【パートの社会保険加入義務化】中小企業を窮地に追い込む3大イベント!

社会保険

こんにちは、組織活性化プロデューサーの南本です。

実は中小企業を窮地に追い込む3つの大きなイベントがあります。
それに対して御社は耐えられますか、準備できていますかという私からの問題提起をさせていただきます。

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中小企業を窮地に追い込む3つのイベントとは?

  • 最低賃金の上昇
  • 消費税増税
  • パート等の厚生年金適用拡大

最低賃金の上昇

最低賃金全国平均1,000円時代です。

全国平均1,000円ということは、確実に東京と神奈川県は時給1,200円や1,300円まで最低賃金が上がっていくということになりますが、例えば最低賃金が1,300円になったら、飲食、店舗、コンビニなどの小売の時給が、平日の勤務で1,500円などという時代になってくるのではないでしょうか。

これは経営的に収益を圧迫する要因です。

消費税増税

2019年10月に消費税が10%に上がります。
8%から10%でたかだか2%上がるだけですが、これに対して中小企業の社長さんも中には、もう会社がつぶれてしまうようなことを言っている方がたまにいます。

最低賃金の上昇、消費税の増税というのはまだまだ私は耐えられるイベントだと思っています。

10%の駆け込み需要がいろいろあって、10月以降に落ちてくる可能性がありますが、それまでにどれくらいキャッシュをためておくとか、銀行との融資の手立てを考えておくとか、そういう対策が必要かなと思います。

パート等の厚生年金適用拡大

私が社会保険労務士として、もっともお伝えしたいテーマはこれです。
社労士として問題提起しますが、パートなどの厚生年金適用拡大、週20時間以上というものがあります。

500人以上の会社はすでに週20時間以上働いているパートさんに厚生年金の適用をしています。
今後中小企業にまで適用範囲を拡大していこうと検討中です。

これが私は影響が大きいと思っていて、今から対策を打っていかない限りは、中小企業の経営は厳しいと思います。

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パートの社会保険加入義務化

厚生労働省のホームページに、パートの社会保険加入義務の資料がありました。
週30時間以上働いている方は4,400万人加入しています。

従業員が501人以上いる会社にはすでに適用されましたが、そこで働くパートさんは週に20時間以上であれば、社会保険に加入しないといけないのです。

社会保険加入制度の不備がある

同じような仕事をしているパートさんでも、500人以下の会社は、週30時間以上で加入することになっています。

そういった方は旦那さんの扶養の範囲で、保険料を支払わなくても保険証をもらって医療を受けることができますから、自分で社会保険料を払う必要がないという方、現在450万人います。

これを国が見逃すわけがありません。

たまたま働いた会社に501人以上従業員がいれば、週に20時間以上で入ることができるのですが、今度200人ぐらいの会社に転職して、パートで同じような仕事をしたら、30時間以上働かないと社会保険に入れないということになってしまうわけです。

こんな不公平なことはありません。

厚生労働省が社会保険加入制度の見直しをすでに検討

中小企業の団体が圧力を多分かけていて、いきなり見直しをすると潰れてしまうということは国も理解していると思いますが、社会保障費が減って、財源がないので、いずれ必ず見直しをしてきます。

これに対して、今から備えて、対策をうちましょうという話です。

最低賃金アップと消費税のアップは皆一緒ですから、潰れるのは外的な要因ではありません。

経営者自身のマネジメントの欠如であったり、売上の施策のまずさであったり、商品の改善を怠ったり、お客さんの開拓を怠ったりとか、そういったことです。

ですから、もし、この消費税、最低賃金で会社が潰れると悲鳴をあげている経営者がいるとしたら、私の個人的な見解はもう無理だと思います。

問題は3番めの社会保険加入制度の見直しがいつ来るかというと、国会で安倍総理が解散などと言ったり、いろいろなことで延びていくかもしれませんが、厚生労働省は2019年度中にと検討しています。

対象範囲を何人以上にするか、例えば101人以上にするとか、そういうことを検討してます。

2020年に国会で法案を作って、国会提出する予定で進めているようです。

そうするとだいたい1年後の2021年の何月かには施行されていくということです。

最短で2020年オリンピックが終わった次の年には、社会保険の強制加入が週20時間以上になるかもしれないということです。

仕方ないと思うのも一つの手かもしれませんが、今から筋肉質の会社を作ろうと考えて、いろいろな施策を打っていくのとでは、全然出来上がりが違ってくるので、今から考えておいたほうがいいかなと私は思います。

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結局のところ中小企業はどうすれば良いの?

正社員化

当たり前なことかもしれませんが、パートさんも子育て中の主婦とかも正社員化するということです。

子育て中の主婦には、どのようなリスクがあるかというと、子どもが病気で休んだりします。
ですから柔軟な勤務制度が必要です。

全員の会社負担分が増えるので、どう売上をとっていくか、組織化していくか、収益をどうするかという対策を考えていかないとダメです。

業務を見直して週20時間未満勤務シフトで回す

あるいは業務を見直して、週20時間以上が社会保険適用なので、本当にパートさんに週20時間に行かないようなシフトをうまく組んでいくということです。

それで会社を回していけば、社会保険の会社負担分はないということになります。

ただし、最低賃金がどんどん上がっていくこのご時世、人手不足に拍車をかけているわけで、週20時間しか働かなくていいようなシフトを組み合わせられるのかという問題があります。

会社の分社化が増加する?

これは禁じ手だと思いますが、おそらくこういうことを考える会社が増えてくると思います。

たとえば、今501人以上に適用なのが、101人以上に適用となった時に、300人以上いる会社は分社化して、例えば100人、100人、100人の会社を3つ作れば、税務上のことは私は一切分かりませんが、101人以上の会社とはならないので、パートさんを含めて週30時間以上の人だけを対象にすればよくなります。

おすすめしませんが、そういうことを考える経営者も出てくるのではないかと思います。

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いずれ適用範囲は広がるので今から対策を

先延ばししているだけで、101人で決まっても、やがて次は51人以上、さらにその次はもう全てが対象ということになってくるのではないかと思います。

20時間から30時間で働いている主婦の方、パートの方は450万人いますから、これを国が放置しておくはずがありません。

やがて適用範囲がどんどん増えていくと思うので、会社をつぶさないために、どのように人を育てるか、どうIT化していくか、どう売り上げを強化していくかしかありません。

どういう対策を打てばいいかを、今から備えて検討していただければいいかと思います。

社会保険経営労務
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南本 静志

和歌山生まれ。株式会社紀陽銀行入行。銀行業務を2年程度経験後、システム部へ異動。

システムエンジニアとして銀行オンラインシステムや情報系のマーケティングシステムの構築で活躍する。

30歳代の後半には日本ユニシスに出向し、金融機関向けCRMマーケティングシステムの業務設計のリーダーを任される。その後、コンサルタントとして独立、現在は東京千代田区で経営コンサルティング会社と社会保険労務士事務所を設立し、代表に就任。

中小企業診断士及び社員を持つ経営者としての立場で、幹部社員(部長、課長、係長等)を次期役員に昇格させるようなマネジメント系の人材育成プログラムに強みを発揮している。また、初級管理職(主任や中堅リーダー)に対するモチベーション研修や自己発見研修も得意。

アールイープロデュース 

適性検査Cubic(キュービック)

東京中央社会保険労務士事務所

東京中央給与計算センター

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