松尾 順

マーケティング

フランスのナンパ実験でも実証済み〜「タッチング」が販売に及ぼすプラス効果

 店頭の販売員にとって、お客様からご要望をお聞きしながら商品を勧め、お買い上げいただくことは、何よりの喜びです。一方で、販売員は可能な限り購買率を高めることも求められています。そこで、ご紹介したいのが、さり気ない「タッチング」という行為です。世界的に様々な実験が行われ、その効果が認められています。本稿では、フランスのナンパ実験の結果をご紹介します。
IT

万引き防止カメラ、融資審査、AIの驚くべきビジネス活用事例〜その光と影

 囲碁や将棋といったゲームの世界で人工知能(AI)が人間を打ち負かすなど、AIは人間の予想を上回る形で進化しており、ビジネスでも活躍を見せ始めています。たとえばAIは既に、万引きを未然に予防するために使われ、少額融資の融資審査(判断)でも活躍しています。ただし、これらAIの予測精度向上には、「行動データ」の収集が不可欠なため、今後私達の情報は更に丸裸となっていきます。
マーケティング

2030年、私達の消費行動はどう変わるのか?予測される3つの消費タイプ

 経済産業省が発表した「消費インテリジェンス研究会」の報告によると、2030年の消費行動は、特徴的な3つの消費行動タイプに整理することができるとされています。「自律的消費」「他律的消費」「偶発的消費」です。中でも、テクノロジーの進化によって、自律的消費と偶発的消費の割合が高まることが予測され、「売れる商品づくり」のヒントもここにありそうです。
マーケティング

煙感知器で市場シェア0%⇒39%を僅か1年で達成した濱口秀司氏の発想流儀

 USBメモリの生みの親であり「世界で最も忙しい日本人」とも言われている濱口秀司氏は、ある時、アウトドアメーカーのコールマンから、煙感知器のコンセプト開発を依頼されます。ところが煙感知器市場はレッドオーシャンであり、コールマンの市場シェアはゼロ。しかし、商品発売から1年後、コールマンは市場シェア39%を達成することになります。濱口氏が仕掛けた発想の切り替えとは?
マーケティング

アンケートに◯◯調査を加えると顧客の好意度とリピート率が上がる

 アンケートは本来、調査対象者となるお客様の実態を把握したり、自社、競合商品に対する認知度や理解度、購買意向、評価などを知るために行うもので、「マーケティングコミュニケーション施策」ではありません。しかし、アンケートに顧客満足度調査を入れると、顧客の好意度とリピート率が上がることがわかっています。その理由をご紹介しましょう。
経営

京都祇園の女将に学ぶ〜自らの「運命」「宿命」を受け入れ「立命」すること

 京都祇園にある老舗のお茶屋「富美代」を受け継ぐ女将には、“一生涯結婚してはならない”というしきたりがあります。しきたりに抗いながらも遂には自らの宿命を受け入れ、店を数十年に渡って切り盛りしてきた8代目女将、彼女の跡を受け継ぎ9代目女将となることを決めた娘、彼女たちが宿命・運命に向き合い、やがて立命する姿は、より良い人生を送るためのヒントを与えてくれます。
営業

シマウマを知らぬ人にどうやってシマウマを理解してもらう?たとえ話のススメ

 円滑なコミュニケーションを図るには、自分の伝えたいことを相手に理解してもらう必要があります。ただし、相手の知らないことを自分の説明を通じて理解してもらうには、相手が具体的なイメージを頭の中にありありと描ける必要があります。そこで活用したいのが、たとえ話です。具体的な事例を踏まえながら、たとえ話の有用性をご紹介します。
企業分析

行列のできる不動産屋さん・誠不動産が選択したカスタマーインティマシー戦略

 インターネット革命の煽りを受けて、差別化が図りにくくなってきた職種の1つに街の不動産屋さんがあります。ところが、誠不動産という街の不動産屋さんは、「行列のできる零細不動産屋」さんとして、完全紹介制の仕事しか受けられないほど、顧客から熱烈な指示を受けています。その秘訣に迫ります。
マーケティング

日本酒復活の日は近い?スパークリング清酒、「澪」の挑戦

 海外への輸出量が増加している一方で、国内市場の総消費量が落ち続けている日本酒。ヘビーユーザーに支えられているものの、市場の維持・拡大を実現するには、若い世代の消費が必須です。この課題を克服し、若いファンを増やしている日本酒があります。宝酒造が販売するスパークリング清酒、「澪(みお)」です。
時事

今村前復興相「東北の方で良かった」は何が悪かった?リーダーのメッセージ発信流儀

 今村前復興大臣が東日本大震災について、「まだ東北で、あっちの方だったから良かった。」と失言し、辞任する事態が起きました。政治家として、「最大努力」という視点を持つ意味で、これは今村氏の本音と言えますが、全体を仕切るリーダーとしては、同時にもう1つの視点を持って発言することが求められていました。リーダーに求められるメッセージ発信流儀を考察します。
企業分析

