中小企業経営者の多くは経理に対して、「お金を生まない部門」というイメージを抱いています。しかし、キミアキ先生はある能力が経理の人間にあれば、経理部門からお金が生まれると言います。なぜ経理がお金を生まない部門となってしまうのか?という理由に触れながら、今より100万円多く会社に貯める経理について解説してもらいました。
「経理はお金を生まない」は経営者の思い込み!
今日は、中小零細企業の経営者さん方が悩んでらっしゃる、『経理がお金を生まない本当の理由』という問題を、ちょっと掘り下げて解説します。
経理って、なぜか「絶対にお金を生まない」と、そういう風に思われちゃいガチです。
ところが!
私は、経理マンであったり、営業マンであったり、講師やってたり、様々な立場を経験しているので、それを踏まえると全く逆だと言い切れます。
私、自分が経理マンになったら、お金を生む経理マンになれます。
というのも、そもそもなんですけど、中小零細企業の経営者さん達の10人に8人位の方は、もともと経理がよく分かっていないです。
ですから、わからないがゆえに、「どうせ経理はお金を生まない部署なんだ」って思い込んでるだけなんですね。
頼みの綱のはず会計事務所も経営はわからない
この8割の社長さん方に、ご紹介したい本があります。京セラの稲盛和夫さんの著書『稲盛和夫の実学』です。
”会計が分からんで、経営が出来るか!”って帯が付いてますけども、まさにその通りです。
ところが現実問題として、社長さん方はよく経理がわからないものですから、自分の部下に経理を教える事が出来ません。
そうすると、やっぱりどうしても、会計事務所に頼って、会計事務所に「経理の人間へ指導してやって下さい!」って頼むわけです。
ところが、会計事務所も事情がありまして、いわゆる会計事務所の税理士の先生方や、そのアシスタントをしているスタッフさん、全てひっくるめて、半分以上は経営のことなんて全く分からないわけです。
分からないから、どういう指導をするのかというと、結局、税金を計算するための『記録』と『集計』の指導に行き着きます。
でも今は、コンピュータ社会なので、この『記録』っていうのは、コンピュータに正確に入力さえしておけば、あとは1円も間違えずに『集計』してくれるんですよ。
つまり、会計事務所に指導できるのはこの『記録』の部分しか無いので、「今回、この勘定科目はこっちの勘定科目の方にした方が良かったですネ」とか、そういうめちゃくちゃレベルの低い所でしか、指導も出来ないんですよ。
会社さんが大事にしている、売掛金の入金状態の把握についても、経理の人が入金状態から、会社が今何をすべきかまで考えられないので、基本的に経営者へ状態を通知することしかできない。
これではルーチンワークを繰り返すだけで、成長は20代で終了、以後経理の人間がお金を生むことが無くなるわけです。
経理の人間がお金を生み出し始める方法とは?
では、どうすれば経理の人間が、お金を生むことが出来るようになるのでしょうか?
実際は男性の経理マンであれば、30代にもなれば、『先読みの経理』が出来ないと仕事が無いんですよ。
『先読みの経理』のできる人間は、予算組みと資金繰りが出来ます。これを経理の人間ができるようになれば、その人材は会社にお金を生み出すようになります。
この予算の組み方も中小零細企業は、基本的に5万単位のところもあるし、10万単位もあると。
大企業だったら100万単位でどんどん予算組んでいって、売上予算いくら、経費予算いくら、利益予算いくら、そして資金繰りも一緒に組んでいきますから、確実に資金ショートせず、進められるようになる必要があります。
ここら辺まで出来るようになると、初めて社長の腹心みたいになれます。
社長は経理をよく分からないから、経理をちゃんと分かって、先読み出来る人が本当に貴重なのです。
ところが、ここまで出来る人が、中小零細企業に限っては、ホンットに少ないです!
うちの顧問先様100社位有りますけれども、その中でこれくらいまでキチッと出来る人といったらですね、本当数人です。数人。
それくらい、どこの中小零細企業にとっても、こういう人材は、採りたくても採れないっていう現状が有ります。
今より100万多くお金が貯まると会社は変わる
- 予算組みと資金繰りが出来る人間を経理として採用する
- 会計事務所の人間で同じことが出来る人とタッグを組む
この何れかができれば、毎月100万円くらいは、会社のお金が増える計画が、必ず作れるようになります。
これが実現できるか否かは、社長が本気で考えているかいないかで、ほぼ決まります。
たった100万の話なのですが、経営革新の第一段階っていうのは、毎月100万円分くらいのお金が、どんどん増えていくことから始まります。
なんだ…意外と経理ってお金生むんじゃない♪と、皆さんびっくりされることでしょう。
『先読みの経理』が出来る人間を採用することを、ぜひ意識してみてください。