採用は殆ど失敗する 経営者の心が破壊されぬために大切な意識

経営

 多様性が尊重され、職業の選択肢もどんどん広がっている現代社会において、経営者が社員を雇う際のミスマッチングも増えています。「自分の右腕になってくれる」「この人ならやってくれるだろう」と期待しても、社員が辞めていく。このような状況で、経営者は採用で心を病まぬために、どんな意識を持っておく必要があるのでしょうか?

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採用に失敗して心が破壊される社長が増えてる

 商売人ですから採用で失敗して、金を失うのは仕方がないことだと思うんですよ。

 ところが、採用で失敗して、心が破壊されてしまう社長さんというのも、結構増えていらっしゃいます。

 そういう点を回避して、「商売をする上でどのように採用を行っていくべきなのか」とういう話を、本日はしたいと思います。

 まず、採用の失敗を、私はいつも失恋に置き換えて説明します。

 雇う側、雇われる側、双方どっちもね、悪くないんですね。恋して、振られてっていう、それだけの話なんで。

 誰も悪くないっていうことを前提にしないと、人の採用なんて出来ません。

 一番最初に人を雇う時に、必ず皆が間違うことがあるんですけれども、どうしても社長さんは雇う人に対して、ご自身の分身であったり身代わりであったりすることを求めてしまうんですね。

 「俺の右腕になってくれ!」「俺の代わりをやってくれ!」っていう感じで、給料の提示額も高くして、募集をかけたりするんです。

 これは、誰もが最初は間違うんですよ。ほぼ9割方の人がやってみて、あ〜コレは失敗したな〜っ、という感じで、ドツボにハマるケースをよく見ます。

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人を採用する際に経営者が心がける4つの意識

 採用で心を壊されないためにどうすれば良いのかというと、人を採用する際には「4つの意識」を持っておく必要があります。

 以下、説明していきます。

1)雇うときに期待しすぎない

 経営者は「従業員さんにこんなことを期待してはいけないんだ」と、気づくまでに結構お金を使っちゃうんですね。

 具体的に言いますと、例えば1番最初の正社員さんを、冒頭で述べたような期待の元、雇うとしましょう。

 大抵お金がかかりますので、銀行借入金でだいたい500万円くらい借ります。

 そしてそのお金を元にして給料を支払っていくんですけれども、その従業員さんは、ほぼ100%に近いくらい1年後にはいません。

 そして借金だけが残るというのが普通で、その借金を社長さんご自身が一生懸命返して行くっていうのが、だいたい普通なんです。

 ですから、「雇うときに期待し過ぎない」、という心構えを持つことが重要になってきます。

2)社員が会社に求めているものを理解する

 どうしてそんな期待をしてはいけないんだというと、従業員さん側には働く2大論点というのがあります。

  • 生活の安定を求めている
  • 働きやすい職場を求めている

 という2大論点です。

 ですから雇用者側はまず、こちらを与えなければいけません。

 生活の安定と、働きやすい職場を与えることで、まずは働いてもらう、という気構えが必要なのです。

 決して、社長の分身や社長の身代わりをやりたくて働く人なんて、いないんですよ!

 それなのに社長さんは、身代わりを期待して、給料も高く提示して、「なんで!なんでやってくれないんだ〜!」、という雇い方をしてしまう。

 こういう間違った雇い方から、人の採用は大体スタートします。

3)社長の考えを述べる。私と働きたい人募集!

 募集をする事はとても大事なことで、問題はどういう形で募集しているかということに尽きます。

 募集の最前面に、中小零細企業が出すことは何かというと、1にも2にもとにかく、社長と合わないと結局はやっていけないので、社長の考えを述べて、「私と働きたい人募集!」にするしかないんです。

 人材コンサルタントは、皆これを言うと思います。

 「社長、あなたと合わないと、結局人は辞めちゃうんだから、あなたと合う人だけを募集して下さい」と。

 そうすると結果、応募数は少ないんです。ほとんど応募ないですよ、実際。

 あなたと働きたい!なんて人ほとんどいないですよ。

 ですけれど、応募は少なくても採用の可能性はあるんです。それは自分と働きたいと、少なくともそう言ってくれているからですね。

4)従業員は他責思考が普通と割り切る

 それと、もう1個知っておかなければいけないことがあります。

 募集広告で如何に良いことを書こうとも、結局辞めるときになったら従業員さんっていうのは、必ず他人のせいにして会社を去ります。

 つまり会社側が私を騙したんだって、そういう思考の方が普通なんです。

 辞める従業員さんっていうのは、雇用関係においては絶対に私は悪くないと、採用したあっちが悪いと、そういう風になりますから、結果として会社側が悪者にされてしまいます。

 ですから、これは「そうなる場合が殆どだ」ということを、事前に割りきっておく必要があります。

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人として優しい人を雇い経営者の心を守ろう

 ですから採用の時に、1番最初に、本当に心に置いておいて欲しいのが、この人は辞めるんだということを前提にして、「人間として優しい人」を採用することを心がけてください。

 人として優しい人を採用しておけば、実際に辞められても、感謝して会社を辞めてくれるので、社長の心が壊れる可能性は少なくなります。

 これに気づくまでに、心が壊れてしまった社長を、私は何人も見てきました。実際に身近な企業で、本当に心の病気になってしまうくらいまで落ち込むんですね。

 ですから私は、

「金を失うのは良い、でも心を破壊されたくなかったら、採用なんてものは失敗がほとんどですから、人として優しい人をなるべく採用してくださいね。」

 ということを、いつも社長さんへアドバイスすることにしています。

 
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タナカキミアキ

売らない営業マン タナカキミアキ

YouTubeチャンネル「キミアキ先生の起業酔話」で、
中小企業経営のこと、起業のこと、経理のことを、
顧問先法人100社・個人事業者50名を抱える現場目線で
お話しています。

所有資格:

日商簿記検定1級
全経簿記検定上級
全商簿記検定1級で簿記検定3冠王、
税理士
簿記論・財務諸表論で簿記4冠&簿財番長
宅地建物取引主任者
ファイナンシャルプランナー
かわいらしい秘書検定2級
普通自動車に普通自動二輪
みんなの安全を守る甲種防火管理責任者
珠算3級
よく分からん情報処理検定2級

…などプチ資格オタク

妻は「あおば会計税理士法人」代表税理士の田中朝代。

18歳の時に簿記1級のクラスで出会って、
15年後になぜか結婚しました。

中小零細企業の経営に関しては夫婦揃ってめっぽう詳しいので、
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