経営コンサルタントの島倉です。
今、雇用状況が激減し、年功序列、終身雇用、一括採用といった日本型雇用システムが崩れてきています。
大手企業に就職しても定年まで働き続ける事がほぼ不可能になり、将来の起業に向けた準備や、自分自身のスキルアップ、本業での収入を補うためといったさまざまな理由で副業を始めている人が増えてきています。
働き方改革の一環で政府が副業を推奨して、大企業でも副業が解禁される状況のため、副業人口は更に増え続けていくでしょう。
そこで、今回は、副業のメリット・デメリットについて解説したあと、おすすめの副業を9つ紹介したいと思います。
副業の4つのメリット
副業には以下の4つのメリットがあります。
- 新しい収入源を持つことができる
- 自分自身のスキルアップにつながる
- 経営感覚を身につけることができる
- 起業アイディアをお試しできる
それでは1つずつ解説していみます。
①新しい収入源を持つことができる
副業することで本業以外の収入源を持つことができます。
日本経済が衰退していく中で、実質賃金、名目賃金ともに過去20年に渡ってずっと下落しているので、今後給料が上がるどころか、むしろ下がる可能性のほうがはるかに高いというのが今の現状です。
本業で給料アップを狙うよりも、副業の方が収入アップが実現できる可能性が高くなっているので、副業が注目されているということです。
②自分自身のスキルアップにつながる
自分の会社の仕事では当たり前だったことが、例えば別の会社や業界では全くそれが通用しないということはよくある話です。
③経営感覚を身につけることができる
サラリーマンとして雇われている立場では、会社の経営やビジネス全体まで考える機会はほとんどないと思います。
経営者としての見方や、経営感覚を副業を通して身につけることができるのではないかと思います。
④起業アイディアをお試しできる
現在起業する人が増えていますが、起業して成功するかどうかはやってみなければ分からないところもあります。
しかし、一発勝負で起業すると、博打のように手元資金など退職金を全部失ってしまいます。
本格的に起業する前に試してみる事が大事なので、副業をおためし感覚でやってみて、将来の見通しが見えてきた段階で起業を決断すべきではないかと思います。
仮に副業で失敗しても、本業があれば収入が途絶えることはありません。また失敗から学んで、挑戦することもできます。
起業するときに失敗はつきもので、回避することは絶対できません。
起業してから致命的な失敗は避けるべきだからこそ、本格的に起業する前に副業で起業時のアイディアを試すのがいいと思います。
副業の3つのデメリット
前項では副業のメリットについて解説しましたが、当然副業のデメリットもあります。
副業のデメリットは以下の3つです。
- 会社の許可が必要になる
- 副業が原因で解雇されることがある
- 副業詐欺に引っかかる恐れがある
①会社の許可が必要になる
政府が副業を推奨していますが、副業について認めていない会社もまだまだ多いのが実態です。
副業が認められていないのに、黙って副業をして後で見つかった場合には、大きな問題になるので、会社の許可が必要だということが一つのハードルになると思います。
②副業が原因で解雇されることがある
副業を禁止している会社で副業がばれた場合は、解雇される可能性もあるのでぜひ注意してください。
日本の場合、労働者は法律で¥守られているので簡単に解雇することはできませんが、副業をして、明らかに本業で手を抜いたり、会社に損害を与えた場合には解雇されると思います。
解雇にはならないとしても、社内で悪い噂が立ったりして同僚の信頼関係が崩れたり、人事評価がマイナスになる可能性も十分にあるので、会社が副業を認めていて、上司に相談して承認してもらえるかどうかが副業をする大前提になります。
③副業詐欺に引っかかる恐れがある
今副業がブームなので、そのブームに乗じて副業詐欺を働く輩が非常に増えています。
「わずか1時間の作業」とか、「ワンタップで誰でも簡単にできる」など詐欺的な商材を売っている業者が増えています。
副業といえどもビジネスなので、楽をして簡単に稼げることはまずあり得ません。
このような誘い文句には注意してください。
専門家がおすすめする副業9選
おすすめの副業は以下の9つです。
- 空き時間を活用してダブルワークで働く
- ポイントサイトやアンケートサイトで稼ぐ
- アマゾン・メルカリ・ヤフオクで転売をする
- ネットショップで販売する
- 講師としてデビューする
