グルメ社長の食べ歩き費用はどこまで経費でOK?6つのパターンで可否判定

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 経営者の多くは会食を兼ねて美味しいお店を知る機会が多いので、グルメへの造詣が深い傾向にあります。ただし、会社の領収書を切ってご飯を食べるなら、正当な理由が必要です。外食するたびに領収書を切る経営者もいますが、これは考えもの。グルメ社長の食べ歩き費用はどこまで経費になるか、6つのパターンで考えてみましょう。

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経営者はだいたいみんな食べ歩きが大好き

 美味しいご飯を食べたときほど、この上ない幸せを感じる時間はありません。

 SNS投稿を見るたびに、タイムラインの半分がグルメ食べ歩きで埋め尽くされるのも確かに頷ける話です。

 特に経営者の多くは会食を兼ねて美味しいお店を知る機会が多いので、グルメへの造詣が深い傾向にあります。

 ただし、会社の領収書を切ってご飯を食べるなら、そこには「自社の収益に寄与する」正当な理由が必要です。

 外食するたびに領収書を切る経営者もいますが、これは考えもの。

 グルメ大好き社長の食べ歩き費用を経費とできるか否かについて、6つのシチュエーション別で考えてみたいと思います。

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グルメ大好き社長の食べ歩き費用は経費で落とせる?6つのシチュエーションで考えてみよう

1)外部の取引先を接待する場合

 外部の取引先を接待する際の外食費用は、「交際費」の名目で領収書を切ることが可能です。

 ただし、会食をする際は、得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待であることを証明できるようにしてください。

 いつ、誰と、どんな目的で、何円使ったかを、明確に記録として残しましょう。

2)会社のメンバーを慰安する目的がある場合

 会社の特定メンバーを慰安する目的で外食する場合も、「交際費」の名目で領収書を切ることが可能です。

 会社のメンバーは、交際費の定義に含まれる「その他事業に関係のある者等」だからです。

 また、全員が集まれる環境で外食した時は会社行事として、「福利厚生費」の名目で領収書を切ることもできます。

 ただし、いつ、誰と、どんな目的で、何円使ったかを、明確に記録として残す必要があります。

3)食関連の仕事に携わって調査など目的がある場合

 飲食をはじめ、食に関連する商売をやっており、市場調査などの目的があれば、1人で外食した時でも調査費の名目で領収書を切ることが可能です。

 メニュー開発のヒント、取引先の動向チェックなどは、いわゆる「芸の肥やし」、マーケティングに役立つ投資と言えるからです。

 ただし、いつ、どんな目的で行ったか、調査の概要、といったことを明確に記録として残しましょう。

4)オウンドメディアで情報発信する目的がある場合

 オウンドメディア、YouTubeなどで、食レポートの情報発信をする目的がある場合も、調査費の名目で領収書を切ることが可能です。

 ただし、これらのメディアが「自社の収益に寄与する」ものでないなら、事業と関連の無い支出となるため費用も自己負担となります。

 この際も、いつ、どんな目的で行ったか、調査の概要、といったことを明確に記録として残しましょう。

 そして、食レポートの記録も忘れずに保存しておく必要があります。

5)家族サービスで外食する場合

 いつも仕事ばかりで家族サービスが出来てない…せめてもの罪滅ぼしに、日曜日のランチくらい会社のお金で出そう!

 このパターンは明確にアウトです。領収書を切っては行けません。

 たとえ経営者が家族への罪悪感を少し減らせても、それは内輪の話。外食にかかった費用は事業と何ら関連の無い支出です。

 税務署に見つかった場合は役員報酬に含められ、追加で税金を支払わねばならなくなります。

6)孤独のグルメごっこをする場合

 「時間や社会に囚われず、幸福に空腹を満たすとき、つかの間、彼は自分勝手になり、自由になる。」

 孤独な経営者にとって、孤独なグルメは一時の癒しであり、活力の源でもあります。

 しかし、食事は個人が生活をする上で必須の支出であり、税務的には「家事費」とみなされます。

 いくら美味しいものを食べて感傷に浸っても、お金は一銭も稼げません。

 自腹を切って、思いっきり孤独のグルメを楽しんだら、財布の中身を増やし、より一層稼ぐために外へ出ましょう。

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自分はそんなことやってない?意外と無意識にやってます。

 いかがだったでしょうか?

 上記の6パターン、実は筆者の元へ悩み相談に来た、起業2年目に入る新米社長の経費(食事代)の使い方を分類して並べたものです。

 元々、名のある大手企業で要職についており、それなりの年収ももらっていたせいか、その当時の半分くらいしか年収が無いのに、何とか経費で食べようと、あの手この手と考えていたようです。

 収入のある時代にグルメを覚えたこともあり、罪滅ぼしも兼ねて毎週末有名なレストランに行き、奥さんに何とか良い顔を保とうとしていたみたいです。

 もう一つの大きな出費として、一人のランチ代で2〜3,000円使った領収書が沢山見つかったのですが、本人曰く「食べログにアップしたからOKだ。」とのこと…

 思わず、「お前は誰の為に経費使ってんだ…食べログ儲けさせるためか?」と逆質問してしまいました。

 全体のお金の使い方を見ても無計画な経費の使い方をしており、しかも役員報酬もそれなりに取っている(天然か!)ため、稼ぎの思いっきり取れていない中、会社の残金は減り、キャッシュフローも気がついた時には、あと3〜4ヶ月の命という状態でした。

 幸いにも決算期が8月だったので、奥さんに内情を打ち明け、役員報酬をグッと落とし、より重要なことのために今は必死で頑張っている様子。

 こんな社長いるの?と思う方もいるかもしれませんが、意外と無意識のうちに皆さん同じようなことをやってらっしゃいますから、人の振り見て我が振り直せと考えてみるのはいかがですか?

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