消費者契約法にも一定の影響を及ぼす「適格消費者団体」ってどんな団体?

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 「適格消費者団体」とは、不特定多数の消費者の利益を擁護するために、消費者に代わって事業者の不当な行為に対して「差止請求」「被害回復」の訴訟を行うことができる消費者団体です。たとえば、1月末に京都の適格消費者団体がサン・クロレラ販売を最高裁に提訴したことで、今後行なわれる消費者契約法改正審議にも影響が出始めてます。彼らの存在により、政府の消費者保護に対する姿勢は一層強まることが予想されます。

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消費者にかわって不当行為を行う会社を訴える「適格消費者団体」

 さて、今日は気になるトピックとして、発言力を増す「適格消費者団体」が消費者契約法改正へ及ぼす影響についてご紹介します。

 皆さんは、「適格消費者団体」という団体をご存じでしょうか?

 「適格消費者団体」とは、不特定多数の消費者の利益を擁護するために、消費者に代わって事業者の不当な行為に対して「差止請求」「被害回復」の訴訟を行うことができる消費者団体です。

 内閣総理大臣によって認定され、平成28年12月現在で全国に14団体あります。

 参考URL:全国の適格消費者団体一覧

 この団体による差止請求の対象となる不当行為とは、「消費者契約法」「景品表示法」「特定商取引法」「食品表示法」に違反するもので、具体的には、「不当な勧誘」「不当な契約条項」「不当な表示」などがあります。

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サン・クロレラ販売訴訟で適格消費者団体が最高裁にて提訴

 今回、適格消費者団体である「京都消費者契約ネットワーク」による「サン・クロレラ販売訴訟」が、事業者に大きなインパクトを与えています。

 商品名の記載のない健康食品原料に、医薬品のような効果があるとするチラシの広告手法について争われてきた問題で、不特定多数の消費者に向けた広告も、消費者契約法の取消対象となる「勧誘」に該当するという判断が、1月24日に最高裁で示されました。

 参考URL:サン・クロレラ販売株式会社に対するチラシ配布の差止請求訴訟の提起:適格消費者団体 NPO法人京都消費者契約ネットワーク

 参考URL2:平成28年(受)第1050号 クロレラチラシ配布差止等請求事件(平成29年1月24日 第三小法廷判決)

 2016年6月に施行された消費者契約法改正審議では、不特定多数に向けた「広告等」を含める「勧誘」要件の拡大は見送られました。

 悪質な事業者排除のために有効な規制要件を明確にすることができず、意見の一致を見なかったためです。

 しかし、今回の最高裁判断は、現在、消費者委員会・専門調査会で再び行われている同法の改正論議の追い風になりそうです。

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消費者庁長官も最高裁判決を重視〜消費者保護の視点は一層強まる

 今回の最高裁判決を受けて、1月25日の記者会見では、岡村消費者庁長官が以下のように語っています。

最高裁の判決は、大変重要なものと考えておりますので、逐条解説にその内容を盛り込むとともに、現在改定作業中の逐条解説に必要な修正をした上で、広く周知を図ってまいりたいと思います。

そして、判決の内容そのものでございますが、「勧誘」要件の在り方については、現在、内閣府消費者委員会の消費者契約法専門調査会において優先的に検討すべき論点とされており、現在、正に検討が行われているところでございます。

 広告を規制する消費者保護の視点は、一層強まっています。

 事業者側としては、商品を販売するにあたって、なお一層誠実な表示を心がける必要があるでしょう。

Photo via Visualhunt

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久保 京子

株式会社 フィデス 代表取締役社長

広告表示のコンプライアンスや消費者視点の顧客サービスを重視した、ネット通販マーケティングのコンサルティング会社です。

景品表示法や医薬品医療機器等法(旧薬事法)などの広告法務や、顧客満足を高める顧客対応など、ネット通販の「守り」の部分をバックアップします。

広告表示規制が強化される中、違法表記は企業の信用やブランド価値の低下など、致命的な事業リスクになりかねません。
また、拡散力が飛躍的に高まったネット時代のカスタマー対応は、ダイレクトに売り上げとコストに影響を与えます。

カスタマー対応はもとより、広告の違反基準となるのは、サービスの受け手である一般消費者目線です。
常に消費者目線を意識することが、事業のリスクマネジメントの基本となります。

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取得資格
内閣総理大臣及び経済産業大臣事業認定資格 消費生活アドバイザー
※消費者と企業の懸け橋として、企業の消費者志向経営をサポート。
 消費者庁の法執行専門職員(景表法やJAS法などの違反被疑事案の調査補助を行なう)や、
 照会専門職(事業者からの相談対応)の要件となる資格。

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