2019年に倒産した企業の主な原因と5つの対策

経営

みなさんこんにちは!
組織活性化プロデューサーの南本です。

ネガティブかもしれませんが、先行きの中小企業経営に対して危機感を持っています。

圧倒的に人口が減っていくと考えただけで、自分の会社もそうですし、みなさんの会社に対しても危機感を持っています。

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増加する企業倒産

中小企業の商売が成立していかないのではという思いでいろいろな記事を見ていて、企業倒産が増加しているという記事を見ると、御社は大丈夫かと目が止まってしまいます。

明るいテーマで解説したいのですが、日経新聞を見ていても明るいテーマがあまりありません。

2019年の倒産件数は8,000件以上

順調に日本の倒産件数が減っていましたが、2019年に倒産件数が8,000件を超えて一変して増加に転じてしまいました。

商工リサーチさんのデータによると、1000万円以上の負債を抱えて、廃業や潰れた会社が426社あるそうです。

たった426社という感じですが、倒産を報告していなくて、閉じたまま放置している「隠れ倒産」というものも結構あります。

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倒産原因(2019年実績)

後継者がいない 270件

426件のうち6割、7割は後継者がいなくて潰れてしまったということです。
後継者難という言葉もよく聞きます。

人手確保困難 78件

募集しても人が全く来ないからといってやめたという廃業が78件です。

社員の退職・離職 44件

社員の退職離職は人手不足と同じです。
中小企業は人で動かしています。
社長もキーマンですが、現場のキーマンが2、3人いるのです。

そういう人たちが条件の良いところに転職していくと、もう人手不足になり、仕事が回らないので閉めますという話です。

人件費高騰収益悪化 34件

最低賃金がどんどん上がっています。
さらに残業時間を減らされています。

人件費の募集単価を上げないと人が来ないので、収益が悪化して赤字倒産のように潰れてしまいます。

これが現実です。

この現実をどう打破するかというと、中小企業経営者は、根本に返って、人はなぜ働くかというところからもう1回瞑想して、創業当時の基本に戻らないと難しいというのが私の感想です。

業種的には「飲食業」「介護福祉」「建設業」 といった本当に長時間労働で体力が必要な厳しい職場には若者が敬遠して来ないのです。

倒産件数の半分を占めているというのが商工リサーチさんの統計です。

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御社が取れる対応策

机上の空論だと思われても仕方がないですが、創業当時に振り返って今の時代に自分の会社ができることは何なのかということを考えていくしかないと思います。

市場(ドメイン)を絞り込み、シナジー効果のある新規市場や新規顧客に進出

市場(ドメイン)というのは自分が活躍する戦略的な市場という意味です。

これまで横断的に幅広くとっていたものを絞り込んで、本業をさらに磨いていくということです。

市場を少し狭めて、これまでレッドオーシャンで血みどろで戦って、価格を下げて競争していたものから、人的な付加価値やサービスの付加価値をどんどん高めて、魅力的な存在になっていくことです。

オンリーワンとか差別的な存在になって、シナジー効果のある新規市場や新規のお客さんを掴んでいくということです。

血迷った経営者は本業と全然違う不動産事業をやったり、飲食を行ったりしてつまずいて、その赤字補填のために本業の利益を食って潰れてしまうということが結構多いので、そういうことはやめてください。

あくまでシナジー効果がある事業にドメインを狭めて、大手が進出しにくいようなところ(差別的な人的要因の参入障壁)に付加価値をつけながらお客さんにまずは提案してください。

少数精鋭部隊で高収益企業に転換する

売上規模や従業員規模にこだわる中小企業社長が多いです。

従業員が30人になりましたとか、売り上げが10億を達成しましたといったことにこだわるとロクな結果がありません。

これからの時代は、高収益な企業で1人当たりの付加価値をどれだけ高めるかということに経営者は注力してください。

売上が100億でも10億でも利益が低ければ意味がありません。
高収益企業に転換しましょう。

実力主義で社員に高報酬

実力がある社員には高報酬を与えましょう。

管理職には当たり前のように800万円くらいを支給するような風土をつくっていかないと優秀な社員は他者に逃れていきます。

高収益企業をつくるのは経営者のあなたの役割です。

管理職の育成

後継者が今はいないけど、会社が高収益企業になって、報酬が800万円と見えてくれば、やりたいと思う人がいるかもしれません。

経営者になるために、財務戦略や労務戦略やマーケティング戦略を教育していきましょう。

社長が教育できなければ、外部からコンサルを連れてきて、2年ぐらいかけてマンツーマンで幹部教育をしていく必要があると思います。

そのためにジョブローテーションがあるのです。

財務部門に3ヶ月、営業部門に3ヶ月、人事部も3ヶ月というように、ジョブローテーションするというのはいいと思います。

社員に理念やビジョンや会社の方向性を提示し、社員に夢を見させる

創業したときには初心とビジョンがあったはずです。

文書化していなくても経営者の頭に中にあると思うので、一度文書化してください。

人口が減少していて、クラウド、RPA、AI、5Gといった時代に、会社が3年後、5年後に到達すべき方向性をもう一度再定義して、社員に周知してください。

そうすると会社の個性が見えてきて、やる気が出てくる社員もいます。

経営者が心を入れ替えて、初心に戻って今の経済背景に対してビジョンを示して、社員を啓蒙して、幹部を育成してください。

それでもダメであれば、会社を売るのは黒字体質のうちに売らないと売れません。

後継者がいないので畳むということを5年ぐらいで判断していくしかないと思います。

そうなりたくないのであれば、市場をもう1回絞り込んで、シナジー効果のある新規事業をどんどん考えて、やる気のある社員を育成していくか、外からハンティングして、もう一度ビジョンを練り直す努力をしてほしいと思います。

中小企業はこれからも8,000件どころか、1万件に迫る勢いで潰れていくと思います。

あとは経営者の心構えや行動次第ということになります。

人手不足倒産が多発する時代がやってきた!中小企業向け生き残りマニュアル
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南本 静志

和歌山生まれ。株式会社紀陽銀行入行。銀行業務を2年程度経験後、システム部へ異動。

システムエンジニアとして銀行オンラインシステムや情報系のマーケティングシステムの構築で活躍する。

30歳代の後半には日本ユニシスに出向し、金融機関向けCRMマーケティングシステムの業務設計のリーダーを任される。その後、コンサルタントとして独立、現在は東京千代田区で経営コンサルティング会社と社会保険労務士事務所を設立し、代表に就任。

中小企業診断士及び社員を持つ経営者としての立場で、幹部社員(部長、課長、係長等)を次期役員に昇格させるようなマネジメント系の人材育成プログラムに強みを発揮している。また、初級管理職(主任や中堅リーダー)に対するモチベーション研修や自己発見研修も得意。

アールイープロデュース 

適性検査Cubic(キュービック)

東京中央社会保険労務士事務所

東京中央給与計算センター

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