
ただ、下書きには、社長が言っていない約束が混じることがあります。「来週中にお送りします」のような一文です。送る前に、金額・日付・約束の3つだけは必ず自分で確かめます。
議事録
会議の書き起こしを渡して、決まったことと宿題をまとめさせます。気をつけたいのは、話に出ただけのことが「決まったこと」として書かれることです。指示で分けさせます。
添付した会議の書き起こしから、次の3つを分けて書いてください。 1. 決まったこと 2. 話に出たが、決まっていないこと 3. 誰が・いつまでに・何をするか 書き起こしにないことは書かないでください。
会議を録音して書き起こすときは、出席している相手に、先にそのことを伝えておきます。
調べもの
制度や相場の下調べは、AIに頼むと速く済みます。ただ、AIは古い情報や、出典のない数字を返すことがあります。出典の一覧を付けさせ、数字を使う前に出典を開いて、日付と数字を確かめます。
節約社長編集部では、仕事の一覧と決めたことの記録をAIに書かせている
編集部での、仕事の一覧と決めたことの記録の分担
社長
決める
- やること・やめること
- 方針や決まりごと
AI
書く・書き換える
- 決めたことを日付入りの記録に
- 仕事の一覧と進み具合を書き換える
- 担当者の欄でAIと社長を分ける
渡した決まりに沿って書く
社長
自分の番を見る
- 担当が社長の仕事だけを見る
- 新しく足された決定の記録を見る
↻ 決めたら、また記録と一覧に戻る
節約社長編集部では、秘書の仕事のうち、仕事の一覧の管理と、決めたことの記録をAIに任せています。
- 仕事の一覧:やることの一覧をAIが書き、進み具合もAIが書き換えます。担当者の欄にはAIと社長を分けて入れ、社長が決めることや自分で操作することは、AIの作業とは別の仕事として立てます。
- 決めたことの記録:社長が決めたことを、AIが日付入りの記録にまとめます。1つの決定につき1つの記録です。決定を変えるときは、古い記録を書き換えず、新しい記録を足します。
どちらも、AIには決まりを渡しています。たとえば「終わった仕事や取りやめた仕事を、残りの仕事に戻さない」「数字には、どこから取ったかと、いつの数字かを書く」です。編集部では、決まりを渡す前に、古い記録と新しい記録が並んで、どちらが今の状態か分からない一覧になったことがありました。
担当者の欄を分けておくと、担当が社長になっている仕事だけを抜き出せば、自分の番の仕事が分かります。AIの書いた文を最初から最後まで読み直さなくて済みます。
費用は無料版と有料版でどう違う?
社長1人で使ったときの1か月(仮の数字を含む)
無料版0円
有料版の料金(ChatGPT Plus)3,000円
AIの下書きを確かめる時間(1日15分×20日=5時間、時給2,500円)12,500円
料金より、確かめる時間の方が大きくなります。
社長1人で使うなら、まず比べるのは無料版と個人向けの有料版です。
社長1人で使うときの費用(2026年9月27日時点の公式料金)
| プラン | 料金 | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| 無料版 | 0円 | 試してみる。使える回数や機能に上限がある |
| 個人向けの有料版 | ChatGPT Plus 月3,000円。Claude Pro 月22ドル(月払い。年払いなら月18ドル) | 毎日使う。ChatGPT Plusなら1年で36,000円 |
| 法人向けのプラン | ChatGPT Business 1人月3,850円(月払い)。2人から | 社員と一緒に使う。会社のデータを初めから学習に使わない |
毎日使うと、無料版は上限に当たることがあります。4つの仕事を試して、毎日使うと分かってから有料版に切り替える順番で十分です。
料金より大きくなりやすいのが、AIの答えを確かめる時間です。1日15分確かめると、月20日で5時間になります。仮に時給2,500円とすると月12,500円分で、有料版の料金の4倍を超えます。
確かめる時間を削れば、そのぶん間違いが外に出ます。AIに任せる仕事を決めるときは、料金と一緒に、この時間も見積もっておきます。
AIに渡す情報の扱い
AIに渡す前に確かめる4つ
渡すものによって、確かめる先が違う迷ったら渡さない
- 学習に使わない設定を確かめる:個人向けのプランでも、入力した内容をAIの学習に使わない設定に切り替えられます(各社の料金ページの比較表)。法人向けのプランは、初めから会社のデータを学習に使わない設定です。
- 取引先の情報は、契約を先に見る:取引先から預かった資料やメールをAIに渡してよいかは、契約の守秘義務の条項で決まります。
- 社員の個人情報は入れない:給与、健康、家族のことなどは、秘書の仕事でもAIに渡しません。
- メールや予定表とつなぐ前に、見せる範囲を決める:AIツールには、メールや予定表を直接読ませる機能もあります。つなぐと、AIが読める範囲は一気に広がります。何を見せてよいかを先に決めてからつなぎます。
よくある質問
どの仕事から任せればよいですか?
送る前に必ず自分が目を通す仕事から始めます。議事録や調べものなら、AIが間違えても、外に出る前に気づけます。慣れてから、メールの下書きのように相手に届く仕事へ広げます。
AI秘書の専用アプリは必要ですか?
最初は要りません。汎用のAIツールの有料版で4つの仕事を試し、足りないところが分かってから、専用のものを探せば十分です。
人の秘書とAI、どちらがよいですか?
比べるより、分けて考えます。電話や来客、相手の顔色を見ながらのやりとりは、人の方が向いています。書く・まとめる・調べるの下準備はAIに任せ、人には人でないとできない仕事を頼みます。
参考資料
- OpenAI「ChatGPT 料金」(2026年9月27日確認)
- Anthropic「プランと料金」(2026年9月27日確認)
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