同じ年収300万でも2011年から2017年で手取りは大幅減
東大受験漫画の『ドラゴン桜』さんからご紹介したいんですけど、桜木先生が1番最初にバカ面した生徒たちに言う言葉があります。
「いいか賢いやつはだまされずに得して勝つ。バカはだまされて損して負ける。だまされたくなかったら、損して負けたくなかったら、お前お前ら…勉強しろ」
東大に入ってルールを作る側になれと。
さて、世の中にはいろいろなルールがあります。みんな、そのルールに従って生きています。
ですが、世の中のルールは我々が作ったルールじゃございません。そして、ルールのせいで1番割りを食っているのは、普通のサラリーマンです。
普通のサラリーマンの方は、どんどんどんどん平均年収も下がっていくし、なおかつ同じ年収であっても手取りがどんどん減っていきます。
実際、2011年と2017年の比較なんですが、2011年に年収300万円もらっていた人は281万円の手取りがあったんです。
ところが6年経って、2017年になると261万円まで減ってしまいました。20万円も手取りが減ってしまったということです。
年収が上がればその減った額はおのずと大きくなるわけです。
減った手取りはどこにいったのか?
さて、じゃぁこのお金はどこいったの?っていう話なんですね。
もちろん、このお金はほとんどが社会保障と言う名のもとにお年寄りに行っているわけです。
別にお年寄りを大事にするなという話ではなくて、日本のGDPが頭打ちになってるんですよ。
頭打ちになっているから給料が上がらないんです、正直。
じゃあ、GDPを上げるためにその子供たちの方にお金がいくかというと、お金がいかないんですよ。
お金は選挙にちゃんと行ってくれるお年寄りのほうにいくようになっているんです。
しかも、サラリーマン本人の手取りも減っていますけども会社負担も増えてます。本人の手取りが減っているのにね。
大体、今は額面金額の18%くらい裏でとられています。これは会社負担じゃないんですよ、会社の経営側からするとこれは労働者負担です。
でもそれがわかんない、わからないように取るんですよ、頭の良い連中が。
ここが問題なんです。
ルールを作る側っていうのは、なるべくなるべく”わからないようにして取る”、これをやっぱり知っておくだけで、ずいぶん考え方が変わると思います。
働き方改革ルールのしわ寄せを押し付けられる中小企業と非正規社員
今度は働き方改革法案の話です。
ちゃんとみんなルールを守ろうとしています。じゃぁルールを守ってた結果どうなったかって言うと、「大企業の働き方改革の影響で、中小企業の6割が”長時間労働”に」と報道されています。
当たり前のハナシです。どこかに必ずシワ寄せがいくんですから。
このシワ寄せがいくことをわかっていてもみんなルールを守ろうとしている。
もう1つ話しましょう。非正規社員についてです。
『非正社員が多い会社』というデータを見てみると、すごい人数ですよ。
イオンを筆頭に、郵便局そしてNTT、セブン&アイ・ホールディングス、トヨタ、ニチイ、ゼンショーにすかいらーく、住友電工そしてKDDI…
たくさんの雇用を生み出していますね。でもこれもルールに従った結果なんですよ。
ルールに従うとこうせざるをえなかったという話です。
支店〜支店で、いわゆる転勤がない場合は単純作業に近い部分は、どんどん非正規としてしか雇えない。
これもルールに従った結果だっていうことを、多分そんなふうに見なくて、ほとんどがこの資本家が搾取しているみたいに思われるかもしれませんけれども、これは「ルールに従っただけ」なんだって。
それを多分ほとんどの人が理解されないと思います。
あとは最低賃金の問題です。今、東京は985円の時給を払わないと違法になります。
月給換算すると、1日8時間で月の平均労働時間が168時間とした場合、165,480円以上払えばいいとこういう法律になっています。
では、これで求人を出す場合、求人誌のプロは「あ〜これじゃだめですね〜。あ、みなし残業時間40時間位つけましょう。あとは…うん!通勤交通費ものっけちゃいましょう」とかそういう形で、表面的に22万円くらいにします。
そして、これもルールに従っているんですよ。
ルールに従って、なおかつ職を求める側も「残業なんてして当たり前だ」みたいな中で、そのルールの中で求人も行われているっていう話です。
なんか凄く馬鹿げているでしょう?!
