商品・サービスを販売する前に、膨大な時間とお金をかけて差別化要因を作ろうとして、これを作れた!と感じる時はとても楽しいものです。しかし、私達が作ったと「感じている」差別化要因は、大抵の場合当たりません。差別化要因は、販売・運営しながら、お客様の声や行動から見つけ出すものだからです。島倉さんの解説です。
自分達で作る差別化要因なんて大間違えです!
今日は、ビジネスの差別化要因は「自分達で作るものではない」というお話をしてみたいと思います。
ビジネスで、自社の商品・サービスが差別化されていることって凄く大切なことですよね。
なぜ、差別化が必要かというと、競合・ライバルとの競争に勝たなければならないからです。
USP(Unique Selling Proposition:独自の売り提案)を作るとか、競争優位性を持つとか、差別化に関するキーワードは私達の周りに沢山存在します。
それで、この差別化というものについて私達は、「自分達で作り出すもの」だと考えがちなのですが、実はこれが多くの企業で間違えの元となっています。
差別化要因はお客様の声と行動から見出すもの
なぜ、自分達で差別化要因を作ることが間違えの元かというと、はっきり言って、自分達が作る差別化要因なんて、だいたいが机上の空論でしかないからです。
商品が売れるためには、差別化要因にお客様のニーズがガッチリとハマる必要があるのですが、自分達が考える差別化要因なんて、殆どの場合はお客様のニーズに合わないものなんです。
そうすると、何が起こるかというと、「売れない」んです。
大抵のケースでは、商品・サービスを販売する前に、膨大な時間とお金をかけて差別化要因を作ろうとして、なんとかこれをアウトプットするんですよ。
でも、売り始めてみると?
みんながみんな「思ったより売れない」って感じるんです。
じゃあ、差別化要因を自分達で作らないならどうするの?ということなんですが、「良い」と思った商品・サービスは、まず早期に販売を開始して、販売・運営しながら、その中で差別化要因を「見つけて」、対応していく必要があるんです。
どういう事かと言うと、商品・サービスを購入してくださるお客様を観察していると、
- ある特定の商品ばかりやたら売れる
- 特定の顧客層ばかりが自分達の商品を購入する
- 思わぬ用途でお客様が購入していた
- 思わぬニーズでお客様が喜びの声を上げてくれた
という現象が必ず起きているはずで、これらこそ、差別化要因のヒントを見つける宝の山になっているのです。
小さく始めて継続的にお客様の声で見出した差別化要因に基づき改良する
つまり、私達が差別化要素とするべきものは、商品やサービスを購入してくれるお客様の発信する声や行動から、「見つけていく」必要があります。
たしかに、自分達があれやこれやと考えるのは楽しいかもしれないし、凄く真剣に時間を割きたいところで、心情的にはわかりますよ。
でも、それではムダが多すぎるし、気がついた頃には市場のニーズとかけ離れた商品・サービスになっていて、取り返しのつかないことになる場合が多いもの。
ビジネスの基本は、常に変わり続けることですよね。
まずは、小さく始めてクルッと回してみましょう。小さくやればリスクなんてないですから。
その後、お客様の行動と声を聴いて、如何にお客様のニーズから差別化要因を見つけ、自分の商品・サービスを継続的に改良していけば良いのです。
つまりは、構想以上に行動が重要、どう差別化すれば良いかはお客様から学ぼうということです。