スマホの普及によって、これまで空いていたもの、無駄になっていたものに価値を生む仕組みが次々とインターネット上で生まれています。これら「シェアリングエコノミー」を具現化したビジネスは今や法律を動かし、個人用途みならず業務でも積極的に活用される機会が増え、社会にとって欠かせないインフラとなりつつあります。
法律を動かした「民泊」シェアリングサービスAirBnB
こんにちは。マーケティングコンサルタントの松尾です。
スマホの普及によっていつでもどこでも、ほぼリアルタイムにインターネットにアクセスできるようになった今、これまで空いていたもの、無駄になっていたものに価値を生む仕組みが次々とインターネット上で生まれていますね。
いわゆる「シェアリングエコノミー」を具現化したビジネスのことです。
たとえばAirbnb。子供が自立したために空いてしまった部屋、あるいは資産形成の一環として購入したマンションの一室、年に数回しか利用しない別荘などを手頃な値段で貸し出すことのできる仕組みですね。
最近は「民泊」と呼ばれ、急増する訪日観光客によってホテル不足が心配される中、良い受け皿となることが期待されています。
実際に彼らの台頭により、一般の人が都道府県知事に届出を提出するだけで民泊サービスを提供できる住宅宿泊事業法案の施行も今年の春に閣議決定されました。
個人のみならず法人も活用しはじめたAkippa
また、会社や自宅の駐車スペースの空き時間を貸し出す「Akippa(アキッパ)」も面白い仕組みです。
個人利用だと、例えばスポーツ施設にプロ野球やサッカーを見に行くとき、車だと、駐車場がいっぱいで入れなかったらどうしようと心配ですが、Akippaのアプリで検索して、徒歩圏内の駐車スペースを予約しておけば一安心。施設の駐車場の出入りの混雑で時間をロスする可能性もないかもしれません。
また、業務のためにAkippaを利用するケースも増えています。このところ駐車違反の取り締まりが厳しくなっており、配送車を停める場所が見つからず困っていた運転手さんにとって、Akippaを利用することで適切な駐車場所を確保できるのは大変ありがたいことです。
神社までクロークにしてしまうエクボの取組み
さて、もうひとつ私が注目している、空いていたものから価値を生み出す仕組みがあります。それは「エクボ」という荷物一時預かりサービス。
旅行先でスーツケースなどの荷物を預ける場合、これまでは、駅構内のコインロッカーや荷物預り所を利用するしかありませんでした。しかし、大阪や京都のような人気観光地だとコインロッカーが全部ふさがっていたり、荷物預り所がどこにあるかわからず、途方にくれた人も多いと思います。
「エクボ」は、こうした「荷物預け先」の不足の問題を解消すべく、カフェやカラオケ店、美容室など街中の様々な店舗の空きスペースを貸し出せるサービスを開始したというわけです。これら、荷物を預かる契約店舗を「エクボクローク」と呼んでいますが、お店だけでなく、神社なども契約しているようです。
エクボクロークは、小さな荷物で1日300円~、大きな荷物は600円の利用料を徴収、その半分が置き場所を提供している店舗の取り分です。店舗側としては、遊休スペースから新たな収益が生み出されるわけですから大喜び。
利用する側も重い荷物を預かってくて大助かり。双方にとってWin-Winの取引ですね。というわけで、現在は大都市中心に、登録店舗数が1000店舗を超えています。最近は、登録店舗を増やすための営業を代行してくれるパートナー企業を募る「代理店戦略」を採用することで全国展開を加速させています。
「エクボ」のサービスも、これから2020年の東京オリンピックに向けて増加していく訪日観光客(でかい荷物持ってること多いですね)にとってありがたいサービスとなりそうです。
今後も、使われていないもの、無駄になっているものから価値を生み出すビジネスはますます台頭していくのではないでしょうか。