こんにちは!
この記事では”契約書を2通作成せず印紙税の費用を節約する方法”について記載しています。
収入印紙の貼付が必要な契約書はコストが高い
突然ですが、契約書を2者(社)間で作成する場合、通常は「2通作成」して、それぞれ「1通ずつ保管」することにしますよね。
この場合、それぞれの契約書に、当事者双方が署名捺印または記名押印して、印紙税法上の収入印紙を貼って消印することになります。
例えば、1,500万円の貸し借りについて、「金銭消費貸借契約書」を作成するとすれば、それぞれ20,000円、 計40,000円分の収入印紙を貼る必要があります。
その契約額だけの経済的利益を得るために契約書を作成し所持しているのだから、それに応じた税金を納めなさい、という理屈になります。
ところが、ここで皆さんよく考えてみましょう。
この契約を1通で済ませることができれば、当事者で折半したとしても 10,000円ずつ、計20,000円で済みます。
お互いで計20,000円の印紙税について節約が可能です。塵も積もれば山となるといいますように、収入印紙代も会社によってはバカになりません。
果たして、収入印紙が必要な契約書って1通で済ませることはできないんでしょうか?
契約書は1通のみ作成でも法的効力を有する
そのため、自分の手許に契約書が無いことには大きな抵抗があります。
しかし、裁判等においては、契約書の原本がなくても、『正式に成立した契約書のコピー』があれば、契約内容について相当有力な証拠となります。
「この契約の成立を証するため本書1通作成し、当事者記名押印のうえ甲がこれを保有する。」
と記載されたコピーを乙が保有していれば、乙は契約書(原本)を持っていなくても、甲が契約書を持っているからと裁判所に「文書提出命令」を申し立てれば相手の甲は原本を裁判所に提出せざるを得ません。
ちなみに甲が自己に不利だと考えて、契約書を提出しなければ、乙のコピーの内容は事実と認められる流れになります。
つまり、2通の契約書を取り交わすことは慣習であって、実際には契約書は1通のみで取り交わしても法的効力が発生し、本来は印紙代も半額で済ませることが可能なのです。
契約書にはコピー保管することを明示しない
ちなみに、この印紙税の節約方法には一点、注意事項があります。
「契約・合意内容を証明するために作成されたと見られる文書」は課税文書と認定される可能性がありますので、“私は”一方がコピーして保管する旨を契約書には明記しないようにしています。
なお、印紙税は税法のため 行政書士の専門領域ではありませんが、多額の印紙税を必要とする企業で法務として調査し対応した経験、また実際に国税局の印紙税調査経験などを踏まえ書かせていただきました。
表現として正確性を欠く点はご容赦ください。