ブリッジワークの高橋です。
「マーケティングがうまくいかない…」や「広告を出しても見てもらえない…」といった悩みを抱えていませんか?
実はマーケティングにおいてコピーライティングが、お客さまを引き付ける重要な役割を果たしています。
今回は、「コピーライティングとは?といった本質の部分と、事例をもとに”読んでもらうため”のコピーライティングのコツ」を解説したいと思います。
コピーライティングとは
まずはコピーライティングの本質についてお話したいと思います。
コピーライティングはとは、買い手であるお客さまや見込み客を主役に転換し商品を売るためのスキルです。
以下の2点について詳しく解説していきます。
- コピーライティングは文章術ではなく売るスキルである
- コピーライティングは主語を転換するスキルである
それでは1つずつ見ていきましょう。
コピーライティングは文章術ではなく売るスキルである
コピーライティングというと、書くというイメージが大きいですよね。なので「文章を書くのが苦手です」という方がすごく多いです。
しかし、コピーライティングは売るスキルであって、文章を書くスキルではありません。
実際に日本で活躍されているコピーライターの方だと、神田昌典さんと一緒に活動されることが多い中野功さんは積水ハウスの設計をされた方ですし、ダイレクト出版取締役の寺本さんというセールスライターの方はシステムエンジニアです。
どちらも設計、物事を組み立てるお仕事の方です。
海外に目をやると、惜しくも亡くなられたダン・ケネディや、現代広告の父といわれるデビッド・オグルヴィはどちらもすごく優れたセールスライター、コピーライターですが、2人とも文学少年という感じは全然しませんし、共通しているのは2人とも訪問販売のセールスをしていたということです。
どちらかというと「売るためには、どういう構成で、どういう順番で、何を伝えるか」という、売るための文章を設計するイメージだと思います。
小説家になるわけではないので、うまい文章とか巧みな文章は、コピーライティングには全然必要ありません。
コピーライティングは主語を転換するスキルである
少し分かりにくいかもしれませんが、多くの人が売るために文章を書いてくださいと言うと、「この商品は…」とか「私たちは…」のように、売り手が主役になっています。
売り手が中心の文章というのは単なるスペックです。
「この商品の重量は512gで超軽量です」というのと変わりません。
コピーライティングは、この主語を、読んでいるお客様や見込み客を主語にして伝えるテクニックなのです。
例えば、「この商品は512gで超軽量です」という文章があったとしたら、「この商品は512グラムの超軽量、持ち運びが便利だからあなたは外出がとっても楽しくなります」とします。
これがセールスのメッセージです。
自分たちが伝えたいことを全て「あなたは…」と変えてみると、コピーライティングのトレーニングになると思います。
今あなたが使っている広告を取り出して、主語が誰になっているか見てください。
史上初の職業コピーライター ジョン・ E ・パワーズのメッセージ
正しいことを貫く。これはビジネスにおいてとっても重要なことですよね。
それを教えてくれるのが、世界で初めての職業コピーライターと呼ばれているジョン・ E ・パワーズなんです。ちなみに、コピーライティングというのが職業として初めて認知されたのは1800年代後半のことです。
ジョン・ E ・パワーズは、広告を担当して、とあるデパートの売上を2倍にしたことで一躍有名になりますが、他にも多くの逸話を持っている人です。
そんな、ジョン・ E ・パワーズが、僕たちに「広告においては、これ絶対に守ってよ」という貴重な言葉を残してくれています。
これを広告の3原則といいます。
広告の3原則
コピーライティングでは以下の3つのポイントを意識してみてください。
- 広告は刺激的でなければいけない
- 広告は真実を伝えなければいけない
- 真実が伝えられないならば現状を改善しなくてはいけない
1つ目の原則「広告は刺激的でなければいけない」というのはわかりますよね。
広告が刺激的、つまりインパクトがあって目立つことがなければ、沢山の広告の中に埋もれてしまいます。
広告が読まれることがない訳だから、商品も売れません。
問題は2つ目と3つ目の原則です。
広告は真実を伝えなければならず、真実が伝えられないのであれば現状を改善しなければならないということです。
実際、ジョン・ E ・パワーズは「この商品では真実を伝えることができません。」と言って、高額な報酬の仕事を自ら降りたという逸話も残されています。
僕たちはどうしても、広告で商品をよく見せたりしちゃいますよね。だから、ちょっとオーバーにメリットを伝えたり、時には煽るような文章を書いてしまうことがあります。
でも、そんなことをやってもお客さんには見透かされてしまい、結局売れないということになります。
一時的にお客さまを集めることができても、継続的に安定してビジネスを成長させることはできないんですよね。
つまり、「自信を持って真実で勝負できる商品を扱いなさい」それができないのであれば「商品を改善して堂々と真実で勝負できる商品にしなさい」と言っているわけです。
コピーライティングの参考例と失敗事例
ここでは、間違ったコピーライティングをしないように、参考例と失敗事例を見ながら解説したいと思います。
そのうえで「社会的証明」というのがかかわってきますので先に解説しますね。
社会的証明
広告でも「質の高いお客様の声」を告知すると、反応率は上がり売上も増えます。なぜなら、多数のお客様の声が社会的証明になるからなんですね。
この「社会的証明」という心理的トリガーはとても強力で、コピーライティングをするうえで必ず意識しておかなければなりません。
それでは、ここからコピーライティングの参考例と失敗事例を紹介していきます。
参考例①:通販番組のお問い合わせ
例えば通販番組で、
B:「電話がかかりづらい恐れがあります。何度も何度も繰り返しお電話ください。」
と告知した場合、どちらが売上につながると思いますか?
