こんにちは!
経営コンサルタント島倉大輔です。
今回は「ビデオ会議システムのデファクトスタンダード争奪戦が今始まっている」ということについてお話したいと思います。
新型コロナの感染拡大を受けてテレワークが進んでいますが、おそらくコロナが収束してもテレワークに進むことは変えようがないと思います。このテレワークに必須となるのが、ネットを通じて会議をしたり、連絡相談をするビデオ会議システムです。
いろいろな会社がこのビデオ会議システムのサービスを提供していますが、どこがこの会議システムの天下を取るのかについて紹介していきます。
ビデオ会議システムの勢力とビジネスモデル
ビデオ会議システムは米中の牙城です。
代表的なZoom、Facebook、Google、Microsoft はアメリカ勢です。そして、中国勢はアリババとテンセントの2社がビデオ会議システムを提供しています。
それでは、各社のビジネスモデルを見てみましょう。
Zoomのビジネスモデルは「フリーミアム」
この中でZoomのビデオ会議システムが一番普及していったという感覚がありますが、3人以上で40分以上のビデオ会議をしたい場合は有料にしなければなりません。
Zoomのビジネスモデルは、無料で利用させて、有料プランに変えていく「フリーミアム」なのです。
要するに、この会議システムで収益を上げているのがこの会社の理由です。
それと一線を画すのが Facebook、Google、Microsoft です。
Facebookのビジネスモデル
Facebookは最大50人まで時間無制限で利用ができます。
なぜかというと、Facebookはこの会議システムで儲けるのではなく、広告をたくさんの人に見てもらうことで儲けるビジネスモデルだからです。
多くの人を呼び寄せるために、無料でツールを提供しているのです。
Googleのビジネスモデル
Googleはさらにすごく、最大100人まで無料で使えます。
Googleが提供しているクラウドサービスを利用してもらうために、ビデオ会議システムを無料に設定しているんですね。
Microsoftのビジネスモデル
Microsoft もExcelやWordを会議システムで合わせて使ってもらいクラウドサービスを売るというビジネスモデルです。
Zoomはビデオ会議システム自体で利益を考慮し、Facebook、Google、Microsoft は自分たちの他のビジネスを使ってもらうために提供しているという点で、ビジネスモデルが全然違うということがわかりますね。
アリババのビジネスモデル
一方、アリババは14言語に対応したAI翻訳機能と、勤怠管理ができるシステムを投入しているので、グローバル企業で使えるというビジネスモデルになっています。
テンセントのビジネスモデル
テンセントは最大人数300人と設定していますので、セミナー講演会や大きな会議もできてしまいます。
それぞれビジネスモデルが違うし、ターゲットも違うし、マネタイズの方法も全然違っていますね。
米中の牙城に遅れた日本
どこがデファクトスタンダードを取るのかと書きましたが、ビジネスモデルもターゲットも利用スタイルも違っているので、おそらくそれぞれ生き残っていくのではないかと思います。
しばらくはこのまま進んで、やがて各社が追加機能を加えてくると思うので、その中で終焉していくところが出てくるのではないでしょうか。
デジタル対応後進国の日本
一番言いたいことは、現在米中の戦いになっていて、残念なことに日本企業は全く入り込んでいないということです。
日本経済では結局製造業に重きを置きすぎていてこのようなものに重点化していません。
いまだに持続化給付金や雇用調整助成金もデジタル対応ができてなく、東京都もFAXでやりとりしている状態ですから、決定も遅いし実行も遅いわけです。
日本は完全にアナログ対応で、米中から遅れていると言わざるを得ません。
テレワークが進む中、ビジネスにおいてビデオ会議システムは必須です。ぜひ皆さんにあったサービスを選んで、ビデオ会議システム活用していただきたいと思います。