タイムマネジメント、隙間時間の有効活用などの類の本は、いつだって売れるものです。ただし、隙間時間をどう使うかということに気が行き過ぎているなら、そもそも隙間時間が空かない仕事の仕方を考えたほうがよほど生産性が高いはずです。課題の本質を見極め、根本的な解決を図らなければ、問題が解決に至ることは望めません。
みんな大好き「隙間時間の有効活用」はムダ
「隙間時間を使って何かをやろうと思うのは時間のムダ」という話をしてみようと思います。
よく、「デキる人は隙間時間をうまく使っている」ということが言われているじゃないですか。
皆さん、タイムマネジメントとか時間の有効活用とかには凄く興味がありますから、この類の本はいつだって売れています。
特に、移動する時や出張する時、お客様に合うまでのちょっとした時間をどうやって使うかについては、色んなメソッドが提言されています。
隙間時間の有効活用を考えるのがムダなワケ
ただ、待ってください。
私は、こうやって隙間時間をどうやって使うかと考えること自体が、ムダ、ナンセンスなんじゃないかと考えているんです。
というのも、隙間時間の有効活用を考えるということは、仕事時間の中で長短問わず、隙間時間が一定の割合で発生しているということですよね。
じゃあ、そもそも隙間時間がない仕事の仕方を考えたほうが、もっと生産性の高い仕事ができるんじゃないの?ということなんです。
もっとも、隙間時間が全く無いなんてことは誰しもありませんよ。
ただ、有効活用を考えなければいけないほど隙間時間があるのであれば、たとえば1日に2〜3時間とか隙間時間があるならば、絶対にムダな動き方をしているはずなんですね。
しかも、この時間を使って仕事をしているんですが、仕事をしているつもりになって疲れている。成果も出てないってことが多かったりします。
この思考回路を続けている限り、本当に儲かる仕事に注力できてないはずだし、ムダなことに労力を割き続けねばならなくなるでしょう。
マニュアルを作りたがる人もムダのかたまり
間違えが起きやすい仕事があって、膨大なムダが発生している時に、間違えを少なくするためのマニュアルをすぐに作りたがる人も同じです。
儲かりません。
同じようなミスを他の人もするかもしれない。だから、マニュアルを作って皆でミスをおこしにくくしよう。
こんなことを言う人はいませんか?
これも、隙間時間を有効活用することを極端に重視している人と同じ思考回路なので、絶対に止めるべきです。
マニュアルを作るのに膨大な時間が必要で、作業をする人にとっても読み込むのに膨大な時間が必要です。
更に、そのマニュアルを作った費用に対して、効果がどれくらいでるかと言えば、それは未知数です。
もし、間違えが起きやすい仕事があって、膨大なムダが発生しているなら、そもそもミスしにくいオペレーションや仕組みを作るべきではないですか?
そもそもマニュアルを作る必要がないくらい、シンプルなオペレーションにしてしまったほうが皆が楽になりますよね。
なのに、こちらは誰もやりません。
隙間時間を有効活用したがる人と同じで、モグラたたきみたいなことばかりやって疲れるだけです。
経費削減は企業を救う抜本的な措置とならない
次にこれも多いパターンですが、お金がなかなか手元に残せない時に、経費削減にすぐ走る社長さんがいます。
必死になってボールペン1本から経費削減すると言うのですが、中小企業がこんなことをやるのは究極のムダと言って良いでしょう。
なぜか?と言えば、自分はもちろん、社員のモチベーションがダダ下がりになってしまうからです。
鬼のように経費削減したって、元々使っている経費がそんなに大きな金額なワケではないですから、たかが知れた効果しか出るはずがないんです。
そんなチマチマしたことをやっているくらいなら、売上を一気に上げたほうが、どれだけ価値のあることか考えてみるべきでしょう。
今の売上を前提にして経費のことばかり考えているから、いつまで経っても業績は上がらないんです。
企業は売上と利益が出てナンボという根本を無視していると、こうやって極端なコスト削減に陥って、儲からないことになっちゃいます。
一番最初にお伝えした隙間時間の活用しかり、ミスのある仕事でマニュアルを作りたがる傾向しかり、経費削減したがる人もしかり…
もし、自分にこれらの傾向があると感じているのなら、課題の本質を見極め、もう少し根本的な解決を図るようにしなければ、利益が出にくい会社になってしまうのでは?と思います。