自分の命とひきかえに武将たちが戦争を繰り広げた戦国時代は、経営者の心を惹きつけてやみません。
特に、戦国最強の武将と言われる武田信玄は、武田二十四将という有能な部下達を抱え、多くの戦を勝ち抜き、天下にその名を轟かせました。
本稿ではキミアキ先生が、武田信玄式経営の極意について解説してくださいます。
命と引き換えに知恵を巡らせ戦った武田信玄
今日は「戦国武将である武田信玄公のやり方を現代に応用した経営をやってみたい〜」という社長さん方のためにお話しようと思います。
戦争の歴史といいますか、そういうものを重んじる社長さんって多いんですね。
人が自分の命とひきかえに戦うときに、どれだけ知恵を巡らせて戦ったかとか、そういう話が皆さん好きなんでね。
特に、武田信玄公は戦国最強といわれている武将でございます。
「武田二十四将」と言われるくらい素晴らしい部下を抱えて、どういう教育をしていたのかって、とても気になりますよね。
色々ね、武田信玄公が「言った」といわれていることがあるんですけれど、もちろん400年以上前に亡くなっている方ですし、書かれているものについても、だいぶ後になって書かれたものも多くて…
だから、本人が言ったかどうかは…もう関係無いです(笑)。
研修講師としましては「武田信玄公が言った」ということにしておいた方が、非常に授業がやりやすいんです(笑)。
一生懸命だと、知恵が出る。中途半端だと、愚痴が出る。いい加減だと、言い訳が出る。
それでね(笑)、これが1番使いやすいです。
一生懸命だと、知恵が出る
中途半端だと、愚痴が出る
いい加減だと、言い訳が出る
もう〜、こういうこと壁に貼りたがる社長にぴったりですよね〜。
「ちょっと!タナカさん!これどこの土産物屋に売ってるのよ!俺すぐ取り寄せるからっ!」みたいな感じでね。
この言葉には、実は ”前”と”後”があります。
それも「武田信玄公が言った」といわれています。
この前の部分というのは、
実力の差は努力の差
うん、すごいことおっしゃいますね。
実績の差は責任感の差
実績出せないやつは「お前責任感持ってやってねぇんだよ!」みたいなね。
人格の差は苦労の差
うん…、苦労ばかりしている我々は、きっと素晴らしい人格になるんでしょう(笑)。
判断力の差は情報の差
偏った情報だけで判断をすると、大体は間違えるんですね。ちゃんともっと大きな面で判断しなければいけないってね。
こういうことが前座にかかれております。
そして、先程の言葉を挟んで、この後に書かれているのは、
本気でするから大抵のことはできる
本気でするから何でも面白い
本気でしているから誰かが助けてくれる
こういう形で締めくくってあります。ね?武田信玄公が「言った」とすると、重みが違うわけですよね。
特に前座の部分の「実力の差は努力の差」は、実は武田信玄公は色々言ったといわれているんですけれど、小さな、些細な努力もどんどん毎日毎日続けていこう、その小さな努力を続けていけば本当に大きな差に繋がる、っていうようなことも沢山言っているわけですよ。
例えば教訓とかね。
1日1つの教訓を得ていけば、1年で360の教訓を得ることができるじゃないかと。そういう日々の小さな積み重ねこそが大事なんだよ、みたいなことですね。
信玄の幹部教育“人は石垣、人は城、人は堀”
それから、幹部教育について1番感じるのは、幹部たちにね、とにかくまず頭を使えと言って、色々勉強させるんですね。
ですから、そういう点に関してやっぱり元々は孫子の兵法を学んでいた方だったので、かなり孫子に近い形でやっていったんじゃないかなとも、いわれています。
あとは有名な言葉ですね。「人は石垣」の話です。
人は石垣、人は城、人は堀、情けは味方、仇は敵なり。
これは、信玄公は敵に対しては非情であったので、あくまでこれは、幹部を始め、自分たちの従業員に向けて言った言葉ではないかといわれています。
お前たちは石垣なんだぞ、お前たちは城なんだぞ、お前たちは堀なんだ、お前たちがこうやって敵から守ってくれるんだ。
お前たち同士でも情けをかけ合えよ、俺もお前たちには情けをかけるから。
お前たちがやってくれたことに対して、恩を仇で返すようなことは俺は絶対にしないぜ!みたいなね。
そういう社長だと思えばすんなり入ってくると思うんです。
そのくらい、これは逆に身内に言ったとしか言えないくらい、信玄公は敵に対しては非情ですからね。
も〜う、騙し討なんて腐るほどやっていますから(笑)!
ですから、これは味方に対するコミットメント、いわゆる公約のような感じで言ったことではないかといわれております。
武田信玄の経営法は現代の採用と教育に通ずる
それから、信玄公はリーダーたるものは、人を見分ける能力をまず持たなければならない、そしてその能力に見合った形で、適材適所、これは今は当たり前ですね、こういうことをしっかりやっていくことが大事であると。そう説きました。
あとは、先程も言ったように、本当に小さな積み重ねが大事であって、あとはとにかくお前ら頭を使えと、ただこの頭を使うことに関しては、やっぱりすごくきちんと教育をしています。
じゃあ、信玄公がどこで教育に力を入れたかって、もちろん命がけでやる「戦」においてです。
戦のときに、やるべきこと、やってはいけないこと、徹底して思想教育から完璧にしています。
そういうことを考えると、戦国最強の軍団を作り得たのも、結局は「教育」なんだなぁ〜、という結論に行き着くわけです。
中小企業が弱い3つのこと。
広告・採用・教育の、採用と教育の部分について、信玄公の「言った」といわれる格言は、非常に参考になるのではないかと思います。