ワークマンが取り組む「しない経営」と成長要因

経営

こんにちは。
組織活性化プロデューサーの南本です。

飛ぶ鳥を落とす勢いで収益を伸ばしているワークマンについて、ダイヤモンドオンラインに記事が掲載されていました。

今回は『ワークマンが取り組む「しない経営」と成長要因』というテーマで解説していきたいと思います。

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ワークマンが取り組む「しない経営」とは

ワークマンが取り組む「しない経営」とは

ワークマンが取り組んでいる「しない経営」とは、「ワークマンらしくないことはしない」ということで、具体的には以下の3つの”しない”があります。

  • 社員のストレスになることはしない
  • 他社と競争はしない
  • 価値を生まない無駄なことはしない

それでは1つずつ見ていきましょう。

しない経営①:社員のストレスになることはしない

ワークマンが取り組んでいる「しない経営」の1つ目は「社員のストレスになることはしない」ことです。

社員のストレスにならないようにというのは、「残業をしない」「仕事の期限を設けない」「ノルマと短期目標の設定をしない」の3つだと、ワークマンの専務が記事でおっしゃっています。

しない経営②:他社と競争はしない

ワークマンが取り組んでいる「しない経営」の2つ目は「他社と競争はしない」ことです。

ワークマンでは、ユニクロなどアパレル業界は競合他社ではないとはっきり言っています。

「他社と競争はしない」ということは、「値引きをしない」「デザインを変えない」「顧客管理をしない」「取引先を変えない」「加盟店は対面販売をしない」「閉店後にレジ締めはしない」「ノルマもない」など働く人にとっては天国みたいな会社です。

かなり現場に権限を渡して、自由に、楽しく仕事をして、お客様に喜ばれるように工夫をするといったようなコンセプトが、会社の社風として浸透しているのではないかと私は感じました。

顧客に選ばれる企業とは?競合他社との差別化を図る重要なポイント
競合他社と同じ値段であれば、他社よりも自社に依頼されたり、商品を購入してもらえる差別化の大事なポイントについて解説しています。他社との差別化のポイントは「顧客の本当の願望は何か」を理解することで、顧客へのヒアリングとそれに合った商品やサービスのラインナップを用意することが大切です。

しない経営③:価値を生まない無駄なことはしない

ワークマンが取り組んでいる「しない経営」の3つ目は「価値を生まない無駄なことはしない」ことです。

価値を生まないことはしないというのは、私の考え方と通ずるものがあります。

例えば、「社内行事をしない」「会議を極力しない」「経営幹部は極力出社しない」「幹部は思いつきでアイデアを口にしない」とりわけ「”頑張る”はしないどころか、禁止だ」ということです。

経営幹部が出社すると人間の本能として社員は萎縮してしまいます。

経営幹部が出社しなければ、自分でアイデアを出して、自分で企画を通してやらざるを得なくなります。

お誕生日会などの行事をしたり、金一封をもらったところで、1時間もすれば忘れてしまいます。

お金というのは冷たいので、例えば東京ディズニーリゾートのオリエンタルランドのように、ボーナスがゼロになると忠誠心はあっという間になくなり、去っていくというのが私の考え方です。

もう一度皆さんの会社も突き詰めて、「何かをしない」ことによって、反対に社員が能動的になって、モチベーションが上がるようなことを考えて欲しいと思います。

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ワークマンの成長要因

ワークマンの成長要因

ここではワークマンの成長要因について、以下の6つを解説していきます。

  • しない経営+エクセル経営
  • 作業用服の製造販売
  • 社員全員がエクセル活用
  • 現場で仮説と検証
  • 現場担当者が判断
  • 未導入製品の発見ツール

それでは1つずつ解説してきます。

成長要因①:しない経営+エクセル経営

ワークマンの成長要因の1つ目は「しない経営+エクセル経営」です。

しない経営には、現場に任せてノルマを作らないという内容ありました。

それと合わせてエクセル経営ということを掲げています。

エクセル経営というのは、統計マイニングをしながらAIでデータ分析して、最優先販売商品をあぶり出していくというようなものではなく、社員全員の共通言語のツールとして、エクセルにデータを入れて商品を分析しながら、各店舗の店長やアイデアマネージャーがどういう商品が売れるかという対応をしているというものです。

