合理的な説得VSインスピレーションへの訴求 部下が動くのはどっち?

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部下を動かすにはどうしたら良いのだろう?

どうも皆さん、こんにちは。脳科学教育コンサルタントのクロスです。

経営者やマネージャーの悩みの一つに、「自分達の部下を動かすにはどうすればいいんだろう?」というものがあります。

人の動かし方は千差万別です。

コンサル型、トップダウン、インスピレーション提示、合理的データ・理詰めによる説明、色んな方法があります。

ちなみに、以下の本では人の動かし方を9種類に分けて比較し、人が最も動く、反発が少なかった、あるいはコミットメントが高かったのはどの手法?といったことをまとめています。

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9種類のうち今日は、『合理的な説得』と『インスピレーションへの訴求』に着目してお話しようと思います。

合理的な説得とインスピレーションへの訴求

まず一つ目の、合理的な説得によって人を動かす手法から説明します。

合理的な説得って何?という事なんですが、要は理詰めで説明したり、データを使って説明する方法ですね。

「グラフ・数字・過去の様々なデータ」を総合してわかりやすく伝え、相手に頭で理解してもらいます。

結論では、「~だから、これをするのが一番賢いでしょう」とプレゼンします。

この方法は、割と理屈好きな人だったり、こだわりの強い人であったり、完璧主義な人が使う説得手法です。

完璧主義で失敗を嫌う人が取りがちな手法なので、入念な準備を行いますが、実は臨機応変な対応が苦手だったりします。

パニクると「こんなのやってない」「想定の範囲外だ」というふうになりがちです。

また、理詰めで冷静であるものの、どこか冷たい印象を受ける部分があります。

こういう形で人を動かそうとする人は確かに有能ですが、実はある程度の壁にぶち当たると、その壁を乗り越えるのが難しくなってしまいます。

対して二つ目の手法は、インスピレーションへの訴求によって人を動かす方法です。

この方法は簡単に言うと、コーチングによって人を動かす手法です。

「これだったら素晴らしいって思わない?」「これって楽しいよね」「これが俺達らしさだよね」というように、ビジョンだったり、ワクワク感、未来に対する展望を共有するスタイルで人を動かす手法です。

インスピレーションへの訴求に社員の9割がコミットメント

では、この二つの手法にはどれだけ差があるのでしょうか?

以下のデータを見てください。

節約社長

濃いブルーで示されるcommitmentは、自分のやりたいことを情熱的にやれる、モチベーションの高い状態を表します。

中間色の青で示されるcomplianceは、とりあえず言われた通りやるかぐらいの気持ちを表します。

一番薄い青はresistanceで、反抗的な気持ちを表します。

そして、左横の英語で表されているのは人を動かす9つのアプローチ手法です。

下から4番目に「Rational persuasion(合理的な説得)」というアプローチ手法がありますよね。濃いブルーが23、その次に中間のブルーが30、最後薄いブルーが47とありますよね。

つまり、およそ50%の社員が合理的な説得に反抗してるんですよね。

一方で一番上にあるInspiration appeals(インスピレーションへの訴求)によって人を動かすアプローチ手法はどうかというと、およそ9割が濃いブルー、つまり社員の9割が、上司のマネジメントに対してコミットメントしています。

90%の人のモチベーションが高くなって、残り10%も「わかりましたよ-」という状態になっていると。

とても興味深いのが、マネジメントに対して反抗的な人が一人もいないというところです。

もちろん、もっとデータ数が増えれば、実際は例えば8対1対1かもしれませんし、それはわかりませんが、それでもこのデータから何がわかるのかというとRational persuasion(合理的な説得)と Inspiration appeals(インスピレーションへの訴求)でいうと、やっぱりInspiration appeals(インスピレーションへの訴求)のほうが人は圧倒的に動くという事ですね。

