今や英語はもちろん、海外の新興国へ赴く方は、その土地の言語で会話を迫られる場合が多いと思います。筆者の佐藤先生は、若い時に全くドイツ語が出来ない状況から、お金を使わずに会話レベルのドイツ語を1年で習得され、留学を大いに楽しまれました。その方法とは「1日1慣用句を覚えることを1年続ける」というものです。なぜこれで習得できるのか?解説していただきました。
全くドイツ語が出来ない人がドイツに留学した
私は20代後半に西ドイツの専門学校とハンブルク大学に聴講生として留学しました。
留学が決まったのは良いものの、語学学校に入るお金が勿体なかったので、週二回NHKのラジオとテレビのドイツ語講座を聞いて録音して独学しました。
ラジオ放送は6時だったので、朝起きだけがきつかったですが、何しろ無料でしたから頑張れました。
今や英語はもちろん、海外の新興国へビジネスで赴く方は、その土地の言語で会話を迫られる場合が多いと思います。
そこで今日は、ドイツ語を全く話せなかった私が、どのようにお金をかけないで、1年でドイツ語を習得したかをお話します。
どの言語を学ぶ上でも「要点さえ抑えれば会話はできるようになる」ということが、伝わればと思います。
1日1つの慣用文を覚えれば1年で言葉は話せる
この留学前に、NHKのドイツ語講座を見る以外で私が行ったことは、1日で慣用文を1文だけ暗記することを、1年間続けたことです。
こうすると、1年間で365のアイテムを覚えることになります。
覚える際は、自分の仕事や学業に関係のある単語を調べて取り入れて、出来れば100回発声していました。
覚える順番は、会話で最も頻繁に使われるであろう慣用文から、365日続けて覚えていくといった具合にです。
例えば、1日目は「ich möchte~(わたしは~が欲しい(~したい))」を100回発声するのですが、自分の仕事や学術に関わる単語を先に調べておき、~の部分に入れて発声します。
単語を覚えたら他の単語に変えます。1日1文で、365の多言語に関する慣用句が使えるようになります。
365しか覚えられないの?と思われる方もいるかもしれません。しかし365も覚えておくと、殆どの会話が通じるようになります。
例えば、英語とドイツ語は、大きな文法的なものや、単語もゲルマン民族から派出したために似ているのですが、ドイツ人が日本人気質と似ているといっても、会話は「ヤー オーダー ナイン?」(イエス オア ノー?)とよく聞かれます。
謙譲の思いやりは会話には不用ということですから、文法も単純で、日本語よりも簡単に習得できるのです。
従って私は、自分が端的に表現したい言葉を覚えて話すことだけに集中し、あちらでの会話にも困ること無く、無事に留学を終えて帰国出来たのです。
わからない言葉は「わからない」と主張する
現地に行き、実践に移った後になっても、相手の話が判らなければ、「ゆっくり話して!」や「もう一回言って!」と、何度も堂々とリクエストして良いのです。
主体性を持って自分の主張をするのは、相手にとっても当たり前のことですから、問題ありません。
意外と単純かもしれませんが、私はこれでドイツでの勉学を、大いに楽しむことができました。