松尾 順

節約

未だに長時間労働を「美徳」とする人が減らない心理学的な理由

今や「ノー残業デー」「ワークライフバランス」への要請が強く叫ばれているにも関わらず、一方では「やっぱり早くから働いて遅くまで頑張っている人は偉いよ」という声が聞かれます。なぜ未だに長時間労働を「美徳」とする人は一定数存在するのでしょうか?その心理学的な理由に迫ります。
マーケティング

スポーツ審判が‘無意識’に誤審してしまうのにはワケがある

 オリンピックの度に毎回起こる論争の一つに「誤審問題」があります。良識のある審判ですらジャッジを公正に行うとしても、ミスする場合があります。なぜなら「無意識」のうちに、ある種の感情に影響を受け、主観的な評価をいれようとする「不作為バイアス」が働きやすいからです。詳細に解説いたします。
マーケティング

競合を気にせず新市場を発掘できる「オキシモロン」の発想で新商品開発

 「オキシモロン」とは、「撞着語(どうちゃくご)法」、あるいは「矛盾語(むじゅんご)法」と呼ばれるレトリックを指します。「冷たい太陽」「角ばったまんじゅう」など、常識と矛盾した発想を活用した商品開発は、ライバルとの競争を避け、新市場を生み出すチャンスを与えてくれます。
企業分析

利回り20%!「変なホテル」が「当たり前のホテル」になる日

 日本国内でも既に、従来は人間がやっていた仕事をロボットが代替している、実際のケースが存在します。その一つが、長崎県のハウステンボス内にある「変なホテル」です。受付からクロークまで、ほぼ全ての作業をロボットが担うことで、コスト削減と高利回り運用に成功しています。変なホテルが当たり前のホテルになる未来は、すぐ先に近づいています。
IT

AIに仕事を奪われる職業と奪われにくい職業を10個ずつ見れば分かる未来の仕事

 人工知能(AI)の進化には目を見張るものがあり、特定の分野では既に人間の能力を凌駕し始めています。「AIはどこまで人間の仕事を代替するのか」と気になる方もいらっしゃることでしょう。そこで本稿は、AIで代替可能な職業10選・AIで代替されにくい職業10選を比較しながら、AIが発達する未来に人間が仕事で担う役割を考えてみます。
マーケティング

新たな販促手法として活用できる「クラウドファンディング」

 中小企業が一般的に利用できる資金調達手段は、金融機関からの融資もしくは親や友人に頭を下げてお金を借りる以外にはありませんでした。しかし、クラウドファンディングの台頭は、個人からの個口出資を募ることにより返済義務のない資金調達手段を産みました。実はクラウドファンディングは、新たな販促手段としても利用できるものです。
経済

ビジネスの定石・ゴルディロックス効果のネットに対する敗北

 商品に3つの選択肢があるときに、マクドナルドのポテトは「Mサイズ」が一番売れて、牛丼チェーンでは、牛丼「並盛り」が一番売れるのが常識です。人が無意識に消費行動において中庸を選ぶことは「ゴルディロックス効果」と呼ばれています。ところがネットでは、この効果が通用しません。何故でしょうか?理由を解説いたします。
政治

国民投票による英国EU離脱で考える「世論」と「輿論」の違いとは?

 国民投票によって英国のEU離脱が決まってから2週間が経過しました。改めて選挙の結果を見てみると、今回の選挙結果を左右した2つの「よろん」に改めて注目できます。2つの「よろん」とは「世論」と「輿論」ですが、2つの違いとは何なのか?高度な政治運営が行われるために求められるのはどちらか?解説してまいります。
経済

なぜ塚田農場は流行の注文タブレットも置かずに繁盛するのか?

 縮小市場にある居酒屋ではありますが、居酒屋自体が「終わったコンテンツ」いわゆるオワコンかと言えば、そうでもないようです。塚田農場を始めとする「ある特徴」を持つ居酒屋は、飛ぶ鳥を落とす勢いで、集客はもちろん採用にも成功しています。オワコン居酒屋に欠けているものとは何なのでしょうか?
企業分析

楽天の反面教師に学ぶ「買いたい気持ち」を高める販促術「限定○○」

 ラ・クーポンのように、割引率の高い仕組みは、一般に「グルーポン型」のクーポンビジネスとして知られています。彼らが顧客の購買意欲を掻き立てるために活用しているマーケティングは、心理学の「損失回避傾向」を応用したものです。ただし、利用方法を間違えると、顧客の信頼を失うため、包丁のように切れ味鋭いマーケティング手法と言えます。
マーケティング