半数以上の上司は合理的な説得を選択している

では、実際に上司がどんな方法で人を動かそうとしているのかについてのデータも見てみましょう。

節約社長

また先程の9種類のアプローチ手法を並べているんですけど、よく使われてる手法から順に並べています。

上が最も使われていて、一番下がほとんど使われてないものです。

じゃあ、51%の中間管理職・マネージャー・上司はどんな手法を使っているのかというと、Rational persuasion(合理的な説得)なんですよ。

2人に1人は冷ややかな印象を与える方法で部下達を動かそうとしてるんですね。

一方でInspiration appeals(インスピレーションへの訴求)で人を動かそうとしている上司はなんと2%しかいません。

100人の上司のうち、たった2人しか、ビジョンの共有だったり、「この方が俺達らしくないかい?」みたいにコーチング的な要素を使って部下達を動かそうとしていないんですね。

効果の薄い合理的な説得を2人に1人の上司が使っているのに対して、効果の高いインスピレーションの訴求によって人を動かそうとする上司は100人に2人しかいないんです。

これって凄い不合理なことですよねー。

社員がハッピーで生産性の高い状態を作るには?

他にも面白いデータがあります。

節約社長

左側のHighly commitment emplayeesは、部下がどれだけ仕事にコミットしてくれたかを示します。

モチベーションが非常に高まって行動してくれた事なんですが、これ3つの棒がありますよね。18.28.41というふうに分かれています。

これどういう事かというと、18というのは「いまいちな方法でコントロールをされた従業員達」を示します。

何か抑圧的な方法、命令の多いようなブラック企業的な会社だった場合は、この下位 Bottom third、つまり下位3分の1のこのグラフの中に入ってしまうと。

一方でTop third のモチベーションが高まった上位3分の1というのは、とても風通しのいい抑圧的ではないコーチング的な文化を持った企業で勤めている従業員達です。

18と41とでどれだけの差があるかというと、146%の差があると。

つまり抑圧的な文化で働いている人達というのは、とても風通しが良い文化で働いている社員よりもやはりモチベーションがかなり低くて、およそ2.5倍近くの開きがあるんですね。

その次Satisfied emplayeesは従業員の満足度の高さを表すグラフです。ここでも風通しのいい企業は、風通しの悪い企業と比べて、従業員の満足度が83%高いことがわかっています。

その次、今度は Positive work group productivityは生産性を表します。

上位3分の1が82に対して下位3分の1が55ですね。おおよそ49%ほどの開きがあるという事が言えます。

ここからわかるのは、社員が最もハッピーで生産性の高い状態となれるのは、インスピレーションに訴えかけるようなアプローチをしてくれて、夢を共有してワクワク出来るようなゴールを設定した企業ということです。

こうやって比較してみると、合理的な説得とインスピレーションへの訴求、どちらで部下を動かしたほうが良いか、もうわかりますよね?

 
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Jamahl Cross

Jamahl Cross

Founder & Co-Director
一般社団法人脳科学幼児教育研究協会 理事

​認知神経科学、脳リハビリ、発達精神病理学、進化心理学、発達障碍改善、認知行動療法など様々な分野を学び、実践を通じて統合する。独自の方法論に基づいた脳機能向上方法を編み出す。

企業脳科学、行動経済学、認知心理学によって解き明かされた非常識な企業成長法を提供。伸び悩んでいる企業を『平均利益率756倍の企業文化』へと変え、パフォーマンスを高めるなど数々の実績を持つ。

・社員のやる気を出させるのに苦労する
・昇給の効果に限界を感じている
・グループの能力を活かせずにいる
​・目標が現状維持になっている
・批判しあう割には前進していない
・暴言や八つ当たりが目立つようになった
・ネガティブ思考が風邪のように流行っている

これらの問題は、それぞれ科学的なデータによって原因の特定、予測、予防が可能です。

数千に及ぶ論文を元に、経験のみに頼らないエビデンスベースドアプローチのリーダー育成を目指します。

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