実はBの方が圧倒的に売れるんですよ。
これ、よくよく考えたらおかしいですよね。
だって、「今電話かけてくれれば、すぐ繋がって申し込み出来ますよ」って言ってるAパターンのほうが、お客様にとっては快適かつ便利なはずです。
対して、Bの「電話がかかりづらい恐れがあります」「その場合は何度も繰り返し電話してくださいね」というアナウンスだと、普通はお客様が不便に感じるはずです。
それでもBのほうが売れます。
なぜかと言うと、お客様は「あっ、そっか。電話がかかりづらくなるぐらい、この商品はみんな人気ある商品なんだな」と思ってくれるからなんです。
参考例②:限定商品の売り方
社会的証明の原理を応用して使うとしたら、商品の掲示POPに「お一人様4個限りです!」と書いてみると、多くの方が4個まとめて買ってくれたりします。
もちろん、日頃売れてる人気の商品じゃなきゃ駄目ですよ。
全然人気の無いガラクタ商品に、「お一人様4個限りです!」なんてやっても、その効果は発揮されません。いつも売れている商品だからこそ、「あっ、これ今買っとかなきゃ品切れしちゃうんじゃない?」と思ってくれるのです。
失敗事例①:国立公園の禁止事項の看板
アメリカのアリゾナ州に、化石の森国立公園という公園があります。
「化石の森」と言うぐらいだから、売り物は化石なのですが、その化石を持って帰ってしまう人が多くて公園側は困っていたわけです。
そこで、化石の森国立公園はこのような大きな看板を出しました。
では、この看板を出して実際に化石を持ち帰る人が減ったかというと、なんと3倍に増えちゃったらしいんですよ。
「あっ、なんだ、みんな持って帰ってるんだったらいいじゃん。」と思って持って帰る人が3倍になってしまったんですね。
「社会的証明」が逆に効果を発揮してしまい、ネガティブな行動を促進するほうに使われちゃったからなんです。
これと同じパターンで、よくあるケースもう1つ紹介しますね。
失敗事例②:病院のキャンセルに関するポスター
とある病院の掲示板にこんなポスターが貼ってありました。
内容見ると「なるほどな。気持ちはわかるよ」という内容ですが、先ほどの国立公園の例を思い出してください。
これも、「社会的証明」が逆に効果を発揮してしまうことが考えられますよね。
これに対する適切なコピーライティングをするなら、以下のような書き方をしてみてください。
こうすることで、「あっ、みんな時間通りに来てるんだな。自分もそうしないと駄目だな。」と社会的証明がプラスに作用します。
僕達はどうしても注意喚起をしがちになってしまいますが、言葉一つでプラスにもマイナスにも動くことを把握してください。
コピーライティングをする上では、この「社会的証明」を間違えずに使うよう気をつけていきましょう!
コピーライティングのコツ
僕達はマーケティングを行う上で、常に3つの敵と戦うことを強いられています。
3つの敵とは、読まない・信用しない・行動しないです。
この中で特に厄介なのが「読まない」です。
何故なら、メッセージを読んでくれなければ何も起きませんよね?
