新規客だけを求めない
はい、こんにちは。島倉です。今回は『貧乏店から繁盛店に生まれ変わる4つの施策』というテーマでお話いたします。
今回のお話は、基本的には店舗ビジネスをされている方へのものです。
飲食店やサロンはもちろん、旅館業などにも当てはまります。
かなり応用範囲が広い内容です。どうぞ、お付き合いください。
新規客を集めるにはコストがかかる
なかなか儲からないと言っているお店を見ていると、たいてい『新規客を集めることばかり考えている』ことが多いようです。
ただ、新規客を集めるのには、コストが常にかかります。
『コストがかかり続ける』ということは、イコール『新規客を集め続けるのはそもそも難しい』ということでもあります。
これではお店が儲かりません。
リピート客を集めないと儲からない
もちろん、新規客を集めるのを止めましょうという話ではありません。
ただ、最初に理解していただきたいのが、店舗ビジネスで優先すべきは『リピート客』だということです。
それでは、どうやってリピートをしてもらっていますかとオーナーさん達に尋ねると、ほとんどの方が「何もしていない」と答えられます。
それは実際に私自身がお店を利用していても分かります。大抵のお店は一度利用してくださったお客さまに対して、何もフォローしていないことが多いです。
それではリピートはしません。
ですから、店舗経営者は絶対にリピートをするような施策をやる必要性があります。
お客様にリピートして来ていただくには?
ここからは、お客様にリピートしてもらうための4つの施策をご紹介したいと思います。
アンケートを取る
まず1番目は『アンケート』を取る事です。
この施策は顧客満足度向上・サービスの改善という意味合いもありますが、主な目的は『リスト』を取るという事です。
アンケートを実施して、お客さまの連絡先・氏名・住所、あとは例えばメルアドなどといった連絡先を取得してください。
これがないことにはリピート施策は何もできません。
ただ、アンケートを配ればお客さまが書いてくれるかと言うと、タダでは書いてくれません。
アンケートを配る場合には、必ず次回来店する時に使えるお得なクーポンというものをつけてください。使用期限も必ず付けましょう。
そうすれば来店してくれる可能性も高くなりますし、且つ連絡先をきちんと書いてくれる可能性もグンと上がります。
サンキューレターを書く
リストを集めたら、その次に行って頂きたいのが『サンキューレター』です。
「来て頂いてありがとうございます」と言うお礼のハガキ、または手紙です。
この『ハガキ・手紙』というのは、絶対にご自身の手書きでお送りしましょう。これは鉄則です。
「一枚一枚手で書くのは大変」という意見があると思うのですが、どうしても大変なようでしたら1枚書いて、それを印刷して送付してください。
更にお礼の手紙は『来店して3日以内』に出しましょう。これも鉄則です。
どうしてかと言うと、お客さまは商品を買って、あるいはサービスを受けて感動してお帰りになります。
その感動しているうちに『サンキューレター』で駄目押ししたいからです。そうすると、感動したことをずっと覚えてもらえるようになるわけです。
これが1週間、2週間経ってしまうと、お客様は感動を忘れてしまいます。
そのときに『サンキューレター』をもらってもそれほど嬉しくありません。
しかし、3日以内に到着したら、「あんなに良くしてくれたのに、こんなお礼の手紙まで頂けるんだ」ということでお客さんの記憶にグッと入り込めます。
これによって初めて来店されたお客さまと接点が出来上がります。リピートするための、いわゆるファーストステップが出来上がるのです。
ニュースレターを送る
次に3番目です。
『ニュースレター』を送っていきましょう。
アンケートでリストを集めて、サンキューレターを送ったら、そのあとは定期的に『ニュースレター』を発行してください。
ニュースレターで何を書くかというと、お店の情報を書いて、お客様へ送りましょう。
これは売り込みが目的ではなく、お店の情報を教えてあげることが目的です。
まず行って頂きたいのは、『スタッフの紹介』です。
例えば、人柄とか仕事への姿勢を紹介しましょう。そうすることで来店して頂いた時に、会話をする際に壁がなくなります。
お客さま側は「あのスタッフはこういう人だ」と知っていますから、気軽に話しかけてくれるようになります。
そうすると会話がしやすくなるので、来店したあとお客さまとコミュニケーションが非常に取りやすくなります。
または「売れ筋商品のランキングを出す」とか「お客様の声を紹介する」ということもいいと思います。
「今お店でこんな商品が売れてます。」「今、うちのお店ではこんなことをやってます」という情報をどんどん発信してください。
こうすることで、お客様はお店に親近感を持ってくれるようになります。
セールスレターを出す
