組織活性化プロデューサーの南本です。
令和3年の補助金としては「事業再構築補助金」が目玉ということで、コンサルタントなどいろいろな方が補助金を申請させようとYoutubeで動画配信している人もいます。
しかし、安易に補助金を利用することはおすすめできません。
今回は事業再構築補助金をきっかけに警鐘をかねた解説をしたいと思います。
事業再構築補助金とは
事業再構築補助金には以下の4つの目的があります。
- 新規分野の展開
- 業態転換
- 事業や業種の転換
- 事業再編またはこれらの取り組みを通じた規模の拡大や思い切った事業再構築
上記の4つの目的にある程度適用していれば、補助金は申請してだいたい1ヶ月以内に承認されるのではないかと思います。
補助金を利用した新規事業は危険!?
事業再構築補助金が少し加熱しすぎなので、注意してくださいという意味で、以下の5つをお知らせします。
- 補助金2/3目当てはNG
- 資金回収は1年以上先になる
- コンサルに乗せられて無駄な投資になる場合がある
- 多角化で本業を揺るがす場合がある
- マネジメントできないならNG
補助金2/3目当てはNG
補助金は2/3出ます。
例えば1000万円であれば、認可されれば666万円が戻ってきます。
補助金や助成金には魔力があって、本来の事業転換や新規事業や経営のV 字回復という目的から、「補助金をもらう」ことにすり替わってしまう場合があります。
2/3もらえるからと言って、やりたくない事業でもやろうといった話にならないように少し頭を冷やしてください。
資金回収は1年以上先になる
この助成補助金には膨大な設備投資が必要です。
コンサルに乗せられて無駄な投資になる場合がある
コンサルに乗せられて、絵に描いた餅になるような無謀な計画に投資しないでください。
自分がやりたい事業を補助金の事業計画書に散りばめて申請しても事業プランとして魅力がなく、認可が受けられない場合があります。
そこで、良いか悪いかは別にして、コンサルの方たちは過去の実績があるので、すごい事業計画のように仕立て上げてしまうことがあります。
このように補助金の認可を取るための申請作業になってしまうのですが、認可が下りた後事業者は実際にその事業をやっていかないといけません。
申請だけのコンサルは、その時にはもういなくなっていますから、引っかからないように注意してほしいと思います。
多角化で本業を揺るがす場合がある
本業を揺るがす事業には手を出さないでほしいというのが私の思いです。
多角化で成功したことはまずないので注意してください。
マネジメントできないならNG
新規事業なので、社内の人材や社内の資金調達が出来ないのであればやめておいた方がいいです。
人というのは、既存の事業にうまく適応できる人材と新しい事業に適応できる人材と質が違います。
うまくマネジメントできないのであれば、失敗しますからやめておいた方がいいと思います。
事業再構築補助金を利用した取り組み案
事業再構築補助金を利用した取り組み案は以下の2つです。
- 業態転換と事業再編をする
- 新規市場の開発や新規商品・サービスの開発に特化する
業態転換と事業再編をする
業態転換であれば、例えば飲食業や小売業の方が通販ビジネスとか、整体であれば店舗型に訪問のようなものを組み合わせていくのは相乗効果があるのでいいと思います。
また、不採算部門を売却していくという発想で事業再編して統合していくのもいいと思います。
新規市場の開発や新規商品・サービスの開発に特化する
今、皆さんが本業に対してターゲットにしている市場があると思いますが、例えば若者向けのブランド商品であれば、「高齢者市場で販売すると絞った時にどのような商品のカスタマイズが必要なのか?」といった風に考えてみてください。
または、東京だけで売っていたものを全国やアジアに広げる時にはどういう商品やサービスにしないといけないのかと、ターゲットのお客さんを細かく絞り込んで、商品サービスの付加価値をどう変えていくかを検討しましょう。
マーケティングを行いながら、慎重に新規市場の開拓や付加価値のある新規商品にカスタマイズして開発してください。
事業再構築補助金を利用する前に冷静に考えよう
1.1兆円という膨大な予算がつく事業再構築補助金は、コンサルタントが弱り目の中小企業をあおってきます。
投資額の3分の1で済み、3000万円の投資が1000万円で済みます。しかし冷静に考えてください。
それで商売がV字で100%回復する保証はありません。
下手をすると奈落の外に落ちて全て失う可能性があります。
投資する前によく考えて、本当に自分のやりたい事業、これで生き延びられると確信を持てるまでは事業再構築補助金に安易に手を出さない方がいいと思います。
ヒートアップしすぎているので冷静に対応してほしいと思います。