こんにちは!タナカキミアキです。
世界一のバーチャル・ユーチューバー・キズナアイさんの運営会社の決算発表についてお話しようと思います。
キズナアイの運営会社の経営状況を解説
再生回数が伸びないキズナアイ
AIチャンネルというキズナアイさんのチャンネルは、現在メインチャンネル登録者数が269万人と非常に多いのですが、あまり再生回数は上がっていません。
そのあたりで台所事情が分かります。
6億円の資金調達
キズナアイさんの運営はActiv8(アクティベート)という会社ですが、おととし6億円の資金調達をしました。
出資比率は非公開になっていますが、おととしのgumiのプレスリリースを見ると、gumiもバーチャルユーチューバーに力をいれていこうというときに、キズナアイという最強のブランドがあることに目をつけました。
しかし、おととし6億円の資金調達をしたにも関わらず、わずか1年で溶かしてしまいます。
gumiは資本準備金を含んで6億9500万円の資金調達をしたと言っています。
もともとの資本金が9500万円なので、6億円の資金調達をして、資本準備金を含む6億9500万円になったとすると、中小企業ということを考えると、特定のスポンサーがついているのではないかと思います。
増資の時点で音楽、芸能に特化すると発表
おととしの時点では、バーチャルユーチューバーは女性タレントが多いので、今後は男性タレントや教育向けのチャンネルと、音楽・芸能に特化して、新たなタレント募集を積極化していくために、バーチャルユーチューバーのタレントと裏側のスタッフを強化していくと発表しています。
Activ8の一部門でupd8(アップデート)という「芸能プロダクションのバーチャルユーチューバー版」を考えていて、それに関しての資金調達だというプレスリリースが出ています。
6億7500万円の最終赤字に転落
そして2019年の8月期に6億7500万円の最終赤字に転落という発表がありました。
決算発表も3ヶ月遅れ
中小企業の場合は税務申告があるので、2ヶ月以内の10月の末には発表できたはずですが3ヶ月遅れています。
それだけ遅れたのは、決算が組める状態にないぐらい経理が混乱したとか、経理の人間が辞めてしまったということを考えさせられます。
債務超過状態に
第三者割当増資を行って資本金が6億9500万円で、利益剰余金で7億2000万円の赤字ですから、おととしの8月に6億円調達して、去年(2019年)の8月には債務超過に陥っています。
稼げるバーチャルユーチューバーの不足
今、主力のバーチャルユーチューバーは、キズナアイ、織田 信姫 、おめがシスターズの3本柱ぐらいしかあまり稼いでいないのがわかります。
組織としてやっていくには最低でもキズナアイさんのようなものが何本かいないと結構きついと思います。
普通のタレント事務所のように、有名な人が1人いたらあとは見たことのない人が9人いるという感じです。
主力のキズナアイの月間収入も最大335万円
主力のキズナアイさんの広告料収入を見てみると、現在だいたい1か月のアッパーで見ても335万円しかありません。
タレント事務所というのは主力の稼ぎ頭×2くらいなのですが、あくまでもYoutubeの広告料収入では、いいところ700万円ぐらいの収入程度だと考えていいと思います。
これでは経営はきついと思います。
オフィスなどの固定費も足かせ?
オフィスの場所はプレスリリースによると、東京都港区六本木のエグゼクティブアパートメント201とありますが、エグゼクティブアパートメントと言っても、だいたい六本木はエレベーターのついていない雑居ビルで、30坪ぐらいしかないオフィスが多いです。
裏方がオフィス設計をしますが、従業員に不満があることはわかってもだいたい2坪に1人ですから、30坪のオフィスにぎゅうぎゅうに15人といった感じです。
外部スタッフがいるのか、ぎゅうぎゅうに詰めているのかわかりませんが、従業員数はおととしの資金調達の時点で40名となっています。
バーチャルユーチューバーがいるとスタジオが必要ですから、この辺も考えるとかなりの固定費がかかっているのではないかと思います。
資金繰りは大丈夫か?
1か月のキャッシュアウトが600万ぐらいはあるはずなので、決算が5か月遅れていますから、なにか経費削減など見直していないとすると3000万円のキャッシュが足りなくなっています。
3000万円のキャッシュのために資金繰りに走り回って、ここまで来たら、従業員に辞めてもらうしかないか、12月の冬のボーナスも普通に考えたら出せないくらい非常に困っている状態だと思います。
今後どうしていくのか
こう考えてみると、主力のキズナアイをどう守っていくかです。
新たな出資者を募る?
どうしてもキズナアイを離したくなかったら、一旦減資して、新たな出資者に第三者割当増資をしてもらうしかありません。
6億円の資金調達に応じた人と、初期の資本金の9500万円を出した人にはいったん泣いてもらって、新たな出資者のもとで会社を立て直していく形がとれるかどうかです。
Activ8を少し見守りたいと思います。