- オウンドメディアで広告収入を得る
- ユーチューバーになる
- 投資をする
- 自分の得意を生かして副業する
それでは1つずつ見ていきましょう。
①空き時間を活用してダブルワークで働く
手っ取り早くまとまったお金を稼ぎたいのであれば、簡単に始められるダブルワークがいいと思います。
例えば、タウンワークで「短期」「日払い」にチェックを入れると多数掲載されているので、そこから適した仕事を選んで働くことがいいと思います。
それから「Timee(タイミー)」というサービスは、スキマ時間を使って簡単にアルバイトをすることを売りにしているビジネスですが、一般的なアルバイトのように履歴書を揃えて面接をする手順が一切不要です。
条件さえクリアすれば、好きな場所で、好きな時間に、好きな職種で、すぐに働けて、仕事が終わったらすぐに報酬が反映され、好きな時に報酬を引き出すことが可能です。
ダブルワークで働くときはTimee(タイミー)を活用してみるのもよいでしょう。
また、空き時間を30分単位で売ることができる「タイムチケット」というサービスもあります。
例えば、プログラミングやデザイン、写真撮影など自分の得意な知識や技術を30分単位でこのサイトで販売することができます。
このタイムチケットというサービスを使ってマネタイズすることもできます。
②ポイントサイトやアンケートサイトで稼ぐ
ショッピングモニターや懸賞の応募、メールの受信、アンケートに答えるというようなことでポイントを貯めて、貯まったポイントを現金に換えるという仕組みのものもあります。
空き時間にお小遣い程度を得る感覚で捉えていただければと思います。
③アマゾン・メルカリ・ヤフオクで転売をする
転売ビジネスとして多くの方が認識していると思いますが、アマゾン、メルカリ、ヤフオクで価値のあるものを安く仕入れて販売するというビジネスです。
自宅で自分のペースで副業を始めやすいということが特徴ですが、稼げるかどうかは商品リサーチでほぼ決まるといってもいいと思います。
例えばアマゾンであれば、カスタムレビューや売れ筋ランキングを見て、人気があるものを仕入れるかどうか判断すればいいと思います。
メルカリのアプリ版では、検索画面でキーワードを入れるとサジェストキーワードが自動で表示されます。
サジェストキーワードが表示されるということは、検索頻度が非常に高いということなので、サジェストキーワードを手がかりに需要がある商品をリサーチするのもひとつの方法だと思います。
ヤフオクの場合、終了しているオークションも120日以内であれば検索することが可能です。
終了したオークションということは需要があって、契約が成立したということなので、繰り返し売れている商品や高値で取引されている商品をチェックしていくと、売れ筋の商品に出会えると思います。
④ネットショップで販売する
ハンドメイドで雑貨やアクセサリー、洋服を作っている方や、農産物などの生産者の方はネットショップを始めることをおすすめします。
無料でネットショップを立ち上げる「BASE(ベイス)」というサービスは、決済やお金の管理に必要な機能が全て揃っているので簡単にネットショップを始めることができます。
⑤講師としてデビューする
語学、デザイン、ファッション、マナー、恋愛結婚、マネー、環境など教えるコンテンツの知識とスキルがあれば講師としてデビューするというのもいいと思います。
案件の集め方は、Web やSNSで情報発信をして、個人で依頼を受けるか、個人で企画してセミナーを開催するという方法があります。
「ストアカ」というサービスは、登録して、講演しますと募集をかけると講演を聴きたい方が集まるサイトです。
その他にも講演依頼、講師派遣といったサイトに登録して、案件をね集めていく方法もあると思います。
他の人よりも優れている技術や知識、経験がある方はぜひ講師としてデビューするということも考えてみてください。
⑥オウンドメディアで広告収入を得る
文章を書くことに抵抗がない人や、趣味や特技を文章で表現できる方はブログなどのオウンドメディアを作って広告収入を得るという副業がおすすめです。
継続してコンテンツを積み上げていくので、長期にわたって資産を構築していく非常に優れたビジネスなので、副業で始めて本業にしている人もたくさんいます。
⑦ユーチューバーになる
文章を書くのが苦手だけど、話すのは得意だという方はYouTubeで動画配信をして広告収入を得ることを検討していただきたいと思います。
