こんにちは!
経営コンサルタントの島倉です。
今回は、ネットで話題になっている「アパホテルの1泊2500円キャンペーンは本当に効果があるのか」ということを解説していきたいと思います。
アパホテルの戦略「1泊2500円キャンペーン」の効果検証
新型コロナが拡散している中で、アパホテルが「1泊2500円キャンペーン」を打ち出したところ、テレワークで利用する人や、安いので泊まってみようという人たちが多く話題になりました。
しかし、1泊2500円というのはアパホテルにとって本当にメリットがあるのでしょうか?それとも採算度外視で宣伝だけに使ったのでしょうか?
この「1泊2500円キャンペーン」の効果を以下の3つの戦略と合わせてみていきたいと思います。
- 専用アプリ(アパ直)利用の促し
- コロナ対策・50周年という名目での値下げ
- 連泊コースで清掃コストの削減
それでは1つずつ解説していきます。
戦略①:専用アプリ(アパ直)利用の促し
アパホテルの1泊2500円キャンペーンを利用するには、いわゆる「アパ直」という言われる専用のアプリまたはサイトから予約をしなければなりません。
通常、ホテルはJTBや近畿日本ツーリスト、楽天トラベルなどの旅行代理店に対して、10%から15%の手数料を支払って送客をしてもらっています。
しかし、アパホテルは”直接予約する”という形にしているので、この手数料を支払う必要性がありません。
ですから、1泊2500円という破格に見えても、送客手数料がかからない分、痛くも痒くもないということです。
アパ直利用でリピート需要の創出
アパホテルの専用アプリをインストールしてもらうと、当然リピート需要もありますよね。
生涯アパホテルに落としてもらう額が上がっていくので、長期的な視点でみれば、専用アプリをスマートフォンに入れてもらうことで回収できるという計算もあるわけです。
戦略②:コロナ対策・50周年という名目での値下げ
安いホテルは質の悪いホテルというイメージがつきますが、今回は新型コロナ対策や、50周年という名目があるので、それを回避できています。これは非常に大事なことです。
以前、Yahooニュースで、安くて良いものを使っているのに1杯250円という価格でラーメンが売れないという記事を見ました。人は程度を超えて安くすると、質が悪いのではないかとか思うことがあり、客離れにつながるので気をつけてください。
客離れを起こさないために、コロナ対策、50周年といった、単なる安売りではないと明確にしたことは非常に面白い戦略だと思います。
戦略③:連泊コースで清掃コストの削減
1泊2500円のキャンペーンと合わせて、テレワークなどに利用できる5連泊コースなども出しています。
連泊している人には、タオルや歯ブラシは替えが置いてありますが、清掃は入らないことになっていて、清掃コストを削減することができるわけです。
自宅では毎日同じ布団で寝ますし、毎日シーツも洗わないですよね?
ホテルだからといって安易に洗う必要もなく、清掃コストをカットできるという戦略になっています。
アパホテルの戦略「1泊2500円キャンペーン」の効果:まとめ
1泊2500円というのはかなりやすいように見えますが、50周年記念と新型コロナ対策、テレワーク利用ということを打ち出したことで、アパホテルの名前が知れわたります。
このアパホテルの「1泊2500円キャンペーン」は採算度外視でただ宣伝のためというような話ではなく、非常に練られた戦略のもとに実施され、利益も出て、かつ長期的に稼ぐという優れた戦略なのではないかと私は見ています。
あなたはこのアパホテル1泊2500円をどのように評価するでしょうか?
ぜひ一度ビジネスモデルや戦略の部分から、どうなのかという点でぜひ考えてみていただきたいと思います!