「アンケートをとって」「サンキューレターを出して」「ニュースレターを出して」お客さまとの関係が構築出来たら、ここで初めて『セールスレター』を出します。
セールスレターは既存のお客様に対する『特別のオファー』です。
要は、「このような商品があります」「このようなサービスを特別にご提供いたしますがいかがでしょうか?」という売るための『セールスレター』です。
ここで初めて売リ込むわけです。かなりの高確率でリピートが発生するはずです。
お客さまと関係構築をする
リストを取ったら、あとはずっと関係構築をしていきましょう。
関係の構築をずっと続けながら最後にセールスレターを送る。
このセールスレターは『ニュースレターを何回か送ったら1回』の割合で送っていきましょう。
ニュースレターに必要なもの
それではニュースレターはどうやって作るのかという話ですが、まず『オファー』は必須です。
「こんなご提案があります」それから店主の写真、店主のご挨拶、それから本文という内容になります。
本文は商品の具体的な提案・紹介をしましょう。それから価格と申し込み方法、最後に追伸を入れましょう。
ニュースレターに入れるべき大切な表現
ここで大事なことは、まず商品の説明のところで、『限定』という表現が必要です。
「期間」か「人数」か、どちらでもいいですが、『限定物』であるということと、商品の「メリット」と「根拠」を提示しましょう。
「メリット」と「根拠」それから買わないことの「デメリット」。
「これを買わないともったいないです」「損してしまいます」というようなことを入れてください。
もう一つ重要になるのが「こだわりポイント」です。
「この商品は特にここにこだわっています」「買わないと損します」というデメリットの部分を紹介して頂きたいです。
最後に「申し込み方法」をわかりやすく記入しましょう。結構忘れてしまうことが多いです。
お客さまにあえて一言言わせる
あと、意外と有効なのが、来店時にお客さまにあえて一言言わせる仕掛けを各レターに仕込むことです。
例えば飲食店であれば、「来店時に『カニが食べたい』と一言言ってください。〇〇様への特別サービスとして特盛でお出しいたします。」という具合にです。
そうやってお客さまに言葉で言わせると、より深く関与してくれます。
お店に関与することによって、その商品をより楽しんでいただく状況を作ることが出来ますので、「これを一言言ってください」というのがいいと思います。
よく「ハガキを持ってきてください」というのもありますが、それもいいとは思いますが、やはり『一言言わせる』というのが特にいいと思います。
このような感じでセールスレターを作りましょう。
DMを開封させるコツ
このセールスレターを封筒に入れて送る時、またはハガキで送る時に封筒を開封させる工夫をしてください。
「期間限定でお客様に特別なご提案があります」とか「特別な商品・サービス提供のお知らせです。急いで開封してください」といったキャッチコピーを付けましょう。
この一言を必ず封筒に書いてください。あるかないかで全然開封率が違います。
昔はDMを作る時に、開封させる為によく100円ショップで売っている小さい鈴を入れたりしました。
常にチャリンチャリン鳴るので、お客さまも気になって封筒を開けてくださるんです。(今は物騒な世の中でなかなかやりにくいのですが)
ともかく開けてもらわないとセールスレターは全く意味がないので、開封させる仕組みを絶対に忘れず行って頂きたいと思います。
そのためにキャッチコピーに徹底的にこだわってください。
4つの施策を繰り返してリピート率を高める
「アンケート」、「サンキューレター」、「ニュースレター」、「セールスレター」。この4つを徹底して行うことで、あなたのお店は新規客だけに頼らず、リピート客で十分に回るようになります。
新規客だけ集め続けるというのは難しいし、コストがかかります。現実的ではありません。商圏が限られている場合はさらに現実的ではありません。
そして繁盛店に変えていくということを是非やって頂きたいと思います。
ライバル店はどこもやっていない
最後になりますが、皆さん、ここまでお伝えしてきたことを実行できそうですか(笑)?
というのも、4つのリピート施策をトータルにやっている所は非常に少ないです。
例えば、私は今、旅館業のコンサルティングを最近行っています。温泉好きということもあり、勉強もかねて、かなりグレードの高いホテルに行っていますが、これらのホテルですら、10軒行って1軒ハガキが来るかどうかです。
登別のホテルからはハガキが来ましたが、同じグループ会社の函館のホテルからは来ないという具合に、同じグループのホテル・旅館であっても対応が全然違うこともありました。
そのぐらい、ほとんどの店舗ビジネスオーナーはリピート施策を行っていません。
リピートを起こして経営を安定させ、ライバル店を圧倒しましょう。