かつて所属していた企業では、スタープレイヤーとして活躍していたはずが、自分でいざ起業した時には、驚くほど儲からない。
このようなジレンマに陥っている経営者の方はかなり多いようです。キミアキ先生はこれを「サラリーマン思考から抜け出せていない経営者」と評します。
どうすればサラリーマン思考から抜けだした経営者になれるのか?考えてみましょう。
今はデキる経営者も昔は皆サラリーマンだった
私のお客様も社長さんと言えど、元々は皆さんサラリーマンをしてた方達で、要するに労働者だったんですね。
労働者として労働力を提供して、お金を貰っていた人が殆どなんです。
「サラリーマンの頃は、あんなに稼いでいたはずなのに!」という感じでですね。
さて経営者に成り立ての方々が、サラリーマン思考からなかなか抜け出せないのは何故なのでしょうか。
今日は、この点についてお話してみたいと思います。
サラリーマン思考から抜け出せない経営者・5つの特徴
【サラリーマン思考1】稼ぐためにお金を使わない
サラリーマンが経営者になって稼げない理由の1つに、サラリーマン期間が長すぎる場合があります。
これが結構駄目なんですよね、サラリーマンの感覚が染みこんじゃってまず。
お金を稼ぐために、サラリーマンはお金を基本的に使わないで良いのです。
自分の時間と労働力を提供して、お金をもらうっていうサラリーマンの経験が長ければ長いほど、それが染み付いちゃう。
自分たちがお金を使って、そしてお金を稼ぎだしていかなきゃいけない、っていう思考になかなか切り替えられないんですね。
【サラリーマン思考2】相見積もりを取って安い方を選択する癖がある
この点も、サラリーマン思考から抜け出せない理由として、大きかったりします。
サラリーマンで仕事をやっていると、必ず相見積もりを取って、安い方を選択するということが染み込んじゃっています。
何かしら物を買う時に必ず相見積もりを取って、比較検討して必ず安い方を選択する癖があるんですね。
業者に対してプレッシャーかけたりしてません?
「〇〇さんのところはいくらだったんだけれど、おたくはそれに合わせること出来ないの?」
とかですね、こういう癖が抜け切らないんですね。
この理由は、後で説明しますね。ここまで読んだだけで納得して実行している方は、サラリーマン思考から既に抜けだしているはずです。
【サラリーマン思考3】値切り勝ちが無いことを知らない
それからもう1個あります。
典型的なサラリーマンというのは基本的には値切り勝ちすると、「勝った!」って判断するんです。値切って勝ったんだ!って。
ところが事業者になると、「値切り勝ちは無い」ってことを知っちゃうんですね。
でもですね、これは社長自身が悪いわけではありません。勤め人の時代にそういうものを刷り込まれてしまったのだから。
サラリーマンの働き方っていうものが染み込んじゃうので、経験が長ければ長い程、絶対に抜け切らないっていう、悩みがありますよね。
【サラリーマン思考4】資金繰り(キャッシュ・フロー)が理解できていない
結局商売というのは売上から経費を引いて利益を出し、経費よりも売上が大きくなくてはいけない、という単純なゲームです。
どっちが先にお金が出て行くかと言うと、必ず経費が先に出ていきます。経費が先なので、先払いになります。
ところが、先に経費が出て行くっていうことを知らない人達は、業績さえ上がれば自分たちは裕福になれるんだ、と思っているケースが圧倒的に多いんです。
業績が上がっているときだって、経費は常に先に払うわけですから、お金はいっつもキツいんです。
これも知らない経営者の方が、「うちはこんなに業績が伸びているのに、なんでこんなに資金繰りがきついんだ」っておっしゃるワケです。
サラリーマンの思考から離れられない人は、資金繰りがキツくなるっていうことがよく理解出来ていないですね。
【サラリーマン思考5】自分の人生を自分で決めてきた場数が少ない
商売の才能が有るか、無いかっていうときに、我々が判断する基準が1つあります。
社長の仕事は多くが『決めること』なんです。
先程の経費の払い方にしたって、全て決めるんですよ。自分の判断で、パッと決断する。
皆が反対しようが、「これにはお金かけなきゃ駄目なんだ」という感じで、こういう決断をするのが社長の仕事なんですね。
ですから、自分の人生もなんとな〜く流されて決めた人ではなく、自分でこういう風になりたいんだ!って思って決めてやってきた人の方が、やっぱり商売は上手いですね。
サラリーマンの時にモヤモヤしながらやっていた人達。
「会社に籍を置いてもつまらないし、何か自分で始められたら良いんだけれどな〜…」っていう人達は意外と自分の人生、本気で自分で決めたい人なんですよ。
ですから、人生で初めて自分で決めた事が、「まず会社を辞める事だった」っていう方も多いですね。
決断能力は、場数が多ければ多いほど高まりますが、サラリーマン思考が抜け切れない人は、ここらへんでつまづいているケースが散見されます。
部長の決済仰いだり、稟議通したり、という上の人間に判断を仰ぐ世界に慣れすぎたのですね。
安物買いや値切りがサラリーマン思考な理由
さて、先ほど「相見積もりを取って安い方を選択する癖がある」「値切り勝ちが無いことを知らない」という、サラリーマン思考に触れました。
もし理解されていない方がいらっしゃったら?ということを踏まえて、その理由を説明します。
サラリーマン思考を変えないと、絶対儲からないっていうのは、サラリーマン思考のままでいる限り、永遠に先払いである経費を減らそうとするんです。
サラリーマン思考と万年赤字社長思考は似ている
サラリーマン思考の方とそっくりなのが、万年赤字社長。
とにかく経費、先払いである経費をどうやって安くしようか、こればっかり考えてしまうんですね。
ところが、この経費をいくらかけようと、後から入ってくる売上の方が大きければ、必ず利益は出るんですよ。
ですから、商売を見るときに我々は、売上はあんまり見ずに、どういう風なお金の使い方をする人なのかを見ます。
お金はもちろん掛かります。広告も採用も教育も、すっごくお金はかかる。
経営者思考への転換を
黒字社長というのは、「広告・採用・教育の3つにお金を払う価値以上に売上が入ってくれば、それでオッケー」という、合理的な思考回路を持っているのです。
ですから、安い物を買ったり、値段を叩いたりしないんですよ。
相見積もりをとって、安い方を選択するなんて万年赤字社長の思考であって、黒字社長はそんなこと一切しません。
比較検討とか一切せずに、質の良いモノへお金を支払うのが黒字社長の特徴ですから、それがサラリーマン思考との違いとして表れてくるものですね。
経営者の思考を手に入れたら後は実行するのみ
このサラリーマン思考を抜いていくには、だいたい半年は必ずかかります。
もし、そのような気付きを得たなら、あとは経営者の思考で、バリバリ決断を下して行くだけです。