こんにちは、あおば会計コンサルティングの田中でございます。
今回は、2020年4月1日から全国一斉に施行される「同一労働同一賃金」制度がテーマです。
「同一労働同一賃金」とは正社員の給料が下がるもの
人事系の怖い話ですが、2020年4月から「同一労働同一賃金」という制度が導入されます。
大企業の5社に1社は正社員の給与減らす可能性ありと回答
「同一労働同一賃金」という形になったとき、大企業が正社員の処遇をどのように対応していくのかを、人材派遣会社のアデコさんが調査しました。
導入当初は5社に1社のようにつくろっていても、実際には正社員の給料が下がるのは当たり前の話なのです。
これまで非正規の方がもらえるべき給料が正規に回っていたということをみんなが隠していたからです。
SONY・富士通は新給与制度を導入
会社によっては、これまでと全く違うような高い給料を払いたいという会社もあります。
新卒に730万円を払うSONY
新卒に年収730万円払いたいとSONYが花火を打ち上げてくれました。
SONYのレベルで730万円は、安いなあと言う印象ではないかと思います。
30代で報酬4000万円の富士通
そして富士通も花火を打ち上げてくれました。
富士通さんの社長が子会社を作る形で、30代で報酬4,000万円という新しい人事制度を導入します。
報酬を上げれば済むという話でもありませんが、技術職であるが故に、頭脳集団なので、価値を生み出すのではないかという期待の下に4,000万円まで出していいということですが、日本的経営を長くやってきた会社ですから、あまり馴染まないのではないかと思います。
富士通というのは、常に最先端の人事制度をしようとして、毎回失敗しているという残念な歴史があります。
今回は期待しながらも、新しいがゆえに実は日本的経営から自分たち自身が抜け出せないのではという懸念もあります。
給与が上がらないのは付加価値を上げていないから
2019年の10月に最低賃金が全国平均で900円を超えてきます。
900円を超えるといっても手取りで13万円くらいしかないわけです。
どうして日本企業が賃金を上げられないのかという時に、日本企業が生み出している付加価値の話を誰もしません。
付加価値が減っているから給料も減っているということを話さないし、むしろタブーになっています。
付加価値を上げる教育がされていない
日本企業は中途半端な規模の会社が多いので、中途半端な規模ということは、要するに大きいところに吸収されるか、家族経営のような形になります。
そうすると実際の付加価値が上がりますから、給料も増えます。
もちろん失業者も増えます。
付加価値を基準にしてみんなの給与が成り立っているということを教えていないと思います。
労働者は労働者で、そういうことは経営陣が考えればいいと切り離して考えている部分もあるし、正社員が自分たちの権利の主張ばかりしてきて、先輩が悪いから給料が上がらないシステムになっているんだということもタブーなのです。
これからの人事制度
今はベテラン・熟練工が必要のない時代
よく昔のフォード方式で、フォードがいきなり工場の労働者の給料を上げて、熟練工を逃さないようにしたという美談ばかりが話されていますが、今の時代の企業経営というのはそれほど熟練工が必要なくなっています。
それより誰もが作業をできるように、完全に自動化した機械をつくって、その機械のオペレーターがある程度賢ければいいのです。
従業員には適性検査・非適正検査を導入するような時代に
仕事に向いている人が、努力して、そしてプロになっていくという考えです。
ですから、私は必ずペーパーテストもやります。
コンピューター系の会社で給料が高い会社でも適性検査を必ずやります。
非適正検査というのは、チームで動くような場合に、文句ばかり言って和を乱す人が必ずいて、そういう人はチームワークにマイナスでしかないので、非適正検査を裏でこっそりやっている会社もあります。
こういう形で人事制度がどんどん変わっていきます。
まとめ
同一労働で同一賃金という制度になります。
すると正社員の給料は下がり、非正規の方の給与が上がっていきます。
正社員のように非正規の方も、自分たちがどれくらい会社で使えるか、数学的能力はどのくらいあるのか、チームとして働いていく上で、どのくらい和を乱さない力があるのかなどをどんどん検査していくような世の中になっていくのではないかと思っています。