顔や実名を出したくないという人は、アバターを使えば、誰にもわからずに動画配信をすることができます。
固定ファンがついて登録者が増えてくれば、継続的に広告収入を得ることができますし、人気チャンネルになれば企業の商品やサービスを紹介するコラボの依頼も来ますので、別の形でもマネタイズすることができます。
⑧投資をする
資金的にある程度余裕のある方はぜひ投資にチャレンジください。
時間には限りがあるので、自分が時間を差し出して働いて稼ぐには限界があります。
その為、お金を動かしてお金を生み出すということを考える必要があると思います。
投資には株式投資、FX 、投資信託などがありますが、証券会社で口座を開設すればすぐ取引を始めやすいという所が一つの特徴です。
株式投資には投資する企業の事業概要や財務状況、将来性、業界の動向や競合企業などの情報を集めて分析する必要があるので、このようなことが苦でなく、得意な人は株式投資を選べばいいと思います。
FXはレバレッジを効かせて取引するというイメージがあるので、ハイリスクだと思われがちですが、株式投資と違い、正しいしきい値管理とチャートパターン分析をマスターすれば、実はほとんどリスクがありません。
取引する方法として、スキャルピング、デイトレード、スウィングといった取引する時間に応じて3つのトレード手法がありますが、個人の性格やその時の相場の動きなどに応じて使い分けてトレードしていくことが大事になってくると思います。
投資信託については商品選びが全てですので、投資信託についてはぜひプロからアドバイスをもらうことが大事になってきます。
⑨自分の得意を生かして副業する
他の人と比べて優位性の高い知識、技術、経験があれば、それを副業にしていくということはありだと思います。
例えば、「ココナラ」というサービスでは自分の特技や技術、スキルを売ることが可能です。
また「クラウドワークス」や「ランサーズ」は、Web、バナー制作、動画編集、ランディングページ作成、コンテンツ作成、プログラミング、翻訳といった仕事がたくさんあり自宅でできます。
希望条件に合う案件を選んで始めれば、副業としては大きな収入を得られるのではないでしょうか。
副業から起業へ|法人化のメリット・デメリット
さて、副業がうまくいき収入が大きくなってくると起業を視野にいれる人も増えてきます。
起業するには、開業届を出して個人事業主になるという方法と、法人として起業する2つの方法があり、個人事業主は開業届を出せばお金をかけずに開業できますが、法人の設立にはお金がかかります。
最後に、法人化のメリットとデメリットについて、個人事業主と比較しながら少し解説しておきます。
法人化のメリット
しかし個人事業主の場合は無限責任です。
つまり事業に失敗した場合、負債のすべてを返済する必要があるので注意してください。
また、法人は所得税を節税でき、配偶者控除、扶養者控除があり退職金制度もありますし、出張手当を経費にすることができ、生命保険を活用した節税もできます。
それから、役員社宅で節税ができ、赤字の繰り越しができます。
消費税の支払いについても免税期間を2年活用することができて、株式会社というだけで社会的な信頼を得られるといったメリットもあります。
法人化のデメリット
一方法人化のデメリットとしては、設立費用や住民税の均等割があったり、社会保険の加入義務、税理士の費用負担、各種契約料金が高くなるなどコストが一気にかかります。
将来的に副業から起業しようと考えている方は、まずは個人事業主で活動して、売上がだいたい1000万円くらいになってきたら、法人化するといいのではないかと思います。
専門家がおすすめする副業9選:まとめ
今回は、副業をしたいけど何からすればいいのか悩んでいるという方に向けて、おすすめの副業を9つ紹介しました。
最後にもう一度整理しておきます。
- 空き時間を活用してダブルワークで働く
- ポイントサイトやアンケートサイトで稼ぐ
- アマゾン・メルカリ・ヤフオクで転売をする
- ネットショップで販売する
- 講師としてデビューする
- オウンドメディアで広告収入を得る
- ユーチューバーになる
- 投資をする
- 自分の得意を生かして副業する
お小遣いを稼ぐ程度のものもありますし、十分本業としても成り立つビジネスのあるので、これはやってみたいというものがあれば、まずは小さくおためしで始めて、そこから少しずつ資金投入して大きく育てていただければと思います。
コロナで職を失ったり、所得が下がっている中で、ぜひ副業を生かして収入をアップさせていただければと思います。