組織活性化プロデューサーの南本です。
事業再構築補助金の公募が始まりますが、まず自分の会社の事業計画書をつくらないといけません。
しかし、事業計画書をどのようにつくればよいか、よくわからないという方も多くいらっしゃいます。
そこで、今回は一般論として事業計画書に必要な要素を解説していきますので、自分の会社の新規事業や業態転換にあてはめる際の参考にしていただければと思います。
補助金申請に向けた事業計画書の書き方
まず、事業計画書の全体像についてお話したいと思います。
事業計画書で考えるべき要素は大きく分けると以下の5点です。
- 環境分析
- 生存領域
- 新規事業整理
- マーケティングMIX
- スケジュール化
それでは1つずつ詳しく解説していきます。
環境分析
外部環境分析、内部環境分析、競争企業分析、現状分析をすることで強みや機会が見えてくるので、その機会に対してある程度仮説を立てて、これから進出しようとする製品やサービスの市場、生産領域や事業ドメインを絞り込むということです。
まず内部環境は、最新の設備が入っているとか、匠の職人が何人もいるといった強み(Strength)や弱み(Weakness)です。
外部環境は機会(Opportunity)と脅威(Thread) です。
この内部環境の2つと外部環境の2つの頭文字をとって、SWOT分析と一般的には呼ばれています。
まず、このSWOTの4つを箇条書きで洗い出してください。
SWOTに落とし込んで、自社の現状と競合他社は誰なのかをきちんと分析して環境分析をしておく必要があります。
この工程のアイディアが出なくて、分析ができないという方は、コンサルタントや会計士、税理士のような方と相談してプロットしてほしいと思います。
生存領域
自分の会社がその新規事業をやる必要があるのかという新規事業の必要性を整理しないといけません。
ターゲット顧客については、できるだけ市場規模や単機能に絞り込み、ニッチな層に対して商品化やサービス化をしていくほど大手にはメリットが少ないので、大手企業が参入しにくくなります。
中小企業は、経営者とスタッフが一丸となって、人材の強みや機会を生かせるような市場に絞りこんでターゲット顧客を選定してください。
新規事業の内容は、仮説を立ててあなたの会社や新しい商品を生き延びさせる事業についてできるだけ具体的にしてください。
新規事業整理
新しい事業の特徴、成長性、収益性やリスクを社長自ら整理してください。
仮説を立てた新規事業は、あなたの会社にとってその商品やサービスは必要なのか、世の中にとって必要なのかという必要性がきちんと整理できているかどうかが、事業計画が採択されるかどうかの分かれ目になると私は思います。
それから、特徴、優位性や差別化のポイントがあるのか、その新規事業は市場性や成長性があるのか、また収益性はきちんと利益がでるのか、そして課題とリスクは何か、その課題やリスクに対してどのような対応策を練っているのかをエクセル でもワードでもいいので整理してください。
マーケティングMIX
マーケティングミックスの4Pと4 Cにきちんと定義をして、価格はいくらにするか、どういうプロモーションするか、お客様の満足度はどうなのかを整理してください。
4P(企業側)
どういう製品やサービスにするか(Product)、いくらにするか(Price)、どのようにプロモーションするか(Promotion)、ネットで販売するのかどういう流通でお客さんのところへ届けるか(Place)の頭文字をとって4Pです。
この4Pを考えることができたら、次に顧客側の目線で4Cを考えてください。
4C(顧客側)
4Cというのは、あなたが今からやろうとしているビジネスがお客側にとって顧客価値は何なのか(Customer value)、コストは適正なのか(Cost)、お客さんとの双方向のコミュニケーションができているのかどうか(Communicatio)、そしてお客様にとって利便性はあるのか(Convinient)ということです。
このマーケティングMixをあなたの新しい商品に適用して整理しておく必要があります。
スケジュール化
売上利益計画や資金調達の計画、設備投資の計画、人材組織の体制の計画をスケジュール化する必要があります。
補助金自体は3年から5年なので、最低でも3年のラフな中期計画をつくっておく必要があります。
それから、1年間の短期プランは詳細に練っていく必要があります。
プロットする内容は、売上と利益と付加価値の推移というのが事業プラン上絶対に必要です。
また、新規事業の施策として、何をしていくかという具体的なステップ、誰をリーダーにしてどのようなチームを作るのか、新たに採用するかなど組織体制を書かないといけません。
事業再構築補助金は設備投資をしないといけないので、何に設備投資していくか、時期とコストを明確にスケジュール化する必要があります。
設備投資をするのに、銀行への借り入れ交渉をいつからするか、時期と金額を調整してください。
最後に、新規事業のための採用や研修などの人材育成をどうするかを整理していくと、どうやって売上や利益、付加価値が伸びていくかを説得させることができる資料ができます。
補助金申請に向けた事業計画書の書き方:まとめ
今回は、補助金申請に向けた事業計画書の書き方について解説しました。
どのような補助金でも、現状分析をして、どのようなターゲットがあって、その特徴を整理して、マーケティングミックスを考えて、スケジュール化するという手順はぶれることはありません。
先手必勝になりますので、自信を持って、今から事業プランに落とし込んでチャレンジしてみてください。