みなさんこんにちは!
組織活性化プロデューサーの南本です。
私の本業は社労士業務や給与計算といった業務ですが、それとは別に3年前から取り組んでいた民泊事業を、コロナの影響により早期撤退しました。
民泊事業は、総決算で見ると失敗したことになりますが、自分が決断して実行した経験、残ったノウハウや実績は決して無駄ではありません。
今回は、民泊事業の総決算ということで「民泊事業の成果、失ったもの、得たもの」について報告したいと思います。
民泊事業をはじめようと思った経緯
民泊事業をはじめようと思った経緯ですが、もともとは、一戸建てもマンションも含めて、猫と一緒に住める部屋を日本全国に普及したいという思いがあり、その前がかりとしていろんなことを学ぶために民泊を始めたというのが実態です。
民泊事業の成果
私は5軒の宿主として民泊事業をしていました。
東京・両国(3年)黒字
1軒目は東京の両国で3年ぐらいしていました。
この両国の物件は7、8人が泊まれる大きな部屋だったので、外国人の方がオリンピック目的でだいたい100万円くらいの予約が入っていたのですが、全てキャンセルになり5月に撤退しました。
京都(1年)赤字
京都は環境がいいので、外国人もいっぱい来るだろうと思って1年間くらいやりましたが、結局に赤字でかなり前に撤退しました。
沖縄(2年半)トントン
沖縄はコロナの影響を受けないので、沖縄だけ続けようかと思ったのですが、民泊に対する気分が冷めてしまったので、6月に撤退するということになりました。沖縄は収支はトントンです。
札幌(半年)赤字
2019年6月くらいから札幌に進出したのですが、札幌の特殊要件というものを全く勉強しなかったため、全く儲からずに半年くらいで撤退しました。
東京・戸越銀座(半年)赤字
戸越銀座は2019年10月ぐらいから始めたのですが最速で撤退しました。
不動産にはさまざまな種類の賃貸契約書があって、借主からすると営利をむさぼるような管理会社が多くあります。新型コロナの影響があっても賃料を下げないことが問題になっていますが、血も涙もないような人が多いです。
中には、沖縄のように解約は3ヶ月前なのに、大家さんと交渉して2ヶ月で解約させてくれた本当に情の厚い管理会社もあります。
しかし、大体は契約書に書いた通りという感じで、ケツの穴まで根こそぎむしり取っていくような業界だということがわかりました。
民泊事業の地域癖
民泊事業は地域性というか地域の癖がとても強いということがわかりました。
東京・両国(外国人100%+長期宿泊)
両国は外国人が100%で2,3週間という長期間泊まるので、清掃もそれほど入らなくてもいいですし、高くても入ってくれるというニーズがあったので儲かりました。
京都(簡易宿多数+短期+ビジネスホテル競合で赤字体質)
京都は簡易宿所が多く入ってきていて、ビジネスホテルも2000円,3000円ですので、そこと競合してほとんど儲かりませんでした。
今京都の簡易宿所が融資を受けて何千万円とかで建てていますが、ビジネスホテルと競合するため経営は大変だと思います。
沖縄(旅館業+季節要因大+7月8月9月で稼ぐ)
沖縄では旅館業の資格を取ったのですが、季節要因が大きかったです。
沖縄の北部でやっていたので那覇あたりはわかりませんが、7月、8月、9月で年間のほとんどの売り上げを確保しないと、それ以外の季節はほとんど人が来ません。
旨味がほとんどなくトントンでした。
札幌(湯量+季節要因大)
札幌も雪まつりか夏休みの2シーズンしかありません。
そこでうまく需要を取り込めないと、京都と同様に価格競争も大きいです。
また、札幌の民泊は許可が緩いので、1万軒,2万軒と札幌に集中しているため、なかなか物件が見つからなかったり、賃料は安いですが、冬場は暖房料が半端なくトータルの支払いは思ったより多くなるという問題もあります。
東京・戸越銀座(狭い+競合激化)
戸越銀座は両国の半分ぐらいのスペースしかないのに同じくらいの賃料がかかります。
外国人の宿泊料が両国の半分くらいしか行かず、家賃との採算が取れなくて撤退しました。
民泊事業で失ったもの
民泊事業で失ったものは何かというと、これだけです。
資金減少
失ったものは少ないですが、結構インパクトがありますね。
オリンピックが続いてくれればよかったのですが、短期解約の違約金を取られたり、不動産の厳しい契約書に縛り付けられて賃貸契約の厳しさを知らされました。
民泊事業で得たもの
民泊事業で得たものもそれなりにあります。
不動産賃貸契約と転貸借メリット・デメリット知識
沖縄だけは違約金を2か月にしてもらえましたが、他は平気で3か月分取られましたし、不動産には義理人情などありません。
不動産の契約は、撤退するとき、解約するときの条件をしっかり理解しておかなければならないと思います。
旅館業・民泊経営の段取り・ノウハウの取得
また私が、猫を介在にした不動産ビジネスを展開していく際には、旅館業・民泊経営の段取りやノウハウというものを活かしていきたいと思います。
インバウンド頼み事業の脆弱性
インバウンド頼みの事業は危険だと感じました。
日本国家が3000万人、4000万人の外国人を受け入れると言って上り調子の時には、外国人が日本に来なくなる状況は誰も想定しなかったと思います。
早期撤退の実践と失敗・撤退からの学びの多さ
私の場合はコロナ騒ぎが出始めた2月末ぐらいから順次撤退をしていきました。
コロナのワクチンができるまで外国の人は日本に入ってきませんから、インバウンドビジネスである民泊は儲かりません。
日本人はだいたいビジネスホテルや旅館に泊まりますし、生き延びようしてスペース貸しに転換しようとしても家賃では儲かりません。
これを踏まえて、民泊は駄目だと判断して全て撤退しました。
まとめ:民泊事業の総決算
会社とは別に個人で不動産に慣れるために行ったビジネスですが、3年半やった総決算としては、撤退して失敗したということが結論です。
しかし、人脈やノウハウを含めて、不動産に関係して得たものが私の体の中に蓄積されたので、これを新しい賃貸業ビジネスの大家としてやっていく糧になると私は確信しています。