あの億万長者メーカーと呼ばれたダン・ケネディは、マーケティングを機能させるために必要なことをこう伝えています。
「適切なターゲットを選択して、適切なメッセージを適切な方法で届ける事。」
これは、「メッセージを届けることが出来なかったら、マーケティングって機能しないぜ」と警告してるわけですね。
広告というのは、手に取ってもらっても必ず読んでもらえるわけではありません。このことを多くの広告・マーケティングで忘れてしまっています。
だから、”読ませる”という工夫が全くされていない広告が多いのですが、この”読ませる”ということが一番難しいんです。
ここでは、広告を読んでもらうためのコピーライティングのコツを3つ紹介したいと思います。
- ターゲットが目を背けられない言葉を使う
- 適切に見出しを使う
- 質問を有効に使う
それでは1つずつ解説していきますね。
コツ①:ターゲットが目を背けられない言葉を使う
これはすごい強力です。
例えば、薄い毛髪をカツラを使って隠してる人がいます。
こういう人にとっては、例えば「ヅラ」とか「ハゲ」っていう言葉は、もの凄く感情を揺さぶられる言葉、強い言葉になるわけですよね。
子供の成績に頭を抱えている母親であれば、「落ちこぼれ」という言葉に強く反応してしまうかもしれません。
他の人にとっては普通の言葉にも関わらず、あなたがターゲットにしている見込み客にとっては「ヅラ」「落ちこぼれ」はまるで意味が違います。
強くグサっと心に刺さってしまう言葉です。
これを僕は、課題キーワードと呼んだりします。一般的にはパワーワードなどと呼ばれたりします。
コピーライティングをする上で、まず、このパワーワード・課題キーワードをピックアップしてみてください。
貴方のターゲットが絶対に目を背けられない言葉を広告でデカデカと掲載すると、あなたの見込み客は、その広告から目を背ける事が出来ないし、読まずにはいられなくなります。
コツ②:適切に見出しを使う
前述のとおり、広告というのは残念ながら読まなくてはいけない情報ではありません。
だから、あなたのターゲットや読み手というのは、多少興味を引かれたとしても「最初から一字一句丁寧に読もう」なんてことは、これっぽっちも持ってくれません。
例えば、あなたがWEBサイトで何かのキーワードで検索した場合、最初の方に出てきた記事をさっと流し読みしていませんか?
多くの人はこれをやります。
だから、この流し読みで更に興味を引き立てる、流し読みの中だけでも一定の遡及を出来るようにしておくことが重要なのです。
そして、その役割を担っているのが「見出し」なんです。
コピーライティングのコツとしては、見出しだけを残して他の文章を隠しても一定の訴求が出来るかどうかです。
特にチラシは、相手が探しに来てくれているWEBサイトとは違い、こちらから押し掛けるプッシュ型なので、流し読みで一定の遡及ができるように見出しをつくることが重要になってきます。
コツ③:質問を有効に使う
実は質問には凄く強い力があります。
人は質問されると勝手に脳のスイッチが入り、質問の答えを自然と探そうとしちゃうんですね。
つまり、質問されるとその答えを知りたくなるので、文章の中に引き込んでいく事が出来るわけなんですよね。
質問することで読み手との会話を作る事が出来るわけですね。
事実、定番のヘッドラインというのは、この質問の形をとったものがとても多いんですね。
いくつか例を挙げておきます。
- 貴方はダイエットでこんな間違いしていませんか?
- なぜ崖っぷちのビジネスがたった一晩で復活出来たのか?
- お肌のトラブル、貴方は次の5つの中でどの問題を一番最初に解決したいですか?
- この有効なダイエットを他にも試したい方はいませんか?
こういう定番のヘッドラインには質問の形を使ったものが多いのです。
それはさっきも言ったように、好むと好まざるとに関わらず勝手に脳が反応してしまうからです。
コピーライティングをする上では、上記のような質問系の定番ヘッドラインも活用してみてください!
まとめ:コピーライティングとは
もう文章が苦手とか、書くのが苦手と言っていられる時代ではありません。
昔は自分で放送局を持たない限り、情報発信はできなかったのですが、今では簡単に情報発信ができます。
例えばインスタにしても、フェイスブックにしてもLine@にしても、これだけ情報発信が楽になったことはありません。
この恩恵を最大限に生かすためには、そこで何を伝えるかということです。
最後に”読んでもらう”ためのコピーライティングのコツを整理しておきます。
- ターゲットが目を背けられない言葉を使う
- 適切に見出しを使う
- 質問を有効に使う
マーケティングがうまくいかず悩んだ際は、当記事でコピーライティングについても振り返ってみてください!