「失敗の法則」から学べ 企業が倒産する10の要因

経営
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倒産する際に起こる兆候はだいたい似通っている

今日は『倒産から学ぶ失敗の法則』というテーマでお送り致します。

私達は税務・労務・人事を通じて様々な会社さんの実情に触れる機会が多うございます。

伸びている会社さんもあれば、踊り場に直面している会社さんもあり、残念ながら廃業したり倒産する会社さんも17年で沢山見てまいりました。

それで先日、日経BP社から出ている『なぜ倒産 23社の破綻に学ぶ失敗の法則』という本を読みまして、その内容になるほどと感じる部分もあり、私なりに『倒産の原因』を10個抽出してみた次第です。

なぜ倒産 23社の破綻に学ぶ失敗の法則
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成功には無限の個別要因があるのですが、失敗するパターン、要因はだいたい似通っているので、「そうならない為にどうしよう」という意味で、皆さんの参考になればと思っています。

以下提示しますね。

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潰れそうな会社はだいたい同じ~企業が倒産する10の要因

1)社内体制が整わない

一つ目の倒産要因は、『社内体制が伴わない』です。

これ、どんな時に起きやすいかというと、ビジネスが急拡大している場面や、ビジネスモデルが急速に陳腐化した時に起きやすい現象です。

新しい付加価値のある事業をやる時に体制が伴わないという事ですね。

事業の成長に人数が追い付かなかったり、良い人材が確保できない、人材を確保する仕組みが作れていない状態の時に、会社がパーンと倒産しやすいです。

2)本業軽視の新規事業投資

これも結構あるんですよ。

本業がちょっと順調になってくると、経営者ってやっぱり新しい物好きなので、新しい事をドンドンやっていきたいという欲が出ます。

本業を社員にまかせっきりにして、自分は新しい新規事業にバンバンお金を使いまくって失敗しちゃうのが、よくあるパターンです。

いざ失敗した時に、本業も踊り場を迎えていたり、事業モデルが陳腐化しているのに気が付いて、時すでに遅しという場面をよく見ます。

3)勘違いの本社移転

これもあるあるです。

昔は質素なつつましいオフィスにいたんですけど、東京で言ったら大手町みたいに著名な立地の新しいビルに移転するんですね。

必要に迫られていたり、経済的にも合理性があればよいのですが、時々「見得張ってんじゃねーの?」みたいな本社移転を見ることがあります。

良い本社、広い本社、綺麗な本社、駅の近い有名な土地にある本社に行くと、そこから撤退するのって凄く難しいことなんですよ。

のびたゴムが縮まないのと同じです。

経営者にもプライドがあって、落ち武者の様にしょぼいところには移れないんですよ。

業績が悪くなったら、早いタイミングで質素な物件に戻れば、固定コストが減る分、その費用を投資に充てて業績改善の糸口が見つけられたかもしれないけど、ずっと建物に固執しちゃうと。

プライドで会社を潰すパターンです。

4)過度な借金・資金繰り

これは2)の新規投資とよく絡んでいます。

よくあるのが、流行りのビジネスで儲かって工場を新しく作ろうとしたは良いけれど、工場の完成までに2年間かかって、工場が完成した時にはもうブームが終わってるというパターンですね。

