「どんなことでも10秒考えればわかる。10秒考えてもわからない問題は、それ以上考えても無駄だ」
これを”ファーストチェス理論”といい、ソフトバンク孫正義も実践されています。
会議で「持ち越し」は時間とコストの無駄
「いったん持ち越し」「微妙だな」「もう少しこの案件は各人で揉もう」
会議が煮詰まると我々は往々にしてこれらの言葉を発してしまう。しかしこれらの言葉が出たら要注意だ。
会議にはコストがかかっている。
参加者の時給を仮に2000円とすると、10名で2時間行う会議には4万円の経費がかかる。「揉む」「持ち越し」を2回、3回行えば、時間の無駄だけではなく膨大なコストの無駄が発生してしまう。
そこで、会議を行うにあたって目標を達成し、決断を下すために、有効な理論を提示する。
孫正義も実践するファーストチェス理論
元ソフトバンク社長室長、孫正義社長の秘書として長年勤めた経験のある三木雄信氏は、彼の著書『孫正義 「リスク」を「成功」に変える28のルール』の中で、孫社長の興味深い考え方を紹介している。
「どんなことでも10秒考えればわかる。10秒考えてもわからない問題は、それ以上考えても無駄だ」
これは「ファーストチェス」の理論といい、実験で証明されている理論だ。
ファーストチェスとは、チェスを競技する際に5秒以内に打つというルールを指す。
ファーストチェス理論では、「5秒で考えた手」と「30分かけて考えた手」は、実際のところ86%が同じ手であることが実証されているという。
孫社長の言う「10秒考えれば十分」という言葉には、まさに裏付けがあると言って過言ではない。
孫社長が、アリババ創業者のジャック・マー氏とたった6分面談しただけで、2000万ドルの出資を行ったのは有名な話だ。
その後アリババは成功を収め、そのリターンは2000倍に及んだ。おそらく面談にかかった総時間は6分でも、孫社長は5秒や10秒で出資を決定したであろう。
会議や打ち合わせは解決方針を生む場所
会議や打ち合わせは、特定の問題について、シンプルな答え(解決策)を産み出す場所だ。
会議の時間が長ければ長いほど、人は自分の答えに理屈や言い訳を探す時間を見つけてしまい、不効率な会議が生まれてしまう。
ぜひ「ファーストチェス」の理論を生かし、参加者に脳みそをフル回転で働かせてもらえる、有意義で効率的な会議を行おう。