Windows10の強制アップデートに皆が激オコとなった深い理由

 「Windows10への強制アップデート」により、作業へ支障をきたした人や、慣れた操作ができなくなった等、多くの人が怒りを覚えているようです。なぜ私達は今回の出来事に怒りを覚えるのか?その理由は「説得の心理学」のキーワードである「コントロール感」で説明できます。ウィンドウズの対応を反面教師として見ながら解説いたします。
企業分析

吉野家のベテラン店員に学ぶロボットに代わられない接客の極意

 ホスピタリティとサービスの違いを、皆さんはご存知でしょうか?吉野家が他のファーストフードと比較して接客が良いと評価されるのは、ベテラン達による、新人に対するホスピタリティ教育が優れていることに大きな一因があります。人間が接客するサービスはホスピタリティ無しに生き残れません。
経営

ドナルド・トランプ氏が顧客や支持者に仕掛ける心理トラップ

 海外旅行の土産店では、ふっかけ価格を大幅に値下げしても、販売者に十分な利益が残るような交渉が行われます。従って顧客は商品を高い値段で購入せざるを得ません。顧客の頭には最初のふっかけ価格が残り、その価格と比較するプライミング効果が働いているからです。実は米国大統領候補・トランプ氏も同じ手法で、これまで大儲けしてきました。プライミング効果にはまらぬ方法とは?
節約

短期間で主婦にエコバッグを定着させた小売店側の心理的仕掛け

 心理学や行動経済学の研究によれば、人には「得をしたい」よりも、「損をしたくない」という「損失回避」の欲求を極めて強く持つことが判明しています。スーパーにエコバッグを持っていく主婦が急増した理由も、レジ袋有償化により、レジ袋代分のお金を損したくないという、損失回避傾向を巧みについたマーケティング策の一つです。
マーケティング

脳科学が明らかにした「コカ・コーラ」が消費者に選ばれる理由

 ペプシコーラは、コカ・コーラとペプシコーラのブラインドテストを過去に行ったことがあります。いわゆるペプシチャレンジです。品質面で選ばれたのはペプシにも関わらず、ブランドラベルを見せた後、消費者はどんな反応を見せたのか?その時、脳でどんなことが起こっていたのか?ブランド力が如何に人の選択を左右するかを理解することができます。
経営

バイオリンの名器・ストラディバリウスの品質は果して最高か?

 プロが名器・ストラディバリウスと新しいバイオリンを弾き比べた時に品質で選んだのは、新しいバイオリンでした。とはいえ、この結果によってストラディバリウスの価値が下がるかと言えば、それはありえません。ストラディバリウスの伝統・歴史・開発秘話は新しいバイオリンに真似できないからです。以下、解説します。
経営

2020東京五輪エンブレムの最終選考が「出来レースでは?」と推測された心理学的な2つの理由

 五輪エンブレムの最終選考が、4月25日(月)の午後に行われ、2020年東京オリンピックのエンブレムとして『組市松紋』の「A案」が選ばれました。しかしこの選考に出来レースとの批判が集まっています。心理学の視点から見た時に選考で仕組まれた2つの効果を、ご紹介します。果たして出来レースの批判は妥当なのでしょうか?
企業分析

殆どのパンが1個100円でもアクアベーカリーが利益伸ばす理由

 個店主義は、販売する商品の選定や、提供するまでの業務を各店でやるわけですから、時間と手間がかかるため、一見非効率のように感じるものです。従って、これまで多くの小売店がチェーンストア理論を採用してきました。しかし時代は変わり、個店主義で顧客ニーズを的確に捉えた店舗が利益を拡大し始めています。その代表例として、1個100円のパンで利益を拡大するアクアベーカリーをご紹介します。
マーケティング

セブン&アイ鈴木氏が経営学や経済学より心理学を活用したわけ

 先日引退を表明した、セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長兼CEOは、『消費は経済学や経営学ではなく「心理学」で考えなければならない』という考えを、折に触れて述べていました。鈴木氏の主導のもと、消費者の心理を読み切り、大きな成果を上げた販促キャンペーンが、なぜ成功したかを、心理学の観点から、マーケティングのプロに読み解いてもらいました。
効率化

薄々わかっちゃいてもサプライズが嬉しいワケを紐解きましょう

 「家族や友人がサプライズを用意していることに、薄々気がついているのに、サプライズが実行されるとやっぱり嬉しい。」このような気持ちを、私達は皆持っています。その理由は、古代に遡った時に見出すことができる、人間の「偶有性」にありました。ビジネスで「偶有性」はどう活かせるのか?マーケティングのプロに解説していただきます。