こんにちは!
タナカキミアキです。
東京都が、自粛に協力してくれた事業者に一時金として50万円出しましょうと決定しました。
しかし、これまでも生活ギリギリの状態でやってきた個人の飲食店などは、今回50万円だけもらっても、支払いに充てたらほとんど残らないか借金だけが残るという状況かもしれません。
コロナの影響で多くのお店が潰れると思いますから、下手に頑張るより、その50万円でお店の決着をつけてしまうのもいいと思います。
さて、今回は、個人店のみならず「天下のトヨタでさえ経済の動きが止まると簡単に潰れてしまう」というお話をしたいと思います。
トヨタ自動車の財務諸表を身近なお店に例えて分析
日本を代表する「天下のトヨタ自動車」の財務諸表を”零細企業や個人企業レベル”まで落とした状態で見てみましょう。
財務諸表の”桁”を変えて、皆さんの身近なお店にたとえてみました。
お酒を出す飲食店で考えてみると、売上が250万円、経費が225万円、利益が25万円といった経営状況を思い浮かべてください。
※以下、トヨタ自動車の財務所表を”桁”を変えた状態で解説します。
トヨタ自動車の財務分析:今あるキャッシュの総額は?
トヨタ自動車の財務分析として、まず見ていただきたいのは「現金」の部分です。
トヨタのキャッシュは、現金とすぐに売れる有価証券を合わせて600万円しかありません。
売上が月に250万円、経費が225万円なので、きちんと入ってきたとしても危なくないのかと思います。
私がいつも言っているのは「手元資金は売上の3か月分はないといけない」ということです。銀行も売上の3カ月分まではお金を貸してくれます。
トヨタ自動車の財務分析:トヨタが抱える借金総額は?
トヨタ自動車の場合、借金は2000万円と売上の3か月分どころではありません。
もちろん、トヨタは製造業なので、長期的に考えなければいけないし、全て短期資金で考えることはできません。
また、トヨタの売上がゼロになることはないし、車を納入して相手が払わないということもありません。
中小零細企業の場合は、たとえば2月、3月にきちんと納品が終わっても、4月、5月にお金が入ってくる保証というのは全くないので、そこがトヨタとの違いですね。
トヨタ自動車の財務分析:内部留保がたくさんある?
トヨタは内部留保が23兆円分あります。上の図に合わせると2300万円分です。
ただし、そのうちの1100万円分が製造機器で、それを債権者にお渡しするというわけにいかないので、内部留保にはあまり意味がないんですね。
トヨタ自動車の財務分析まとめ
桁を落としてみると、天下のトヨタ自動車の財務状況も、実は零細企業並みでそれほどよくないということがよくわかったと思います。
もしかしたら、今この記事を読んでくださっている経営者の中には「自分の会社の方がよほどいい」と思う方もいるかもしれませんね。
しかし、今、中小零細企業は納品を止めろと言われています。納品を止めるということは売上が立ちません。なおかつ納品した物も相手が払ってくれるかわかりません。
少なくとも現金商売の場合は目の前で現金が入りますが、中小企業で現金商売は少ないので、5月末は大丈夫でも6月は分からないとヒヤヒヤしている事業者の方も大勢いるのです。