有能なリーダーはたとえ話を効果的に使い人を快く動かす

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 有能なリーダーは、たとえ話の良い使い手です。特に、難解に思える事実や知識を伝える時に、たとえ話を間に挟むことは、赤ちゃんに一度噛み砕いた柔らかい食べ物を与える行為と同じ作用を、聞く側に生み出します。実際に、たとえ話を使うと言葉の印象や理解度がどう変わるか?例を見ながら考えてみましょう。

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有能なリーダーはたとえ話の良い使い手である

 有能なリーダーは、たとえ話の良い使い手です。

 相手のレベルに合わせて、たとえ話を活用することで、その人の心を効果的に前向きな方向へ動かせることを知っているのです。

 特に、難解に思える指示を伝えたり、知識を教える時に、たとえ話を間に挟むことは、赤ちゃんに一度噛み砕いた柔らかい食べ物を与える行為と同じ作用を聞く側に生み出します。

 以下、事例を交えながら見てみましょう。

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たとえ話のある・なしで話の印象は全く変わる

 たとえば、全く知識がない人に対して、心理学の「ボッサードの法則」について、たとえなし、たとえありで説明した場合、どちらが理解しやすいでしょうか?

1)たとえなしで「ボッサードの法則」を説明

  アメリカの心理学者ボッサードが発見した、「男女間の物理的な距離が近いほど心理的な距離は狭まる」ことを説明した法則である。

2)たとえありで「ボッサードの法則」を説明

  毎日会社で顔合わせるカップルが、気心知れて結婚するのはイメージしやすいけど、ネットで知り合った北海道と沖縄のカップルが、気心知れて結婚にたどり着くのって想像しずらいよね。 これがボッサードの法則の言わんとするところ。

 どちらの説明が、パレートの法則について知らない人に理解されやすいかは、一目瞭然でしょう。

 次に、新人の営業マンがはじめてルート営業に向かうことになったとします。事前に情報をつかむことの重要性を伝える時に、たとえなし、たとえありで説明してみましょう。

1)たとえなしで「事前情報を把握する重要性」を説明

  「お客さんが何を求めているかも知らないで訪問しても、絶対に成果は出ないぞ!ちゃんとお客さんが何を求めてるか事前にヒアリングして調べとけよ!」

2)たとえありで「事前情報を把握する重要性」を説明

  「釣りに行く時って、事前にどこが釣れるポイントか調べて釣りに行くじゃん?営業も同じで事前にお客様と会話して情報仕入れとくと、けっこう案件になるんだわ。まだ日程あるからやってみない?」

 新人の営業マンがどちらの言葉で動き出すかは明白ですよね。

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たとえ話を活用して人を動かした最強の人物

 たとえ話を用いると、相手のウィークポイントや落ち度を暗に指摘しながら、自尊心を損なわせること無く、やるべきことを明確に指摘することが可能になります。

 ぜひ、会話する相手に合わせながら、タイミングを見計らい、効果的にたとえ話をしてみませんか?

 最後に話は逸脱しますが、たとえ話で世界を動かした最強の人物がいます。

 それは、新約聖書の主役である、イエス・キリストです。

 あるとき、イエス・キリストは、他者への怒りに震える信者に「それでも許しなさい」と説きましたが、信者は「あと何回許せば良いのですか?」と食い下がりました。

 イエス・キリストの答えは、「たとえば、7の70倍」でした。

 信者はポカンとして、素直に引き下がります。

 許す回数を文字通り490回数えるのは無理ですし、そのぶっ飛んだ「たとえ」から、許さざるを得ないと悟ったからです。

 このようなたとえ話は、聖書の中に数多く散りばめられており、今でもキリスト教を信じる20億の人々にとって行動指針となっています。

 たとえ話の威力って凄いですよね。

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景浦支勝

人事労務管理のエキスパートとして、40年に渡る日本企業の変遷を見てまいりました。

既存の価値観を常に疑いながら、人事労務管理の本質と助成金や補助金制度のオトクな情報をお届けします。

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