これで資金繰り悪化するというのは、とても多いです。

5)ラッキーな受注による勘違い

何かイベントがあって特需みたいなものが起こった時も要注意です。自社の商品がまさかの大ヒットを記録しちゃったと。

そういう時に、「これでイケる」と勘違いして、特需がずっと続くという妄想に駆られてしまう社長さんが沢山います。

今まで散々苦しかったものですから、財布のひもが緩んじゃうんですね。

強きで拡大していって、ラッキーな売り上げがまだ続くと思ったけど、気が付かないうちにガーンと売上が下がっちゃって、会社も終わり。というのはよくあるパターンです。

6)攻めの投資

経営者って先が見えなくなると「一か八か」の勝負に出やすいんですが、これが大体成功しないんです。

戦略性がないのに、一か八かで工場バンバンって出してしまう、新しい事業にバンバンとお金を出してしまう、全くシナジー効果のない事業に手を出してしまう。

そして、最後にはやられちゃうというパターンですね。

7)方向転換見誤り・対応後手

時は常に流れていって、時代の変化はもの凄く早くなっています。

その中で、消費者はもう自社の商品を買わないとわかっているのに、まだ売れると必死でもがいて対応が遅れてしまう。

これももの凄く多いですよね。

時代の流れが一周回って来た時に、また昔の時代の流れに戻るという妄想の元に衰退事業をやり続けて、対応が遅れて終わりというパターンもよく見ます。

とにかく費用対効果の合わない過去の遺産にお金をぶちこんでしまって、会社のお金も減るわ、社員は疲弊してやめるわで、もう大変な状態になるまで社長が見誤りに気が付きません。

8)後継者不足・内紛

本当の敵は自分。なんて歌詞がありますけれども、うまく言ったものです。

兄弟で内紛、親子で内紛、義理の何とかが出てきて内紛。もうそんなのばっかりです。

そんなんでずーっとやりたい放題会社な会社だと、取引先からやがてソッポを向かれ、誰も後継者になってもらえなくて、終わり。という場面もよく見ます。

9)少数の取引先からの利益で会社を成り立たせている

この要因による突然死も多いです。下請け構造の企業さんは本当に注意が必要です。

やっぱり取引先は常に分散していかないとやばいですよね。

できることなら、一番大きな取引先であっても総利益において5%以内に抑えておかないと危ないです。

一番やばいのは1社下請け独占みたいなね。安定している時は楽で良いんですよ。

親会社が好調の時は良いんですけれど、リーマンショックみたいな事があるとババババっと切られちゃうんです。

私も以前、リーマンショックの時に、大きな取引先からババババっと切られてほんと危ない経験をしたことがございます。

「自分は天下の〇〇と大きな取引をしている」なんて会社さんは、本当に気を付けてくださいね。

10)債権回収・経理・バックオフィスの甘さ

経理がずさんだとか、資金繰りの管理がずさんだとか、そういった甘さ。請求してるのに振り込んでこない取引先に対して債権回収をしてない甘さ。

これで足元をすくわれる会社さんも多いです。

経営者って、売り上げとか技術とかそういう事にはもの凄く興味あるんだけど、バックオフィス(管理部門)に対しては疎い人が多いんですね。

バックオフィスの仕事ってめんどくさいものですし、貢献が見えにくい、面白くない業務だから軽視しちゃうんです。そういう会社もダメになったら早いです。

いかがでしょうか?

ここにあげた10個の倒産要因で、あなたの会社に少しでも当てはまるものがあるのでしたら、今からでも遅くありませんので戦略を練って改善していきましょうね。

 
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南本 静志

和歌山生まれ。株式会社紀陽銀行入行。銀行業務を2年程度経験後、システム部へ異動。

システムエンジニアとして銀行オンラインシステムや情報系のマーケティングシステムの構築で活躍する。

30歳代の後半には日本ユニシスに出向し、金融機関向けCRMマーケティングシステムの業務設計のリーダーを任される。その後、コンサルタントとして独立、現在は東京千代田区で経営コンサルティング会社と社会保険労務士事務所を設立し、代表に就任。

中小企業診断士及び社員を持つ経営者としての立場で、幹部社員(部長、課長、係長等)を次期役員に昇格させるようなマネジメント系の人材育成プログラムに強みを発揮している。また、初級管理職(主任や中堅リーダー)に対するモチベーション研修や自己発見研修も得意。

アールイープロデュース 

適性検査Cubic(キュービック)

東京中央社会保険労務士事務所

東京中央給与計算センター

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