中小企業が売上減少時に対策すべき3つのポイント

経営

組織活性化プロデューサーの南本です。

コロナウイルスで飲食業や旅館業などインバウンド関連業界をはじめ、風評被害も含めて売上が上がらない状態になっています。

この危機に中小企業はどうしたらいいかを解説します。

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中小企業が売上減少時に対策すべき3つのポイント

売上減少時に経営者が行うべき対策は3つあります。

売上減少時の3つの対策

  1. 資金繰り対策
  2. 内部体制の強化
  3. ビジネスモデルの転換

1番大事なことは「資金繰り対策」です。

次に、景気が悪くなって暇になるので、社内の「内部体制を強化」してください。

インバウンド頼みや外国人頼みのビジネスには弱点もあります。
インバウンドだけでなく「ビジネスモデルを転換」していくということが3つ目です。

この3つをきちんと対応しておけば大丈夫です。

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売上減少時の対策1 – 資金繰り

1番大事なことは資金繰り対策です。

銀行との調整

資金繰りの対策は、まず銀行との信頼関係を築くことです。

銀行と信頼関係を築き、銀行から融資を受けるというのが一番早いと思います。

現在の日本の状況下では、政府や金融庁から銀行に対して支援するように指導があると思うので、折り合いがつきやすいと思います。

ただし、銀行調整には1か月から2か月くらいはかかりますので、今からしっかり段取りをしてください。

支払先との調整

「支払いを少し延ばしたい」とは、なかなか言いにくいかもしれませんが、信頼関係があれば大口のお客様に対しては少し相談してみてもいいと思います。

資金流出対策

あまり役に立たない費用は見直して、コストカットしていかないといけません。

現金収入の強化

キャッシュがあれば会社は赤字でも潰れることはありません。
キャッシュがなくなると、その途端に潰れてしまいますから、現金商売の方は、1か月後に振り込まれてくるカード決済ではなく、できるだけ現金で回収する仕組みに変えた方がいいと思います。

政府や都道府県の中小企業支援緊急融資が決定

政府や都道府県が、中小企業に対する緊急融資制度を作っています。

国は5000億円程度の緊急融資の枠を作ることになっていますので、政府系の金融機関は従来より借り入れがしやすいと思います。

今は順調かもしれませんが、業種業態によっては外国人のインバウンドなど大打撃を受けています。

経営者は早めに対応することが重要です。

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売上減少時の対策2 – 内部体制の強化

売上が減少すると、今まで忙しく働いていた従業員も少し時間ができます。

その時に何をしておくかで、中小企業がV字回復して突き抜けられるか、突き抜けられないかの分かれ目になります。

社員と面談・コミュニケーション

まず社員と面談して、対面でコミュニケーションをとり、従業員の本音を聞き取ってください。

経営者は言いたいことがあっても、社員の言い分を素直に聞くことが大事です。

業務フロー改革(効率化)

社員の意見を受けて、社員の改善意欲を求めるために業務フローの改革をしてください。

効率の良い業務フローがないか社員を巻き込んで改革していくということです。

人材育成(多能工化)

教育する時間ができるので 、OJTを組み込みながら多能工化してください。

ジョブローテーションで戦略的に組み替えながら、誰でも同じ商品を売ることができるように多能工化していくことで会社組織がかなり強固になると思います。

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RPA化・自動化

バックオフィス業務フローの効率化にあたっては必ず単純作業が出てきます。
それをRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)でロボット化して、システムも入れて自動化してください。

システムを入れるためのIT補助金が来年度も4月以降に必ず出ます。
投資した金額の1/2が補助されるので、100万円投資しても50万円が返ってきます。

中小企業の特権のような補助金ですので、それを使ってシステムを導入して生産性や効率を上げてください。

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解雇なしのワークシェア

パートさんであろうが、契約社員の方であろうが解雇することは簡単です。

しかし、一度従業員を解雇してしまうと、少子化で人手不足なので、次に人を集めるのはとても大変です。

従業員を解雇するのではなく、ワークシェアで100%働いてもらっていたところを80%ぐらいにして、なんとか人件費を全員に払いながら乗り越えていただきたいと思います。

