内部統制に対応して勤怠管理を行う場合には、コンプライアンスとコンプライアンス体制の、二つの側面から考えていく必要があります。具体的には「労働関連法令が遵守されているかどうか」と「決裁権限の明確化と情報へのアクセスコントロール」ができているか?という側面です。外部からの意見を取り入れ、決済権を持つ部門が効率化しているかで、成果は大きく変わります。
勤怠管理はコンプライアンスの対応と体制が鍵
内部統制に対応して勤怠管理を行う場合には、コンプライアンスとコンプライアンス体制の、二つの側面から考えていく必要があります。
前者は「労働関連法令に遵守しているか」、後者は「決裁権限の明確化と情報へのアクセスコントロール」になります。
以下、考えていきましょう。
コンプライアンス対応と体制とは具体的に何?
勤怠を管理する場合は、人事の業務において、コンプライアンスが守られているかどうかがカギになります。
わかりやすく言うと、「労働関連法令が遵守されているかどうか」ということです。
労働時間の中でも、所定の労働時間と時間外の労働時間の管理が、法に則りしっかりと遵守されている必要があります。
一方でそれを管理していく体制作りは、決裁権限が明確になった体制であること、情報へのアクセスがコントロールされていることが必要になります。
勤怠は給与システムと密接に連携しているので、決裁権限が明確になっていないと管理できません。
そのため勤怠のチェックができる人材と、給与を知る人材を限定するといった取り決めは必要です。
人事部全員が社員の給与を閲覧できるようにするのか、特定社員だけに限定するのかは、非常に機微な個人情報なので会社が決定します。
経営上の労務関係リスクは高まる傾向に
このようなコンプライアンスと体制作りは、会社の人事担当部署や経営上層部だけで決めるのは、得策とは言えません。
特に、勤怠関連のコンプライアンス対応に関しては、社会保険労務士とよく相談する必要があります。
現在ではおそらく多くの会社で、タイムカードに代わって、内部統制のために勤怠管理のシステムが導入されていますが、システム導入で終わってしまわないことがポイントです。
システム運営により、バックオフィスのコスト削減と勤怠管理の効率化が、達成されている必要があります。
運用をうまく継続し、社内に勤怠管理方法が浸透するまで、管理職研修を継続して行い、定着化の努力を続けることが大切です。