すごく馬鹿げているんですけど、それが世の中のルールに従うっていう話なんですよ。
自由なはずのフリーランスも結局は誰かのルールに縛られている
高知の某スーパーブロガーであり、今ユーチューバーとなられた方が”脱社畜”ということで、「会社なんてやめちまえ」といつもおっしゃてます。
では、会社を辞めて実際にフリーランスになった人たちの現実はどうかという話になります。
この件については中小企業庁が発表しています。
上のグラフが年収で、下が貯金です。
貯蓄の額が1千万円以上ある人たちは、もうサラリーマン時代にもしかしたら稼いだのかな?とか、あるいは相続したのかな?とか、あとは本当にめちゃくちゃ稼ぎまくったのかな?とか、いろいろあると思うんですけども。
現実問題として年収を見てみると、100万円未満が23.1%なんですよ。4分の1くらいいます。
それから100万円〜300万円までのところで見ると、全体の6割ですよ。6割が300万円も稼げないような状態なんです。
そして、300万円〜500万円が22.7%。税理士法人に確定申告の依頼が来るのが大体 最低500万円以上ないと来ないんですが、500万円〜800万円、そして800万円以上になると全体の5%しかいない。
20人に1人しか800万円以上稼げないこういう現実があるわけですよ。
この現実を見ないで夢だけで考えて「会社なんてやめちまえ」って飛び出すのはいいけど、社会保障も何もないようなフリーランスになって、なおかつ稼ぎも悪いという現実が待っているんです。
どうしてフリーランスも稼ぎが悪いかというと、実はあれもきちんとしたルールの中で、ほとんど下請けに組み込まれてしまっているからです。
固定の取引先にどれぐらい依存しているかというデータがありますが、実は20%くらいが特定の取引先に依存していないと考えられる。
ほとんどは特定の取引先に依存しているわけです。うまい具合に下請けに組み込まれているわけですね。ルールの中でね。
そして、フリーランスはどうやって仕事を増やしたかというと、
- ・既存の顧客からの紹介
- ・友人知人からの紹介
- ・同業の企業、経営者からの紹介
- ・異業種の企業、経営者からの紹介
- ・フリーランスの相互扶助団体からの紹介
こんな具合に紹介ばっかりです。
上から2番目には、「自分の営業の活動、売り込み」がありますが、この部分が本当にしっかりして、どんどん自分で取引先の数を増やしていかないと結局その下請け構造から脱出できないということです。
結局は誰かが作ったルールの中でフリーランスもほとんど生きているわけです。
だから、収入も全然安い人たちが6割くらいいるんです。
社会のルールは変えられなくても自分達だけの小さなルールを作れ
”ルール”という点で、「社会のルールを変えることはできないが、自分たちのルールを変えてしまおう」という人たちも出てきています。
『しょぼい起業で生きていく』のえらいてんちょうさん。
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そこで、しょぼい喫茶店というのを開いたおふたりのうちのひとり、えもいてんちょうさんが『しょぼい喫茶店の本』という本を出す予定です。
百万年書房 (2019-04-10)
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このおふたりが店を実際にやるときに覚悟したことっていうのが、「家賃が払えなかったらよそでバイトして、それで家賃を補填していこう」とか、お姉さんも看護師の資格がありますから、派遣の看護師をしながら家賃を入れていこうとか、その覚悟だけはあったと。
この軍団の面白いところっていうのは、”雇用”という概念が存在しないんですよ。雇用という概念が。
ここで働いている…というか、そのてんちょうさんに関わって自分たちで自分の好きな店をやるんですけども、それも雇用という概念ではなくて、「売上金を分配する」っていうやり方です。
その時に、社会のルールは変えられないけれど、小さなところで自分たちのルールを作っていくって、こういう新しい働き方を選択するのも、一つの手じゃないのかなって思っています。