「あの社長、一見するとヒマそうにしか見えない。」そんな社長を見かけることはありませんか?
そして、多くの場合、余裕しゃくしゃくヒマそうに見える社長ほど、黒字会社を経営していたりします。実は彼らは「時間の作り方」に長けています。
どのように黒字社長が時間を作るのか?作った時間は何に使うのか?キミアキ先生が解説してくれます。
時間の作り方が上手な社長は優秀な人を雇う
ある方から、時間の使い方に重要事項の優先順位をつけて、色々とやって行く中で、「社長の仕事としての第二領域⇒緊急ではないが重要なこと」になかなか時間が使えない、というご相談をもらいました。
そこで今日は経営の原点に戻って、「他人の金で他人に働いてもらって利益を出す」ことで、時間を作る方法についてお話してみたいと思います。
さて、人をずっと雇っていると、ある時に理解し始めることがあります。
この事実を知っている方たちがいましてね、採用で何度も何度も失敗しても負けず、ずっと採用を続けてきて知っちゃう瞬間があるんですよ。
やはり、人を雇うと自分の時間を作れるってみんな思うんですけれど、あまり優秀では無い人を雇ってしまうと、給料も出て行くし、それから自分の時間も取られてばっかりなんです。
そういう経験をしているから、これ人雇っても意味無いんじゃねぇの?って、そういう時もあるんです。
ところが、採用指針を変えて人を見はじめると、「ウチの会社には果たしてどういう人が必要なんだ?その人は従業員さんとして働いてくれるのか?外注さんとしてやってくれるのか?」と色んなことを考え始めます。
いずれにしても行き着くのは、優秀な人たちが自分の時間を作ってくれるという事実です。
これを知っている人たちっていうのは、常に優秀な人材を探しています。
時間の作り方が上手な人は商売上手と付き合う
あとは、商売上手は商売上手と付き合うっていう大法則が存在します。
商売上手が商売の下手くそと付き合うことは、まず無いです。
商売上手の人たちっていうのは、やっぱり自由な時間を作るのが上手いです。
いかにその優秀な人たちと付き合っていくか?どうやって商売上手な人たちに時間を作ってもらえる?って分かってるわけですからね。
そうすると自然と商売上手になってしまうんですね。
つまり作業から離してしまうんですよ。「作業は誰々に任せて」って。
「いや、任せられませんよ」って言いますけれど、無理矢理に現場から引き離してしまえば、作業を任せざるを得ませんからね。
作業を任せて、自由な時間を作らせるっていうのは経営革新にもつかえます。
黒字社長は身内や従業員との親睦に時間を使う
では、自由になった時間を黒字社長というのは、一体何に使うのか。
この親睦っていうのは、取引先とどうとか、そういう話では無いんですね。
まずは家族との時間に凄く時間を取ります。お金も使います。
身の周りからなんですね。
それから、従業員との親睦をとても大事にしている方もいます。
そして取引先。取引先だけでなくて仕入先も。会社に関わってくれる人全部といつも仲良くしている。
こういうところにお金と時間を使うんですね。
この親睦会については、同業者同士の馴れ合いでは行われません。
親睦を深めていく時に同業者とつるんだり、言い方悪いですけど、いわゆる経済団体みたいなものとかね、色々ありますけれど、そういうものの活動は実際にはしていません。
そんな事に時間使うんだったら、もう家族に使っちゃうみたいなね。
黒字社長は将来の売上組立に空けた時間を使う
それからもう1つ。
考える時間というのは、基本的に社長の仕事っていうのは、将来の売上をどうやって組み立てていくかです。
テストマーケティングをしていって、それが上手くいくか、上手くいかないのか、様々な実験をします。
つまり、空けた時間は将来の売上を組み立てるために、色々と考える時間に充てているんですね。
これが考えられないから、みんな悔しいんですよね。
作業ばっかりずっとやっている人は、そういう先のこととか分からないし、少しできた時間は親睦会ばっかり!みたいになっちゃったりしますからね。(笑)
時間を作るには他人に任せる割り切りが必要
それから、時間を空ける上で参考にしたいのが、経営革新をする際の動き方です。
私が経営革新の時によく使う言葉があります。
「一利を興すは一言を除くに如かず」 (利益になることを新しく設けるよりも、妨げになっていることを一つ取り除くことの方が勝っている。)
経営革新の話をすると、何かしら新しい商品・サービスで稼ぐよりも、会社にある会社の中で悪い部分をとってしまった方が、経営革新ってやりやすいんです。
これは、時間の作り方も同じなんです。
これは、経営革新の時と同じ時間の作り方なんですね。
できた時間で、なぜそんなに縁を作っていかないといけないかって言うと、前述のように万年黒字社長というのは、常に優秀な人材を探しまくっています。
常に優秀な人材を探しまくっている人は必ず黒字になる。と言ってしまっても良いですよ、ホントに。
ですから、周りの人がみんな優秀な人ばっかりなんです。
取引先から外注さんから、そして自分の従業員に至るまで、みんな優秀です。それは、探しているから。
探して仲間になってくれ!って常にやっているから、そうやって優秀な連中ばっかりで、上手くキャッチボールしているわけですね。
商売はやっぱり人。自分の時間を作るには優秀な人材の採用が必要
最後になりますが、小才・中才・大才という言葉があります。
小才は、縁に会って縁に気づかず。
中才は、縁に気づいて縁を生かさず。
大才は、袖振り合う縁をも生かす。
実際に縁をどうやって生かしていくかで、ほとんど商売決まっちゃうんですよ。中小企業の場合なんか特にね。
世の中は所詮、人が動かしているんだから、その人たちとどうやって付き合っていくかだけです。
本当それだけ。
だから、中小企業の経営を財務諸表でみるときに、私は財務諸表のバランスとかではなくて、必ず取引先を見るんです。
どういう所と付き合っているのかなって確認します。
売掛金・買掛金の内訳がだいたい出てくるんですけれども、こういう会社さんと付き合っているんだ〜っていうのだけ、見るんですね。
そうすると良い会社っていうのは、やっぱり取引先も良いんですよ。
良い所と、ちゃんと商売をやっているんです。
そういう形で全てが縁を作ることに時間を使っていると。こういうことを知っておくだけでも、随分と時間の使い方って変わるのではないでしょうか。
では、その人たちがtodoリストなどで、何かしら管理しているのか?というと、これは言いにくいんですけれど…そういうツールってほとんど使っていません。
ツールを使って時間管理するっていうことを、本当に儲かっている人って実際にしていないんですよ。
何故なら、1番がいわゆる親睦であり、誰と付き合うかによって殆どが決まると分かっていますから、そこにtodoリストが必要ないんですね。
サラリーマンとはちょっと違う働き方で黒字社長は動いているんだ〜、ということを知っていただければと思います。