この記事では、中小企業を経営されている方、中小企業にお勤めで福利厚生を検討中の担当者様向けに、福利厚生を導入するメリットとは?従業員はどんな福利厚生を導入すると喜ぶのか?福利厚生を導入する際にチェックしておくべきポイントは?などの疑問にお答えします。
中小企業の福利厚生制度状況
中小企業の福利厚生は充実していない
中小企業は、大企業ほど福利厚生が充実していないのが普通です。
予算が無いと考える経営者が多いのはもちろん、コストがかかり管理にも手間がかかる面もあり、さらには従業員数が少ないため費用対効果が合わないと考えられがちだからです。
2018年に経団連が発表した企業規模別の法定外福利費を見ても、従業員5000人以上の企業が24655円を充てられているのに対して、従業員が500人未満の企業でその数値は17880円に過ぎません。
参照URL:http://www.keidanren.or.jp/policy/2018/115_honbun.pdf
中小企業であっても福利厚生導入のメリットは大きい
とはいえ福利厚生の充実は、企業イメージの向上に効果的です。
たとえば、求職者にとって福利厚生の充実した企業は魅力的に映ることがわかっています。
エン・ジャパンの調べでは求職者の83%が福利厚生の充実を企業に求めているのです。
優秀な人材を確保したいと考えていたり、従業員の満足度を上昇させることで離職率を低下させるうえで、福利厚生の導入には多くのメリットがあります。
中小企業向けにおすすめの福利厚生制度15選
ここからは、導入することで従業員の満足度が高い福利厚生制度を15個ご紹介します。
家賃補助・住宅手当
社宅や家賃補助をすることで、従業員の満足度を上昇が見込めます。
住まいの安心が担保されれば、安心して働けますよね。
食事補助
食事代の一部負担、社員食堂を無料で使えるなどの福利厚生制度を導入することで、従業員の経済的負担を減らすことができます。
昨今、政府が推進している健康経営ともマッチした福利厚生制度です。
介護関係
介護が必要な親を持つ従業員のために、費用の一部を会社が支給する福利厚生制度を導入できるでしょう。
これからは介護離職が増えると言われており、特に地方に親を持つ従業員が介護費用の負担に悩まされるケースが増えることが容易に想定できます。
老い始めた親を抱える従業員にとっては非常にありがたい制度です。
健康関係
健康診断などの補助を出すことで従業員の健康を守ります。
ストレスチェックが導入されたことにより、オンラインで産業医に診断してもらうような福利厚生サービスも生まれています。
保養施設
指定の保養施設があると従業員の満足度の向上に繋がります。
福利厚生代行サービスでは、基本プランとして保養施設が充実していることが多いです。
子育て支援
育児中の従業員が、仕事と両立できるために、会社が指定する育児教育サービス(子供用英会話教室など)を提供することも、従業員には喜ばれます。
ベビーシッターサービス・保育所
子供を家や託児所に預けることができない場合、子供と一緒に出勤し、会社が契約するベビーシッターに預けたり、社内保育所に預けることで、従業員が仕事に集中できます。
休暇制度
従業員が旅行に行くためなど、仕事の疲れを取るために特別休暇を福利厚生制度として導入する会社も増えています。
宿泊・レジャーサービス割引
提携している企業のホテルなどのサービスを、割引価格で利用することができる権利です。
スキルアップ支援
従業員の資格取得などスキルアップのための費用などを会社が負担します。
企業活動に合わせて、英会話学校、プログラミングスクール、各種資格学校の学費補助など、適切なスキルアップへの補助を行うことで、業績に直結させることもできます。
働き方の柔軟化
短時間勤務や在宅勤務を導入することで働きやすい職場環境を構築します。
ライフスタイルや働き方の多様化に合わせて、働き方の裁量について従業員へ一定の権限を与えることで、業務の生産性を高めることが可能になります。
交通費の支給
会社までの移動にかかる費用を負担してあげることも、従業員の満足度をあげるうえで一定の効果があります。
最近では、会社の近くに住んでもらい、移動距離を減らした人に、近距離手当を出す事例も増えています。
親睦会補助
従業員の飲み会やイベントを会社で負担することで社内コミュニケーションが活発になります。
昭和の取り組みと言われ衰退していた、部活動や社内運動会を復活させた企業も多いです。
家事代行サービス
家事代行サービスを福利厚生制度として導入することによって、仕事の生産性アップが期待できます。
共働き世帯を抱える会社、小さな子供がいる従業員を多く抱える会社では、特に好評のようです。
お金関係
一定の条件を満たせば従業員に、給与以外にお金を支給する福利厚生です。
産後手当などがあげられます。
費用が気になるなら安価な福利厚生代行サービスを導入
ここまでお読みいただき、なお費用が気になる方にお勧めしたいのが安価で導入できる福利厚生代行サービスです。
1人あたり数千円程度で、福利厚生代行サービスは導入可能であり、コストや管理の手間もほとんど必要ありません。
以下の記事では福利厚生代行サービスの代表的なものをまとめています。
福利厚生が充実している中小企業の例
福利厚生制度を導入するイメージを持ってもらううえで、以下で提示する企業の福利厚生制度に対する取り組みをチェックすることもおすすめです。
株式会社はてな
従業員数は約100名で「まかないランチ」という無料で食事を提供するサービスがあります。
カレルチャペック
従業員は50人ほど。入社後の研修やiPhoneの支給などが魅力的です。
株式会社サイブリッジ
ウェブサイト構築やシステム開発を主業務とするサイブリッジは、ハッピーバースディ制度を導入しています。
これは、本人、妻・夫、子供の誕生日には5時に帰宅できる制度です。お金をかけなくとも、社員やその家族を大切にしていることが伝わる良い福利厚生制度ですね。
中小企業が福利厚生制度を導入する際の注意点
最後に、中小企業が福利厚生制度を導入する際にチェックしておきたい注意点を3つあげます。
ニーズを把握し利用率を調査する
福利厚生を導入しても利用してもらわなければ意味がありません。
社内でアンケートを取るなど社員のニーズを把握することが必要です。
導入後は利用率もちゃんとチェックしたいですね。
予算やコストとリターンを把握する
福利厚生のアウトソーシングで低価格で導入することができますが、一人ひとりの費用は企業側にとって少ない金額ではないです。
導入する際は予算を決め、得たいと考えているリターンも明確に言語化し、後で把握できるようにすることが大切です。
内容が豊富な福利厚生制度を選ぶ
社員のニーズに応えるために内容が充実した福利厚生が重要です。
さまざまなプランが用意されていて、低価格なパッケージサービスなどがおすすめです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
社員の生産性向上や満足度を上げるうえで、賃金の上昇はもちろん大切ですが、その効果は一定のところで止まると言われています。
中小企業のリソースは限られています。
お金をそれほどかけずとも、自社の業態、従業員個々の状況を踏まえて、最適化された福利厚生制度を導入すると、従業員の生産性向上や満足度アップに大きな効果が得られますよ。