ワークマンの突き詰めるところは、「社員よし」「加盟店よし」「取引先よし」「会社よし」の四方よしという経営を心がけているところです。

成長要因②:作業用服の製造販売

ワークマンの成長要因の2つ目は「作業用服の製造販売」をしていることです。

ワークマンのコンセプトは何かというと、作業服の製造メーカー・販売ということから絶対ブレないことです。

「作業服+女子に受ける」とか「作業着+機能性が良くてファッション性がある」とか「作業着+オリジナリティがある」というのは突き詰めていますが、ユニクロなどとは競合せず、プルオーシャンの市場を自分たちで気付いているということをおっしゃっています。

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成長要因③:社員全員がエクセル活用

ワークマンの成長要因の3つ目は「社員全員がエクセル活用」していることです。

エクセルの機能を使って、データを現場の人間が分析しているということです。

成長要因④:現場で仮説と検証

ワークマンの成長要因の4つ目は「現場で仮説と検証」をしていることです。

仮説と検証をたてて、「これが売れそうだ」と試験して、PDCAを組み込んで販売していくのが、マーケティングの基本ですが、それを本部のマーケティング部のような組織がするのではなく、現場の店舗単位でエリアマネージャーと相談しながら、仮説と検証を繰り返しています。

これにより、現場の人材がマーケターと言われるレベルにスキルアップされていく事になります。

これは訓練されているので、本当に競合他社が真似できないと思います。

成長要因⑤:現場担当者が判断

ワークマンの成長要因の5つ目は「現場担当者が判断」をしていることです。

現場の担当者の判断することで、現場の担当者が自立していくというです。

成長要因⑥:未導入製品の発見ツール

ワークマンの成長要因の6つ目は「未導入製品の発見ツール」です。

A店でバカ売れしている商品をスーパーバイザーが発見して、エクセルで抽出して、まだ導入していない未導入製品をB店やC店にも投下していくということです。

この会社がいいと思ったのは、例えば、ある職人さんが毎週のように買いに来てくれる店舗があるそうです。そこの店長はその人がだヘビーユーザーだということで その人のためだけに仕入れている商品があるそうです。

これはロボットではできません。

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ワークマンが取り組む「しない経営」と成長要因:まとめ

ワークマンが取り組む「しない経営」と成長要因:まとめ

作業着の製造と販売している会社なので、顧客に匠のような人もいますが、ワークマンは現場でのエクセル経営をしているため、その人のために仕入れ、それをエクセルで管理しているため、ロスがでるようなこともありません。

会社から命令もしないので、社員をストレスフリーな環境にして、楽しくお客さんのためにいいものを作って販売しようというところがワークマンという会社の今の強さの秘訣ではないでしょうか。

会社が大きくなると、本部でデータを解析して、売るという体制を作る傾向があると思います。

しかし、ワークマンはそれとは真逆に「アナログで現場の社員がエクセルを使える質を上げている」ので、他社では真似できない本当の意味でのブルーオーシャンを確立して高収益を上げているのではないかと思いました。

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南本 静志

和歌山生まれ。株式会社紀陽銀行入行。銀行業務を2年程度経験後、システム部へ異動。

システムエンジニアとして銀行オンラインシステムや情報系のマーケティングシステムの構築で活躍する。

30歳代の後半には日本ユニシスに出向し、金融機関向けCRMマーケティングシステムの業務設計のリーダーを任される。その後、コンサルタントとして独立、現在は東京千代田区で経営コンサルティング会社と社会保険労務士事務所を設立し、代表に就任。

中小企業診断士及び社員を持つ経営者としての立場で、幹部社員(部長、課長、係長等)を次期役員に昇格させるようなマネジメント系の人材育成プログラムに強みを発揮している。また、初級管理職(主任や中堅リーダー)に対するモチベーション研修や自己発見研修も得意。

アールイープロデュース 

適性検査Cubic(キュービック)

東京中央社会保険労務士事務所

東京中央給与計算センター

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