日産自動車が大型旗艦店を全国展開するワケ〜その裏にある消費者行動の変化

 インターネットの普及によって情報がオープンになった現代社会において、消費者は店舗へ来る前に購入商品を既に決めている傾向が強くなっています。自動車業界でもこの傾向は強く、これを受けて日産自動車は大型旗艦店を用意することで少しでも見込み客の「購入検討対象メーカー」となる取組を始めました。私達は皆、消費者行動の変化に目ざとくある必要がありそうです。
経営

スポーツ界の達人に学ぶ。仕事の付加価値は「集中力」よりも「分散力」から生まれる

 武道の達人、パフォーマンスの良い野球のバッター、彼らに共通しているのは「ぼやっ」と対戦相手やボールを捉える能力を高めていることです。この能力は「分散力」と言い、古来より人間が環境の変化に対応し生き抜くために培ってきたものでした。変化の早い現代のビジネスでも、付加価値の高い業務遂行を行う上で「分散力」は重要な能力と言えるでしょう。
マーケティング

家電業界のユニクロ?優れたマーケティングで消費者の心をつかむアイリスオーヤマ

 透明衣装ケースで有名なアイリスオーヤマが、ここ数年で家電分野においてもその売上を大きく伸ばしています。大手メーカーのような過剰機能を敢えて外し、「これは欲しい・便利」といった勘所を抑えることで、高品質と低価格を実現。家電分野で独自のポジションを手に入れつつあります。これを支えるのはコンセプトとジャッジの早さ。まさに巧みなマーケティングの勝利です。
企業分析

黒光りする生き物退治にしのぎを削るフマキラーの取り組みを見よ!

 望まれることのない春の再会。そう、黒光りする君の名は…ゴキちゃん。ゴキちゃん退治にあたり人の心は10人10色に揺れ動きます。フマキラーは徹底的な消費者心理の調査を行い、消費者がゴキちゃん退治に当たって望むシチュエーション毎に、バリエーション豊かな商品を開発し、見事消費者の支持を獲得しています。しのぎを削る商品開発に私達は多くを学べます。
労務

勤務環境とストレスの密接な相関関係〜高ストレスでも元気な職場の作り方

 経営者が深刻な人手不足に苦しむ一方で、従業員達も残業をこなしながらストレスの高い環境で仕事をしています。経営者としてこれらの問題を何とか軽減しようと取り組んでも、完全に消滅させるのは難しいことです。そこで重要になるのが、できるだけ従業員の自己裁量度を高めるような施策や手順を導入することです。
時事

糸魚川の大規模火災で避難勧告を受けた住民の40%が逃げなかった理由

 昨年末に起きた新潟県糸魚川市の大規模火災について、火災発生時の避難行動に関する調査が最近発表され、避難勧告を受けていた住民の実に40%が自宅近くで火の燃え広がる様子を見ていたことがわかりました。不幸中の幸いで死者こそ出なかったものの、なぜこのようなことが起きたのか?同じようなことが起きた時に被害を最小限に防ぐ方法は無いのか?検証いたします。
マーケティング

オフィスグリコの成功要因は「食べ過ぎ」の罪悪感を考慮した設置場所にあり?!

 今やオフィスのインフラとなりつつあるオフィスグリコ。ところで、オフィスグリコは大抵デスクからちょっと離れたスペースに設置されるのが常ですよね。アメリカにおける心理実験では、少し離れた場所に食べ物があると「食べすぎている」という罪悪感が薄れるという結果が出ています。オフィスグリコの成功を支える要因の一つには、オフィスグリコの置かれる場所も関係しているのかもしれませんね。
時事

福島の県名は変更すべきか?ブランド論の視点から考えてみよう。

 東日本大震災から6年が経過しました。星野リゾート社長、星野佳路氏は福島復興のきっかけを作るなら、「福島の県名を変えるべきである」という大胆な主張をされています。そこで本稿は、この星野氏の主張を元に、「ブランド」について考えてみたいと思います。あくまでも「ブランド」という観点から見た時に、読者の皆様は県名変更についてどう考えられますか?
節税

顧客満足を高めたいならお客様に「自己コントロール感」を与えよう

 レストランで食後のコーヒーを味わっている時に、「お皿をお下げしても良いでしょうか?」と言われた途端、こちらが承諾もしないうちに皿を下げられると、なんだか心がざわつきますよね。人は選択の自由を奪われることに不快感を感じ、自らが選択できる「自己コントロール感」を感じる時に満足を感じます。顧客満足を高めるには、お客様に「自己コントロール感」を与える必要があります。
マーケティング

暴言続ける米・トランプ大統領が駆使する3つの交渉テクニック

 アメリカの大統領に就任して1ヶ月が経ったトランプ大統領。良いか悪いかは別として、彼の交渉には、ビジネスの実践を通じて培われた、巧みな心理テクニックがふんだんに盛り込まれています。今日はこのうち代表的な3つのテクニックをご紹介したいと思います。活かし方次第では貴方のビジネスに有効活用できる?!