社長といえど、会社の規模が違えば、考え方も違い、そもそも生い立ちから違うため、100人の社長がいれば100通りの会社があります。
ところが、「個々の社長に能力が有るか無いか?には共通項がある」とキミアキ先生はおっしゃいます。どのように社長の能力有る無しを見極められるのか?解説していただきます。
十人十色の経営者も有能無能には共通項がある
今日は、社長にしか会わない生活で分かった「社長の能力良し悪し」を見極めるお話をしたいと思います。
中小企業にお勤めの方で、自分が勤める会社の社長が持つ能力に疑問があるという方は、結構いらっしゃると思います。
私は13年間、社長さんと一緒に仕事をしていて、社長さんと一緒に飲みに行って、殆どの時間を社長さんと一緒にいる生活をしております。
社長さんにも、もちろん色々いらっしゃいまして、会社の規模が違えば、そりゃぁ考え方も違うし、あるいは生い立ちから人間って元々が違うわけですから、100人社長さんがいれば100通りの会社があります。
そのような中でも、有能か無能か?を見極めるには多くの共通項がありますので、ご紹介していきますね。
有能な経営者は社内に敵がいて四面楚歌でも経営革新を実行する
頻繁に社長さん達とお話をしていて、ちょっと「可哀想だなぁ」と思う時があります。
それは、本当の敵が、自分と社内だったりすることです。
「自分が敵」これは、まぁ当然だと思うんですよ。
社長っていうのは、基本的には経営において全ての責任っていうのは「自分自身」が背負わねばならないからです。
ところが辛いのは、「社内に敵がいる」場合なんです。
競合他社じゃなくて社内です。「オレ自身と社内の連中が本当の敵なんだなぁ。」って思うことがあるんですよね。
ですから従業員さんは、従業員さんとしての意見はあると思うんですけれど、社長もかなり可哀想な立場なんですよ。
例えば業績が悪くなり赤字になって、自分が経営革新をしなければいけないんだ!って事を社長が打ち出しても、赤字が続いている会社っていうのは、社内が腐ってるんですよ。
従業員達は常に自分達が正しくて、社長が悪いと思ってますから。
「社長の能力が無いから。」
「社長は分かってない!作業員の頭のナントカさんは分かってる!」
みたいな感じですね。
今までのやり方を変えようとすると、社内の重鎮からベテランから徹底して抵抗してくるわけです。
社内なのに「四面楚歌」状態で、社長は可哀想なんです。
そういう風な感じで、有能な社長さんは傷ついても動いています。
無能な経営者は1度経営革新に失敗すると何もしなくなる
ところが社長さんの中にも、基本的に1回経営革新に失敗しちゃうと、もうあとはやらなくなる人がいます。
「やる社長」と「やらない社長」というのがいまして、やらない社長っていうのは何もしないんですよ。
あれ〜…?社長…何もしないまま、また来年を迎えるのかな〜…みたいな感じなんですね。
こんな調子では、まぁいつかは潰れるんですけど、潰れ方もソフトランディング出来そうな感じだったら、まぁいい方でしょうか。
自分が勤めていて、自分の社長がボンクラだと思ったら、ボンクラはやっぱり生き残れません。
もし自分が従業員の立場で「経営革新やらないうちの社長ボンクラだな」と思ったら、従業員さんは辞める自由がありますから、いつでも辞めて良いと思います。
有能な経営者は学んだことを必ずテストし失敗を重ねる
それから、ボンクラとは真逆の社長というのがいて、うちの顧問先でも少ないんですけれども、常に学んでいる、勉強している社長さんがいます。
中でも、頭でっかちではなくて、必ず実践している社長さんは、やっぱり有能です。
有能な社長さんは「これやったらどうかな〜?これはどうかな?」って沢山テストされます。
そういう社長さんっていうのは、生き残ります。
ですから今後10年で考えても、こういう風に学んで、それからアウトプットして、必ず実験してみることは、とても重要です。
そりゃぁ失敗もしますよ、失敗もいっぱいしますけど、そういう社長さんなら、10年やそこらは生き残ると我々も感じるわけです。
能力に疑問を感じるような社長さんでも、意外とよくよく考えてみると、自分勝手かもしれないけれど、色んな事を実践していて、色々失敗しているなぁっていう社長さんだったら、決してこれはボンクラじゃ無いんですよ。
ボンクラっていうのはね、本当にな〜にもしない社長さん。
そういう社長さんじゃなければ、私は基本的にその会社にいても、全然損は無いと思います。
有能な経営者は商売上手な経営者同士で付き合い「値段」で物事を決めない
あとは付き合う相手で、有能な経営者か否かというのは、かなりわかります。
自分のとこの社長が、どういう人達と付合っているかっていうのは結構大きくて、商売上手な社長さんは商売上手な社長さんと付き合います。
自分自身に置き換えてもよく分かるんですけれど、自分が今どのレベルにいる人達と付き合っているかっていうのは、自分のお金や地位で全然変わるんですよ。
自分達が商売上手になって行けば、商売上手な人と付き合ってもらえて、万年黒字社長っていうのは、金持ち同士の付き合いだけで、お金をキャッチボールしていると。
結果として将来のキャッシュ・フローを沢山つくって、金持ちになっていくのです。
違いがハッキリ出るのが、万年黒字社長の考え方っていうのは、相見積もりとか比較検討っていうのは、馬鹿がやる事って本当に思っているんですよ。
相見積もりとか比較検討なんてものは、結局「高いか安いか」比べてみて、安い方を選択するだけだよね、ってハナシでしかありません。
最初は何を言っているのか分からないと思うんですけれど、相見積もりというのは、所詮、役所のいわゆる経済合理性と同じ横並びの概念なのです。
ところが商売人としては、ずっと黒字を出していくような人達って、高いか安いかで物事を決めないんです。
「良いものか悪いものか」で判断するから、相見積もりとか基本的にせず、「俺はあの良いものが欲しいんだから、あそこに発注する!」ってな感じで決めるので、ずっと良い循環が続きます。
「高いか安いか」「良いものか悪いものか」っていう価値観は、従業員さんの採用でも全く同じに現れます。
黒字社長は、値段で決めないんです。
有能な経営者はお金持ちの顧客戦略を実践している
あと、自分達が社長を見る時に必ず見るのは、社長さんが持っているお客様だったりします。
もっと言えば、その社長さんや会社が持っているお客様が、お金持ちかどうかで、社長の能力は見極めれます。
ですから、うちのお客様でも、儲かっている会社のお客様を見れば、皆が金持ち会社か金持ち個人ですよ。金持ちばっかりです。
ですから顧客戦略ってのはすごく大事で、こういう所を見ていくと、意外と「うちの会社の社長は能力的に大丈夫かな?」って思っても、「いや…待てよ…!うちの会社のお客さんは皆金持ちだ…!」となったら、意外と自分の見る目の方が無かったのかもしれませんよ。