経営者は考える時間ができるはずです。

経営者がいろいろと知恵を絞って内部体制を強化すれば、会社が筋肉質になってV字回復するのは間違いありません。

それを信じて経営してください。

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売上減少時の対策3 – ビジネスモデルの転換

有事の時に一番しなくてはいけないのがビジネスモデルの転換です。

ストック型のビジネス(サブスク型ビジネス)

なりゆきで月末までに売上を立てて、月初にまた0から始まるようなフロービジネスではなく、ストック型のビジネスを入れていきましょう。

フローからストックにすぐに100%転換するのは非常に難しいので、お金が定期的に入ってくる仕組みを考えて、会員制や定額制などのサブスク型のビジネスモデルを試行錯誤で導入してください。

赤字になってからでは元も子もありません。
よく考えてサブスク型のストック型ビジネスを入れてほしいと思います。

ターゲットの絞り込み、ブルーオーシャン化(参入障壁を高くする)

中小企業は自分の強みを生かして領域を絞ってください。

領域を絞った小さな市場には、大手企業は参入してきませんから、ブルーオーシャン化していくはずです。

そのためにはリスクをとってでも、自分たちの強みと市場を絞り込むアイディアが必要です。

今よりもさらに絞り込んでマーケティングと営業をかけて、ほかの企業が入れないように参入障壁を高くすれば、中小企業の独占市場になっていく可能性があります。

売上減少時代に力を蓄えるいいチャンスなので、ぜひターゲットを絞り込んで、参入障壁を高くしてほしいと思います。

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シナジー効果のある新規ビジネス

既存のビジネスを改訂していくことも大事です。
しかし、今は新しいことを考えるチャンスでもあります。

突拍子もないことをやってはいけませんが、既存事業でノウハウのあるものを、シナジー効果で別の事業として試しに立ち上げてみましょう。

たとえばIT企業は受託型でシステム開発をしていますが、たとえばRPAを活用した省力化のコンサル部隊をつくって、システムコンサルをしていくというようなことです。

自分たちの技術やスキルを使いながら、別の部隊をつくって新しい収益の柱をつくっていくのが新規ビジネスになります。

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まとめ

売上減少時の3つの対策と、取り組む際に意識する点を整理しておきます。

  1. 資金繰り対策
  2. 内部体制の強化
  3. ビジネスモデルの転換

慌てず対応すること

まずは慌てず対応してください。

経営者の方が慌ててしまうと会社がパニックになり、優秀な社員も離反していきます。

経営者は慌てずどっしり構えてください。

資金確保の目途をつける

6か月先に今と同じ売上を立てられるように目標設定をして、まずは資金繰りの目途をつけてください。

社内体制とビジネスモデルの再構築

売上減少で余った時間を、社内体制や人材育成の仕組み作りやビジネスモデルの再構築をする時間に使ってほしいと思います。

おそらく3月後半位までは売り上げが落ちていくのではないかと思います。
なぜなら、大手企業の中国での売上が落ち込むため、下請け企業も連動して落ち込んでいきます。

サービス業や小売業も人が移動しなくなるため、全体的に厳しくなります。

しかし、「厳しい」とか「だめだ」と言っていても始まりません。

6か月先までの資金繰りを確保することは必須条件です。

資金繰りを確保して、内部体制とビジネスモデルを作る時間に費やして、6か月先にV字回復できるような会社にしてほしいと思います。

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南本 静志

和歌山生まれ。株式会社紀陽銀行入行。銀行業務を2年程度経験後、システム部へ異動。

システムエンジニアとして銀行オンラインシステムや情報系のマーケティングシステムの構築で活躍する。

30歳代の後半には日本ユニシスに出向し、金融機関向けCRMマーケティングシステムの業務設計のリーダーを任される。その後、コンサルタントとして独立、現在は東京千代田区で経営コンサルティング会社と社会保険労務士事務所を設立し、代表に就任。

中小企業診断士及び社員を持つ経営者としての立場で、幹部社員(部長、課長、係長等)を次期役員に昇格させるようなマネジメント系の人材育成プログラムに強みを発揮している。また、初級管理職(主任や中堅リーダー)に対するモチベーション研修や自己発見研修も得意。

アールイープロデュース 

適性検査Cubic(キュービック)

東京中央社会保険労務士事務所

東京中央給与計算センター

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