1年ほど前に「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話」という本が大ヒットして映画にもなりました。1年で偏差値を30から70に上げて、なおかつ慶応に合格という話は、経営者も同じように実現可能だとキミアキ先生は解説します。偏差値30から70の経営者になる秘訣とは何なのか?本稿から学んでいきましょう。
偏差値30のビリギャル方式は経営者育成も同じ
今日は、偏差値30からの会社経営というお題で話してみたいと思います。
皆さんもご存知のように、坪田さんという塾講師の方が著者の、「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話」というシリーズ物は、もう100万部も売れたそうです。
どんな話かというと、学年ビリで金髪ギャルの女の子が、1年で偏差値を30から70に上げて、なおかつ慶応に合格と、素晴らしい組み合わせの話になっています。
私も会社経営者を育てる上で、同じようなプロジェクトをやっておりまして、その時にどの層を狙って教育をしていくのかというと、偏差値30の経営者を偏差値70に育てるということをやっております。
会社の経営者も、最初は偏差値30の人を70にしていく方が、ストーリーとして一緒にやって行く私も楽しいですからね。
経営者は学歴・職歴は偏差値30でも全然OK
経営者に学歴、職歴は関係無しとよく言います。
なぜ経営者に学歴や職歴が関係ないのかといえば、社会的評価の話において、勤め人のサラリーマンの信用と事業者の信用というのは、全く違う所で評価をされる点に集約されます。
サラリーマンさんにとっては、学歴も職歴もとても大事な信用力になりますが、事業者にとって学歴・職歴というのは、簡単に吹っ飛んでしまうくらいの信用です。
例えばおカタいおカタい銀行さんが、サラリーマンさんにおカネを貸そうか考える場合は、どういう会社に勤めているのか?勤続年数はどのくらい?という部分を見ます。
新卒からずっと勤めていれば、もちろん更に信用力がありますね。
対して、銀行が経営者を見る場合は、どこで判断するのかというと、決算書で9割方評価します。
これは定量評価といいます。スコアリングとか格付けとか言ったりしますね。
あとの1割は取引先であったり、経営者の資質や経験、もちろん学歴や職歴もここで多少は見られます。
でも9割方は決算書で評価するわけですから、今「どういう決算書を作っていくのか」というのが、経営者にとって一番の戦略的な課題となります。
銀行は皆さんから集めたお金を事業者に貸してくれるわけですから、当然そこは硬いわけです。
経営者からすれば「銀行に行けば金は幾らでもある。」って本当みんな言うんですがね、「あそこにゃ金がいくらでもあるから、いくらでも借りて事業やればいい」って言います。
でも経営者にとって、お金を借りられるか否かが決まるのは、1にも2にも決算書という信用な訳ですからね。
だから、経営者は学歴・職歴が偏差値30でも、全く問題ありません。経営者の偏差値を決めるのは、決算書と言って良いでしょう。
経営能力の偏差値は決算書が如実に表現する
決算書をどう作っていくかというのは大きくて、経営能力というのは本当に決算書に表れます。
ですから決算書をどうやって作ってくかという頭脳がある社長さんと、「ただ単にこういう決算になりました」という社長さんでは、戦略論から全然違って来るわけですよね。
何故ならこの決算書によって自分たちの経営能力が判断される訳ですから、銀行さんがお金を貸すか貸さないかを決算書で9割方評価してしまうんです。
経営者としての資質がある人は決算書を作る時に、本当に戦略的に考えるんです。
そこをちゃんと考えて決算してるかどうかなのですが、私の経験では中小企業の95%位はそういうこと全く考えてません。
戦略的なことを一切考えず「今期の成績はこうでした」という決算書を作っているに過ぎません。
どういう風な決算書にするのかというと、貸借対照表でほとんど決まるし、あとは軽いか重いかで言うと、地頭の良い経営者は軽い決算書を作ります。
つまり利益率の高い、損益分岐点が低い、そういう決算書をしっかり作って行けるかどうかが、経営者としての偏差値を上げられるか否かの、分かれ道となります。
良い決算書作りを考えていくと、商売替え自体をしなければいけないこともあるし、新規事業をするときにもより効率の良い事業をやるようになります。
失敗してもあまり痛くないような新規事業をやっていくことを、考えていくようになります。
帝国データバンク判定はまず50点を目指そう
決算書ともう一つ、経営者の偏差値を決めるのが帝国データバンクの評点です。
ある程度大手との取引をするようになると、帝国データバンクの評点というのが、取引を始めるときに判断材料になるんですね。
普通の中小企業はD判定で、評点が49点以下と、ほとんどがこの評点です。
微妙なのが49点と51点の間の50点。
この50点まで到達したらリースが使えます。
リースって何かというと、車とかコピー機という普通のリースの話ではなく、出店するときも実はこのリース取引が全部出来るんですね。
このリースを使ってどんどん出店していこうとか、もっと言えば店舗の内装なんかも、全部リースの考え方で出店できるやり方もあるんです。
あとは51点、66点、81点というのがありますして、51点取れたら、こらぁたいしたもんですよ
66点までいったら、もう経営者としては上がり。後は誰に経営を譲っても良いくらい、信用力のある素晴らしい会社です。
81点以上は私も1社しか見たことありません。いわゆるバケモノですよ。本当バケモノ。東京でもどれくらいあるんでしょう。
それくらい81点以上というのは、なかなか見ないような凄い会社です。
ですから普通は51以上を目指していって、大手さんと良い仕事をしていくと。
ポイントを抑えて偏差値の高い経営者になろう
結局のところ経営者は、自分の偏差値を上げるために、まず、サラリーマンさんと事業者の信用の違いというものを知っておく必要があります。
なおかつ経営者というのは、決算書で信用を作っていくんだということを知っておけば、意外とこれで偏差値30くらいの人が、急に良い会社の社長になったりするわけです。
学校の勉強って本当関係ないな〜、と我々がずっと思っているのは、事業者としての信用力をどうやって作っていくのとなった時に、信用って何かというとお金を借りて返すこと、あとは金払いが良いこと、これに尽きるんですね。
こういうことで経営者というのは信用力を作っていくし、どういう会社と付き合っているかとか、どれだけ沢山の会社と分散して付き合っているのかというのを見られて、経営者としての偏差値を段々と上げていきます。