ファイブフォース分析、SWOT分析、4P分析…これらを身につけ、経営分析したところで、ビジネスの本質が見えることはありませんし、銀行との融資交渉をうまく進められることもありません。チャンスはフレームの外にあり、銀行との融資交渉も自分で経営分析する以前に片がついているからです。
売上3億以下で経営分析を重視している経営者は「愚の骨頂」
今日は「年商3億円以下(売上がまだ小さいという意味)の経営者の方」に限定した話をします。
経営者になると「経営分析」という言葉をよく聞くようになりますよね。
たとえば、経営コンサルタントや税理士の方が経営者とお付き合いし始める時は、経営分析から顧問契約やコンサル契約に入っていく場合があります。
でも、経営分析から入るようなコンサルタントや税理士は、信用しないほうが良いでしょう。
そもそも、経営者の方の中にも、経営分析に時間をかける人がいるんですが、はっきり言って経営センスを疑います。
会社がまだ小さいのに、本を買って経営分析の勉強を真剣にやろうとか思っているなら、止めることを即刻でお勧めします。
ここからは、その理由について説明しましょう。
銀行との融資交渉で経営分析は役に立たない
経営分析をなぜやりたがるのかを考えた場合に、一つの大きな理由として銀行さんとの融資交渉を有利に進めるため、という話があります。
銀行も株式会社で利益をあげることを目的とした組織ですから、融資を申し込むためには、ちゃんと返済できる未来を提示する意味で「事業計画」を作る必要があります。
ところが時間をかけて、これまでの会社を分析して、かっこよく説明したところで、相手にとっては財務の判断材料にもならない。
仮にあなたの会社が大企業で、社員も100名以上いて、会社で何が起きているかわからない、そんな時は分析も必要かもしれません。
しかしながら、3億円以下の会社で、今自分の会社で何が問題になっているかをわからない経営者さん、ってどう思いますか?
相当ダメな経営者ですよね。
むしろ、今どんな課題や問題を抱えているかなんて、みんな言葉にしていないだけで、理解できているはずなんですよ。
コストがかかっているのか?新規の客が取れていないのが問題なのか?人が育っていないのが問題なのか?
皆、ほぼわかっているんです。
融資を有利にすすめるために、経営分析に時間をかけるのは無駄です。
経営分析したフレームの外にチャンスがある
あと、経営分析から入ろうなんていうコンサルタントさんや税理士さんには、ダメ出しから入って良いはずなんです。
優秀な方は「〜な問題があるんだけれど、どうやって解決すればいいと思う?」って、言った時に明確な答えを出せます。
でも、分析好きなコンサルタントさんや税理士さんは、何ヶ月もかけて膨大な資料であなたの会社を分析して、何百万円って言ってきたりします。
大手企業に入っている、某大手コンサルタント事務所の経営分析も見る機会があるんですけれど、これもはっきり言って全く役に立ちません。
在り来りのファイブフォース分析とか、SWOT分析とか、4P分析とか、ひたすら2〜300ページ書いてあるんですけれど、あんなフレームに則った分析やったって本当に使えないんですよ。
フレームって物事を初めておおまかに捉える時には使うかもしれませんけれど、そんなに稼げているわけでもないのにフレームを大切にするようになると、フレームから脱却することが一切できなくなります。
私自身、フレームを使うことは一切お勧めしていません。
なぜかというと、本当に面白いビジネスモデルやアイデアって、必ずフレームの外にあるからです。
売上3億円以下で駆け出しの経営者さんなら、経営分析なんかよりも、ひたすら行動するのみです。